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【2026年2月号】「農業が好き?」に答えが出ないまま


去年の期間スタッフ、兵藤が2月号を担当いたします。

実はこの畑のつぶやき、10・11・12・1月号を担当した者は期間スタッフであり、私と同

じ寮メンバーでした。年代は20~40代まで様々でしたが、職場まで一緒に通ったり、帰っ

たらお酒を飲んだり、マリオカートをしたりなど、とても楽しい7カ月半でした。


さて、この7.5カ月という短い期間、そして現在も私はモヤモヤしています。何かというと

「自分が農業を好きなのか」ということ。


農業との出会いは学生時代でした。農学部ではなかったのですが、たまたま農業のアルバ

イトを経験する機会があり、それがきっかけでこの道に進もうと思いました。当時の私は

、最初から農業をやるつもりはまったくなく、就職活動も別の業界を中心に受けていまし

た。けれど、どの業界にもどうしても気持ちが乗らない。もともと少しひねくれた性格な

のもあって、良さを探す前に嫌なところばかり目についてしまい、「合わない理由」だけ

が増えていく。そんな調子で、就活も順風満帆とは言えない日々でした。ただ、そんな自

分でも「熱中しているわけじゃないのに、なぜか毎日やってしまうこと」が一つだけあり

ました。それが農業でした。気づけば働きすぎて、103万の壁を越えて親に迷惑をかけた

こともありました。特別に「農業が好き」という自覚はなかったのに、結局いちばん続い

ていたのが農業だった。


好きというより、消去法。正直、始まりはそんな感じでした。でも振り返ると、その消去

法で残ったものが、そのまま今につながっている気がします。


そして、その流れのまま、のらくら農場での生活が始まりました。朝起きて身支度をして

、気づけばもう畑にいる毎日。作業が終われば寮に戻って、誰かが作った夕飯を食べて、

少し話して眠る。そういう日々が、思っていた以上に自分に合っていました。一方で、こ

こで知ったのは「畑だけが農業じゃない」ということです。繁忙期は出荷場で一日中、野

菜の傷んだ部分を取り除いたり、袋詰めをしたりすることもある。気づけばケールを10時

間近く触っている、なんて日もありました。単調で、集中力もいる。外で土を触っている

時間より、むしろ整える時間のほうが長い日もある。想像していた農業とのギャップを感

じるたびに、「自分は農業が好きなんだろうか」と揺れる日々でした。


それでも続けられた理由を思い返すと、たぶん私は「農業が好き」というより、農業があ

る暮らしの自由さに惹かれていたのだと思います。親は千葉から東京に通うサラリーマン

で、朝は決まった時間に起き、身なりを整えて家を出る。片道一時間ほどの通勤、そして

満員電車。子どもの頃からそれを見ていたから、それが「働く」ということなのだと、ど

こかで自分に刷り込んでいました。でも、農業がある暮らしは違う。朝起きて10分で家を

出て、10分で職場に着く。ひげを剃る、髪を整える、服装もしっかりする必要もない。そ

ういう細かい縛りが少なくて、気持ちが軽い。通勤時間が短いのも含めて、暮らし全体が

自分に合っていました。


この気楽さが、私には何より魅力的で、今もたぶん、その感覚に助けられています。だか

らこそ、今シーズン働いてみても、私はまだ「農業が好きです」と胸を張って言えるかど

うか、はっきりしません。好きか嫌いかで言えば、嫌いじゃない。でも「これが天職だ

!」と燃えているわけでもない。そんな自分に、少しモヤモヤしています。

ただ、モヤモヤしたままでもいいのかな、とも思います。畑だけじゃなく、出荷場も含めて、地味でしんどい作業があることも知った上で、それでも続けられた。そう考えると、

私にとっての「好き」は、派手な情熱じゃなくて、淡々と続いていく感覚に近いのかもし

れません。

正直まだ答えは出ません。でも一つだけ言えるのは、私は「好き」と言い切れなくても、

続いてしまう感覚に支えられていたということです。

 
 
 

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