大学を卒業してからこれまで十数年間、東京でサラリーマンとして働いてきた。就活時、自分のやりたい事は分からなかったが、一人ひとりが自分の仕事・事業・会社について主体者として楽しそうに語り思い切り働いていると感じた会社に、この人達と一緒に働いて成長したい!と思い入社を決めた。素敵な仲間、お客様、ありがたい機会などに恵まれたおかげで、大変なことも勿論沢山あったものの、その中でもとても楽しく働かせてもらってきた。任せてもらった範囲の少し先くらいを意識しながら目の前のことにがむしゃらに向き合ってきた一方で、徐々にこのままの延長線上で良いのか?今後の人生で何を還元できるようになりたいのか?という疑問が湧いてきたのが、30代になった頃。それでも、任せてもらっている仕事のやりがいや、成長できそうという感覚などから、その疑問を脇に追いやりながら、数年間走り続けてきた。
そんな中コロナ禍で在宅勤務となり、通勤を理由に住んでいた東京から地元の神奈川に引っ越し、休日に家族と過ごす時間が増え、これまで会議続きであまり食べられていなかった昼食をリモート会議中につまむようになったことで規則正しい食事を取り戻し…等、環境が色々変化する中で、これまで脇に追いやっていた疑問に向き合うことに。
もともと感覚的な人間にも関わらず、働き始めてからは合理/非合理で物事を考えることが多くなっていた。
そのため改めて原点回帰をし、思いっきり感覚に頼った判断をしようと、
幼い頃、農家だった祖父母を見て「農業って尊い、いつか何等かのカタチで関わりたい」と思っていたこと
食を中心に据えた生活への転換による体/気持ちの変化で改めて実感した「人間は食べ物で出来ている」ということ
こんな感覚を頼りに、「農」の世界に飛び込むことに。
前述のような経緯で、5月中旬からのらくら農場で期間スタッフとしてジョインさせてもらった秋山(アッキー)です。ここからは、2ヶ月半ほど働いている中で感じている農場のことを書かせて頂きます。
■スタッフについて
まさにダイバーシティそのもの。
ただ単に年齢・性別・これまでの経験など様々な人がいるということではなく、皆が一人ひとりを真に受け入れ、それぞれの得手不得手や志向を踏まえて、皆でいい仕事をして美味しい野菜をお客様に届けるにはどうしたら良いか?を考え行動している集団だと感じます。一人ひとりから学ぶことがとても多く、刺激をもらっています。
農場のことをざっくばらんに伝えた上で働きたいという人を基本受け入れるという姿勢にも関わらず、その中でもこのようなチーム運営ができているのは、今いるスタッフはもちろん、代表はじめこれまで農場で働いてきたスタッフの皆さんが作り上げてきた「のらくら農場から醸し出される雰囲気」(所謂ブランディングなのでしょうが、この言葉の方がしっくりきます)によるものが、とても大きいのだろうなと思います。これまでを積み上げてきた仲間のおかげで、のらくら農場に吸い寄せられた仲間が集まり、一緒に働けていることに感謝ですし、私自身も次に向けて積み上げていく一員としてプラスに寄与できるようにしたいな、と思います。
■野菜について
調味料ではなく、野菜そのものの味を楽しむ野菜。
果物のように甘くみずみずしく滑らかで生でいくらでも食べられてしまう蕪、炒めてから味噌汁にすると驚くほどの旨味・甘味が出てくる長葱、グリルして塩をふって食べると滑らかな触感・旨味がみずみずしさと共にジュワっと広がるズッキーニ、さらっと炒めるとシャキッとした触感とほんのりとした甘味を楽しめる丸さやインゲン…。挙げればきりがないですが、農場で働かせてもらうようになってから多くの新たな美味しさの発見をしています。改めて、これまで作って食べていた料理の多くは、調味料の味だったのだな…、と。野菜そのものの味、調味料の味に負けず相乗効果が生まれる味を楽しむことができる野菜を、これから一緒に作っていきたいと思います。
こんなことを思いつつ農場の仕事に向かいながら、タイトルの問い「これからの人生、何に時間を使っていくのか…?」の現時点での答えを見出し、その答えに向き合っていこうと思います。
そしてまたその先、再度この思考サイクルを繰り返すタイミングが来るのだろうな…。
秋山
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