僕は琴線に触れる言葉を集める事が好きで日々いそいそと書きためております。
日頃お世話になっている皆様にのらくら農場の日常で集めた言葉を通して農場を垣間見てもらえたら楽しいかもと思ったのでそれを中心に書いてみます。
以下マッキーメモより抜粋
「優しいとは効率的だということ」by紀行さん
僕にとってこれは一生ものの名言です。例えば怒ったり怒鳴ったりしないことで安心感が場に生まれてちょっとした懸念を伝えやすくなる。それで大きなミスを未然に防ぐことができるかもしれない。恐怖のある場所では小さなミスは隠す方向に行く可能性も高まると思うので。他にも予防医学は発病してからの治療より患者に優しく、健康という観点から効率的だと思います。この言葉があてはまる場所はきっと他にも沢山あって、それが常識になった社会はいい社会だなぁと思っています。
「準備と実行なら実行が大切。実行ありきの準備」byある日の会話
のらくら農場に来て準備の大切さを沢山教えて頂きました。誰かに話しを聞かせてもらうなら相手の時間を無駄にしないように質問を準備していくこと等。でも準備を難しく考えすぎてしまって実行できないなら本末転倒。まずはやると決める。そしてできる範囲の準備をする。これは刺激を求めて他の農家さんのところで1日働かせてもらおうか迷ってる時にスタッフのもっさんが「何も考えないでいくのもいいかもしれませんよ」と言ってくれた一言で気づいた事です。
「農業の枠を溶かす」by紀行さん
もう十年も前から紀行さんがいっているセリフです(先見の明が凄い・・・)。農業と医療 農業と栄養学 農業と販売etc...「自分たちはこういうもの」と線を引かず、常識という線で引かれた境界線を溶かしていく この境界線を溶かすのは化学だったり、人事交流だったりします。販売店のスタッフさんに数か月農場へ来てもらって、自分の言葉で野菜を語れる販売員になってもらう その逆に販売店に農家が行って販売側の気持ちが理解できる農家になる 各種栄養が人体にどのように作用するか理解し、野菜作りから人の健康を考える どちらもまだ具体的な形にできていませんが、農業の先の面白さに気づかせて頂きました。
「起こった事にちゃんと対応すれば人生は良いことしか起こらない」by紀行さん
これは今年になってから紀行さんがよくいうセリフ。これにちなんで思い出すのは僕がのらくら農場に来させてもらうきっかけは研修先のトマトが病気で全滅しかけていたからだったこと。その時たまたま拝見した紀行さんの動画の中でその病気を克服した事例を発表されていて知恵を借りようと思い連絡しました。紀行さんは親切に対応してくれ、その技術の高さと人柄に感動し、いろいろあったのち、のらくら農場に来させていただくことになりました。
それから5年が経ち私事ではありますが今季でのらくら農場を退職させて頂き、農場で出会ったパートナーと宮崎県へ移住し、独立就農を致します。
23歳でやる気と理想しかなかった僕にそれを形にする方法を教えて頂いたこと。長野の有機農業で中量多品目という非常にエキサイティングな旅を5年間も運転席の近くでともにさせて頂いたこと。パートナーと出会わせて頂いた事、本当に恩しかありません。
悔いのない仕事も、悔いのある仕事も、上手くいった事も、いかなかった事も両方沢山ありましたが、どちらも、のらくら農場らしく濃密な経験として僕の中に残っています。
「人生は良い事しか起こらない、トマトの病気に本気で対応すれば最高の出会いにつながることもあるから」
ここ数年見失っていましたが、ここで大切なのは本気で在ること、つまり不退転の決意をもっているかどうかなんだと思います。悔いがある仕事があるのは凄く悔しいですが、いつかこの経験があったからといえる日がくるように良い事しか起こっていないんだと信じて本気で進みます。
大好きなのらくら農場で働かせて頂けたのは支えてくださるお客様のおかげです。そんなみなさんに退職する前にどこかで感謝を伝えたくて今月号を書かせていただくことにしました。5年間、のらくら農場を通じて関わらせて頂き、本当にありがとうございました。
マッキー
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