
皆大きな怪我もなく、無事年末を迎えられました。毎年思うことですが、まずはそれが一番良かったことです。あ、そういえば僕は4月に右足の小指を骨折していた!医者もいかずに治してしまいましたが。忘年会では、料理人である中さんが料理を作ってくれて、最高のご馳走でした。中さんは、長野県の小川村で農家レストランを開きます。中さんが言っていたことで印象に残ったのが、ジブリの宮崎駿監督のこと。宮崎さんがアニメ制作をしているとき、ひたすら「あーめんどくせ!」と悪態をつきながら仕事をされています。中さんはそれを見て、「大切なことはみんなめんどくさい。」と悟ったそうです。それ以来、面倒なことはあえて「めんどくさ」と声に出してみる。今自分は大切なことをしているのだと自覚できるということでした。
6年間中心メンバーとして活躍してくれたメイちゃんが農場を離れることに。最初から、それほど長居はしないと言っていた彼女が6年も頑張ってくれました。メイちゃんとはよく食事に行ったりして、スタッフの中でも特に距離が近い人材でした。農作業は何をやらせても一流で、狩猟免許を取って鹿を撃ったり、「農的に生きていくプロ」であると思います。第一次産業の人が住まうアパート経営をしたいと以前から言っていて、それは痛快な夢です。ぜひ応援したい。
仕事の達人、カナさんが自分の夢だった豆富店開業の夢をかなえることができました。仕事のタスク管理など、のらくら農場に今までなかった風を吹き込んでくれました。昨年の7月に佐久穂町で稲村豆富店を開業。これからものらくら農場の仕事を一部外部委託という形で続けてくれます。本当においしい豆富です。ワンオペなので大量にはできませんが、卸もやっていますので、お店様は、是非ご検討ください。
のらくら農場28年目の圃場リーダーは、農場にきて二年半のカナト君に決定。配置図を作るという作業を年末年始にやります。60種類の作物を約80枚のどの畑に位置させるかという重要な作業です。これは、土地の特性と作物の特性、収穫の動線や作業がやりやすいかなど、あらゆる要素を理解していないとできない作業です。前リーダーのタカちゃんと2023年のリーダーのエーちゃんにも入ってもらいました。まだ2シーズンしか経験していないカナト君と、5~6年選手の二人と27年選手の僕の意見がほぼ同レベルで交わされていることに気づいて、頼もしく思いました。
農場メンバーから、販売チームに入りたい、フォークリフトを習得したい、機械オペレートができるようになりたい、など「やりたい」と言ってくれるたびに、心の底からじわじわと嬉しさが沸き起こってきます。
作付面積で、2025年は、約12.2ha約12200㎡。(50m×20mのプールが122枚分)になると思います。広大な面積を相手にするにもかかわらず、「この作業機械のこの部分を改造したい。」とわずか数センチの納得のいかなさに、真剣に話し合っているのが農業の面白いところ。全体の流れを把握することと、数センチに対する執念がかみ合ったときに、農業はうまく回っていきます。この回るには二つの軸があります。一つは畑が回る。畑の管理が面白いようにうまく回ると気持ちがいい。これは日々をストレスなく農業で過ごすことができます。難しいのは、それは経営が回るとはイコールでないこと。畑がうまく回った感がないのに、経営がうまくいくことのほうが今まで多かった気もします。どちらも大切にしていきたい。
2025年のテーマは「大切なことは普段使い」に決定しました。「いい仕事しよう」「ご機嫌で仕事する」「人の横に立ち伴走者としてふるまう」「困難を分割せよ」など、のらくら農場にはキーワードがいくつもあります。それを日常でどんどん使っていく。「めんどくさい」もこれに入れよう。
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