のらくら農場 代表 萩原紀行 今季もごきげんで突き進みます!!
のらくら農場、26年目に入ります。26歳の時に千葉から長野にやってきて、就農と同時に結婚。4月に銀婚式だったと気づいてびっくりでした。農場内で3組目の結婚が成立。カーリー、タカちゃん、おめでとう!
四半世紀やってきて、これほど急激な世の中の変化は初めてとなります。資材高騰がかつてないほどになってきました。3月に20%の値上げになった資材が5月にさらに20%のアップで、144%アップ。運賃、ダンボール、肥料、と毎日のように値上げのお願いの連絡が来ます。値上げならまだましで、資材そのものが手に入らないという事態になってきました。コロナでマスク不足のときは、農業で使う、霜をよける保温シートがマスク生産にとられて納品は4ヶ月後(4ヶ月後には霜がない夏だよ)なんてこともありました。2月に発注したじゃがいも堀とり機の納品は8月末だそうです。
「頼めば届く」時代が変化していくのかもしれません。これほど急激な上昇はさすがに初めてですが、実はこれまでダンボールの値上げは5回もありましたし、その他資材もずっとじわじわ上がり続けてきているのです。ただし・・・、世の中の野菜やお米の価格って、30年くらい値上がっていないのです。卵も少しは上がりましたが、ずっと低価格です。先日、鶏卵の国内最大手が倒産しましたね。農業者の平均年齢は67歳になりました。そりゃそうでしょう。
世の中の野菜は、市場の相場に左右されますので、農家がどんなにコストが上がろうが、市場でダブつけば安くなる。圧倒的な量の市場価格が世の中の農産物の価格の基準感覚になりますから、身近な食材というのは常に下方向に価格が引っ張られます。
農業の業界から伝え聞く声は、「しばらく設備投資は控える。我慢の時。」「雇用を減らす」「資材コストを下げるため、ランクを落とす」などです。
僕の判断は次の通りです。
肥料は値上がったが、肥料のランクは落とさない。栄養価と味の研究をしてきて、その道筋が見えてきたのに、落とす判断はできなかった。むしろ、より上げる。
雇用は増やしました。給与も上げる。この難局を乗り切るのに、今の最高のスタッフの協力は欠かせない。
出荷場と冷蔵施設を建設する予定です。4千万円以上かかってしまいそうです。これができれば新しい形の作付け、出荷の形を作れそうです。
これは決して「攻めの経営」でもないですし、「賭け」でもありません。(経営を預かっているものが賭けなんてしちゃいけません)この厳しい世の中の波と、シンクロしてはいけない、と思ったからです。波をずらす感覚です。哲人デカルトの言葉があります。
「困難を分割せよ」
困難は全体として捉えない。困難の壁を小さく分けて考えて、蟻の一穴を開けていく。そして決壊させる。ずっとこれをやってきました。資材高騰しても、良い作物作りを続けます。そのほうが面白いんだもん。
この局面を乗り切るためにも、野菜セットの販売により力を入れていこうと思っています。今まで、ほとんど広告費をかけることなく、口コミだけでじわりじわりと伸びていきましたが、特に最近、のらくら農場の野菜セットをお友達や御親類に紹介してくださる方が増えていて、とてもありがたく思います。心から感謝申し上げます。
栄養価コンテスト
オーガニックエコフェスタ2022,栄養価コンテストにおいて、ピーマン、甘なんばん、ケール、みつばが部門別のトップ賞をいただきました。ケールは4連覇。のらくら農場を昨年卒業した、マッキーとユキル夫妻が二位!ワンツーフィニッシュ達成できました。
精神安定の効果があるアミノ酪酸、GABAが慣行農法の23倍ありました。甘なんばんは抗酸化力が平均の9.4倍ありました。得意の春菊は2位。(1位は有機資材会社さんのプランターでの実験栽培。そりゃないよ(笑))。
絶対王者がいる部門はエントリー数が減っているらしいです。若い人の道を塞ぐのは本意ではないので、最優秀をとった作物は、もう出品しないと思います。新しいプレイヤーが輝く場であってほしいと思います。
代表
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