【2025年12月号】驚きの連続
- Kana Inamura
- 3 日前
- 読了時間: 3分

初めまして、こんにちは。
12月号の畑のつぶやきを担当する期間スタッフのチャンです。
実家が岡山でいちご農家の僕ですが、日々大変そうな両親を見て、「自分は農業は継がないかな」と思っていました。
ところが、小祝さんのBLOF理論の講義を聞いてから、今の農業がこんなにも理論的に、土壌分析を通して栄養価の高い作物づくりをしていることを知り、「農業って、こんなに科学的で面白いのか」と感じるようになりました。
のらくら農場で働いてみたいと思ったきっかけは、萩原代表の本『野菜も人も畑で育つ』を読んだことです。
農業の厳しさを率直に語りながらも、どのページからも“楽しそうな現場の空気”が伝わってきて、
「このチームの中で働いてみたい」と強く思い、期間スタッフとして応募しました。
今回は、5月から12月までの経験の中で、特に印象に残ったことをお話ししたいと思います。
まずはじめに驚いたのは、のらくら農場のいちご畑の風景でした。
私の知っているいちごはビニールハウスの中で育つものでしたが、のらくら農場のいちごは、青空の下で風に吹かれながら、たくましく育っています。しかも化学肥料や農薬に頼らず、有機で栽培されている。初めてその畑を見たとき、まるで野原にいちごの葉が広がっているようで、いい意味で自分の中の常識が壊れました。
そしてもうひとつ驚いたのは、収穫したばかりのカブを生で食べた時のことです。
「カブってこんなに甘くて、みずみずしいのか」と驚きました。
まるで梨を食べているようなジューシーさで、噛むたびに口の中に優しい香りが広がりました。
土の香りとともに感じたその味わいに、「野菜の力」を実感した瞬間でした。
作業の中では、戸惑うことも多々ありました。
例えばカブの収穫作業では、コンテナを縦にして8割ほど入れるようにしないと、葉の長さが揃わずにカットしづらくなってしまいます。
最初は手際が悪く、どうしてもうまく入れられずにいたのですが、そのとき圃場長のかなとさんが気づいて、
「チャンさん、こうすれば1回で綺麗に入りますよ」と声をかけてくれました。
ご自身も作業をしながら全体を見渡し、自然にフォローしてくれるその姿勢に、心から尊敬しました。
のらくら農場では、スタッフ同士の距離がとても近く、忙しい中でも自然に声を掛け合い、助け合う雰囲気があります。
農業というと一人で黙々と作業をする印象が強かったのですが、ここではまるでチームスポーツのように、それぞれが自分の役割を果たしながらも、全体を見て動いている。通年スタッフの皆さんの視野の広さと、周囲を気遣う姿勢に、何度も助けられました。
のらくら農場で過ごしたこの数ヶ月で、私の中の「農業」のイメージは大きく変わりました。
ただ作物を育てるだけでなく、人も一緒に育っていく場所。
それぞれの“らしさ”を大切にしながら、より良い形を探していくチーム。
その中で学んだことを、これからも大事にしていきたいと思います。
寒さが一段と厳しくなる季節ですが、
春にはきっと、また新しい芽が顔を出してくれるはずです。
私もそのひとつの芽のように、少しずつでも成長していき、いちご以外の野菜にも挑戦していこうと思います。
――最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
河合 智之(チャン)





コメント