top of page

【2024年7月号】新米母ちゃんの育児日記と宣言


『育児も仕事も全力で愉しむ~我が子と一緒に種まき中~』


ここ数年、人生の中でビックなイベントが続きました。結婚・妊娠・出産…

スタッフの妊娠は農場としても初めてのこと。勤務しているスタッフにパパさんはいてもママさんはいない。どんな作業ならできるのか、どこまでなら支障なくやれるのか、日々私自身も周りも模索しながら、気が付けば出産前日まで出勤できるほど、たくさんのサポートをして頂きました。


子供が生まれてからの1年間は育児休暇をいただき、100%子供に寄り添った生活。右も左もわからないのに産後1週間であれこれ叩き込まれ、まともに座れないほど傷口が痛む中、退院。出産は交通事故レベルの損傷だといわれながら、その瞬間から容赦なくやってくる昼夜関係なくランダムな授乳とおむつ交換。我が子は口が小さく吸引力が弱かったため、初めの1か月は直母乳ができず搾乳機を駆使。幸い母乳量は恵まれたものの、疲れてサボった結果、乳腺炎となり、高熱や全身の痛みと闘いながらノンストップで続く育児。原因不明の夜泣きは、調べると脳の成長の証なのだとか。昼間の出来事を寝ている間に処理するも、キャパオーバーでパニックになり夜泣きとなる。永遠と泣き続ける我が子、親としても心苦しいものだ。抱っこしながらひたすら部屋の中をぐるぐる。眠すぎて瞼が下がり、壁や家具にぶつかったこともしばしば。気が付けば月日は過ぎ、首が座り、寝返り、ずり這い、おすわり、はいはい、つかまり立ち、二足歩行ができるように。「あー」「うー」のおしゃべりが今や犬を見れば「ワンワン」、猫を見れば「ニャーニャー」と言えるように。ぬいぐるみを大事に抱えて「いいこ、いいこ」と言いながら背中をなでたり、タオルをかけて「ねんね」と言ったり。いつの間に覚えたの?というくらい、すごい吸収力で日々成長している姿が愛らしく微笑ましい。のり状のご飯から始まった離乳食も、今や大人の食事をとりわける程度までに。歯の生え方がすごくゆっくりだけど、食べることに意欲があるのはありがたい。農場の野菜は大好物で、特に最近はミディトマトやいちご、蒸し玉ねぎや焼きなすへの食いつきが異常🤣


先にも書いたスタッフの妊娠が初めてな分、子育てを経験しているスタッフも数少ない。保育園の洗礼は子供だけかと思いきや、親にもやってくるなんて想定外。次から次へと風邪をもらい、割と頑丈な私と主人も呆気なくダウンするほどの感染力は、ある意味脅威だ。保育園からのお迎えコール、急な発熱による欠勤。「子供がいる家は当たり前だからそれは仕方のないこと」と代表夫妻の心こもった言葉をいただくも、欠勤が続くことへの申し訳なさ、子供のことを第一に考えたい気持ち、やはりこれは子育て経験をしないと解り得ないことだと、復帰と共に痛いほど痛感している真っただ中。そして、決して仕事を休んでいるからと言って休日というわけでは全くなく、家事と育児はいくらでも湧き上がってくる。


復帰後は家事育児+仕事で全部合わせたら1日の労働時間は17時間くらい。お昼のまかないが唯一ホッとできる貴重な時間。スタッフそれぞれ個性あふれる美味しいご飯に、こんなにも癒されるものかと改めてこの制度に感服。作り手は慣れるまで大変だけれど(1時間でおよそ20人前の食事を用意)、誰かを想って作るご飯、時間の制約がある中で段取りを組む力、今農場にある野菜で作るという発想の転換、美味しい野菜で食卓を囲む、テイスティングも兼ねて…まかない一つとっても奥が深く、農場の仕事は本当に緻密だと感じる。


産後の病院食は美味しいと思ったけれど、野菜だけはどうしても物足りない。もしこの食事に農場の野菜が使われていたらどれだけ良いだろうと本気で思った。届くところに届いてほしいと切に願った瞬間である。人を良くすると書いて『食』。食べることは生きること。生きる力が弱っている人にこそ、形ではなく中身に生命力のある食材を摂って欲しい。「初産でこれだけ母乳が出るのはすごいことよ!」と助産師さんからお褒めの言葉をいただいた。これはきっと亜鉛がしっかり効いた農場の野菜を日頃から食べていた結果なのではないだろうかと主人と話した。


妊娠の報告をした際、「おめでとう、一緒にやっていこうな」と声をかけてくださった代表夫妻。子育て中の(母)親を社員として採るのは職場としてはハイリスクでしかないはずなのに、受け入れてくださいました。子育て世帯に対する理解がまだまだ発展途上の日本で、『こういう世の中だったらいいよね』を基準に小さいことでも一つ一つ積み上げて、スタッフのことを家族のように大事に思ってくれる。


限られた勤務時間の中で何ができるのか、何を優先的にやったら良いのか、次に続く人がどんな環境だったら妊娠・出産・子育てしながらでも気持ちよく仕事できるのか、マニュアルも前例もない手探り状態に落ち込んだり悩んだり空回りすることもあるけれど、【美味しい野菜を作って届ける】という想いだけはブレずに今シーズン頑張ります。


かーりー

Comments


bottom of page