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【1月号】今年のテーマ

ここに来てからの10ヶ月、仕事に環境に慣れることに必死でした。初めて与えられた担当は育苗(いくびょう)というお仕事です。春のレタス・スナップエンドウ、夏のトマト・ピーマン・ズッキーニといった果菜類にシソ・ミツバなどの香味野菜、秋冬のケール・ブロッコリー・白菜など。作物を栽培するに当たって、苗作りは『苗半作(なえはんさく)(作物の半分は苗作りで決まるという意味)』とも言われます。農場独自の年間生産計画を基に種をまき、畑に植えられる段階まで育てます。水やり、ハウス内の温度・湿度管理、病害虫防除、発芽状況や葉・根の状態を観察することが主な仕事内容となります。失敗すればその分の種や肥料代、売り上げ、取引先との信頼性、そこに費やした労力など様々なものに影響を与えると感じております。そう自分に言い聞かせプレッシャーをかけつつも、夏の炎天下にハウス内の温度が上昇し、土が乾ききって枯らせてしまったことも...反省と共に失敗は最小限にとどめ、失敗してしまった分はどこで補い取り戻せるのか、代表を始めスタッフと作戦会議。そんな中でも刻々と生長していく野菜たちの姿に嬉しさが止まらず、生命力の強さに元気をもらいながらできたお仕事でした。   育苗以外には、トマトと春菊を主に担当させていただきましたが、私にとってはどちらも難しいものでした。特にトマト!昨年は猛暑を超え酷暑という暑さが日本列島を襲い、例年であればもう少し涼しい長野でさえ30℃を超える日々。収穫中は、毛穴という毛穴から汗が出るわ出るわ...笑。トマトハウスの温度と湿度は上がり、ご飯(お水や肥料)の欲求がとにかくすごい。芽かき(茎と葉の間から出てくる新芽をかくこと)も日々の業務との平行で追いつくことができず、ハウスの中はまさにジャングル。虫喰い、暑さ・収穫遅れにより、ヘタ付近だけ青みが残り売り物にならない、果実に亀裂が生じる、もしくは配送中・受け取り先での割れ事故などを招いてしまいました。共に働くスタッフにも、収穫してほしい色艶のトマトの伝達が上手くできないこともありました。誘引作業(茎を生長している方向に調整すること)の遅れによりジャングル状態になったハウスでの収穫は、やりづらく作業効率を下げてしまいました。挽回すべく早出や残業をするも、体調を崩すなど、全てがよい結果に繋がったとは思えませんでした。   思い返してみると、出てくるのは反省点ばかり...いやいや、苦い思いをしたからこそ、勉強になったからこそ残る記憶であり、実際は嬉しかったこともたくさん!夏といえば必然と食べたくなるトマト。ミディトマトとミニトマトに品目を絞りましたが、特にミディトマトは大好評。色、艶、香りに加え、旨みが強い美味しいものができました。大きさもスーパーに陳されているものより一回りほど大きく、食べ応え十分の代物となりました。多くのお客様から追加注文が寄せられたときには、小分け作業も嬉しい時間でした。   昨年を振り返ってみて、限られた時間と人数で効率よく仕事をするための作業の取捨選択は必須だと思いました。そして仲間と野菜への気配りやコミュニケーション、体調の管理、これらもとても重要であることに気づかされました。 "鷹のように俯瞰する眼"と"虫のように一点に焦点をあてる眼"、武器として取得したい。年齢のわりに頑丈ではない体、忙しいとかき乱されて負けそうになる心。それでもなんとか踏ん張って頑張ろうと思えるのは、この職場と人と仕事が好きだと心が言っているから。そして、手元に届いた野菜たちを愛おしく手にとり、美味しく調理し、旨い!と言って下さるお客様の声があるからです。 暖冬とはいえ、昨年の12月半ばあたりから-10度以上になるこの土地...上も下も着込んで見た目はまるで雪だるま☃人生初のしもやけに耐えながら、パウダースノーに心ときめかせ、雄大な山々が織りなす景色にどことなく感じる安心感。感謝の気持ちを常に忘れず、2019年も自分らしく。「日々(にちにち)是(これ)好日(こうじつ)」今年のテーマとします。布団から出るときは気合いを入れて、今日も寒さと戦います(o^^o)


カーリー

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