​2019

 
received_2246014219040809.jpeg

12月号

 

好きな事は大切にしたいもんです

はじめまして!夏のスタッフとして6月から12月初旬まで働いていました、千葉県出身メイ28才です。今回のつぶやきは、私の大好きなお茶の時間について、気の向くままに書いてみました。どうぞお付き合いください。

さて、お茶の時間は、私の日々の楽しみの一つです。のらくら農場ではだいたい毎日、10時頃と15時頃にお茶休憩をとります。萩原さんの「お茶入れようか!」というパリッとした声、あるいはマッキーさんの「お茶にしましょう」というゆるりとした声が聞こえると、私の楽しい時間が始まるのです。いや、これではまるで、それまでの時間が楽しくないかのような印象が生まれそうですが決してそうではないのです。食後のケーキはやっぱり興奮しませんか、いくら夕飯が美味しかったとしても。

お茶の時間、それは体と気持ちをリフレッシュさせるための大事な時間です。出荷作業中の体はちぢこまって肩が凝るし、目も疲れます。だから肩甲骨をギューッと広げたり腰を伸ばしたりもします。作業中にできなかった質問や、くだらない雑談もできます。ずーっと仕事を続けていると、まるで、息継ぎなしでずーっと泳ぎ続けているような気分になる時もあります。そこで「ぐわっ!」と息継ぎをしたら...物凄く生き返ると思いませんか。そんなくらい、私はお茶の時間で生き返っています。夏は、紅茶好きのゆうさんが「水だし紅茶」を教えてくれました。それまでは水出し麦茶を飲んでいたのですが、麦茶パックではなく紅茶のティーパックを入れるだけで、エレガントな香りが広がる、ヒンヤリおいしい紅茶ができるのです。これには皆、大いにはまってしまい、毎日紅茶を飲む、飲む、飲む。引き出しの中では人気のなくなった麦茶パックがちょっと寂しそうでもあったし、国産の麦茶か、輸入物の紅茶か、という愛国心を問われる観点もあるかもしれないけれど、やっぱりお手軽でエレガントな水だし紅茶は圧倒的人気を博したのでした。

好きなものは大切にしないと無くなってしまうことがあります。実は好きだった定食屋さんとか、居酒屋さんとか。お客さんがいるからお店は存在していられる。私が3か月に1回じゃなくて、月に2回行っていたら、あのお店は今もあったのかな。私貧乏性だから...ごめんなさい。お金のことに限らず、睡眠時間や文化なんてものも、気を向けていないと無くなりがちです。お金を使うのは投票だ、などと言う事もあります。使ったお金は、私たちが「これからも頑張ってね!」という気持ちを渡すためのツールだとも思います。環境問題やごみ処理問題、中山間地の在り方などに興味のある私は、自分のお金が自分の嫌なことに加担するのに使われてしまうのは避けたいし、「君に届け!」と思える物に届いてほしい気持ちもすごくあります。

このつぶやきを読んでくださっている皆様、のらくらの野菜をいつも食べてくださって、ありがとうございます。皆様はどんなわけでこの野菜にたどり着いたのか。どんなわけでこの野菜を食べているのか。機会があったら聞いてみたいですが、それがどんなわけであろうと、皆様のおかげで、私は大好きなのらくらで働いていられます。皆様のおかげで、私達は今日もおいしいお茶の時間を過ごすことができています。私のささやかで、大きな幸せです。

時には忙しくて、お茶の時間が取れないこともあります。お茶も忘れて前傾姿勢で仕事に没頭する、そんな時があるのもいいものです。押し寄せる「やるべき事の波」に呑まれてしまいそうな時は、一度休んでしまったら逆に疲れそうな気がして休むのが怖くなる事もあります。

初めのほうで、休憩を「息継ぎ」に例えた表現をしました。自分の息継ぎのペースがわかっていないと、体力はどんどん消耗するし溺れてしまう。お茶の時間がない時は、息継ぎをしていないんだぞ、という自覚を持っていないと、知らず知らずのうちに疲れがたまりかねないので要注意です。私は体力がないので、忙しい時に「休んでいる場合じゃない」と踏ん張ってやりきれる人というのを、本当にかっこいいと思うのです。萩原さん、タツさん、マッキーさんは、そんな力で農場を引っ張っているように感じます。農業は「タイミングを読む仕事」です。作物や土や天気の、「今!」というタイミングを逃してはならない作業が沢山あるのです。それを「経験と知識と技術」と「体力」でキチっと押さえていける人こそが、デキル農業者なのでしょう。

私は、これからもずっと、畑仕事と付き合っていきたいなと思っています。畑のある日々は刺激的でありながら、淡々としていて、いつも忙しくて、クセになるのです。「デキル農業者」としてやっていく事は無理でも、きっと、のらりくらりとやっていくのです。そしてこれからも「お茶の時間をちゃんと楽しむ」という事は忘れないようにしようと思っています。自分でやるならば、ちゃんと好きな飲み物を飲んで、私の場合それは緑茶とほうじ茶なのですが、それを淹れて、チョコレートクッキーを食べたい。そしたらまた、明日のおいしいお茶の時間のために頑張ろうと思うでしょう。そして私の緑茶を作ってくれる農家さんにもちゃんとお金を払えるし、チョコレートクッキーにもありがとうのお金をかけられる。好きな物は、大切にしないと無くなってしまうかもしれないから。私はお茶の時間が大好きだから。 めい

11月号

 

ブラックマーケット

のらくら農場で働かせてもらいはや一年。力不足を痛感しながらも、全力中年しています。日々様々色んな大変が押し寄せますが、やっぱりこの大変は大好きです。施肥や播種、畑の作業等。一歩踏み込んだ仕事にも加えて頂き、同じ畑同じ作物でも、見える景色が大分変わってきました。そんな日々の中、収穫中や選別中に、気になってしまう事があります。それは、「規格」について。

雨の前にギリギリ施肥した畑、あの小さな種が、育苗チームが育ててくれた苗が、干ばつや天候不順の中こんなに大きく育ってくれた。だけど規格外で出荷できない。ちょっと傷があるだけで......あと10グラム大きければ、小さければ......虫食ってるけど......。規格って何なんだ?誰が決めたんだ?なんでだめなんだ?こんなにおいいしいのに!くやしい......分かってはいるけど頭の隅に居座るこんな思い、違和感。

ここまで厳密な規格についての成り立ちについて、調べてみると、高度経済成長期、大量消費、工業化からの流れからきていることが分かりました。その中で気になった一文がありました。「サイズ分けされていれば、流通上も都合がいい。商品のばらつきをなくすことで梱包や運搬がしやすく、どの産地から来たトマトも一緒にスーパーに並べられるというメリットがある。」主語が都合になっている。人や作物が置き去りにされている。そう感じました。はじめはそうではなかったと思います。同じ品質のものを、大勢に、そして安く供給する。戦後日本の努力の賜物ではないかと思いました。辛かったぶん、家族や子ども、孫には辛い思いはさせたくない。そんな誰かを思う気持ちが根底にあったんじゃないかと思います。なぜかじいちゃんやばあちゃん、おじちゃんおばちゃん、両親の顔が浮かびました。規格とは本来、大事な誰かを守る為にあるんだと気づきました。

フランスの大手スーパーが催したキャンペーンの名前が題名の「ブラックマーケット」です。フランスでは出荷野菜のサイズが法律で厳しく定められていて、規定のサイズに収める為に農薬等も使われているそうです。農薬を使わずに育てられた規格外の野菜のみを販売する企画。スーパーの一画に設けられた市場は黒で統一され、まるで非合法の薬物や武器を売るようなブラックな雰囲気を演出していたそう......「この違法トマトを食べ れば、あなたも法律の不自然さを感じられるはず」とか「違法バターナッツかぼちゃを産み出したゴットファザー」という具合に。自然のものが不自然なものとして扱われている世論へのアンチテーゼもありながら、このキャンペーンの最大の目的は、「自然な野菜のサイズを規制する法律を妄信していいのか?」「法律(ルール)にそぐわないものは全て悪なのか?」と思ってもらうこと。法改正にも影響を与えるほど反響が大きかったそうです。

みなさまやお取引先様の理解もあり、一般に流通している野菜に比べると規格はゆるやかだと思います。両親も専業農家に転身し奮闘しているので、規格の厳しさは分かっているつもりです。ゆるやかなのは、目には見えない生産背景や味に焦点を合わせて下さるみなさまのおかげです。ありがとうございます。

安心なもの美味しいものを食べてもらたいという生産者。万全の状態で届けたいと考え運ぶ人、売る人。そして、手に取ってくれる方、口に運ぶ方。三位一体、みんなの為の規格であったはずなのに、バランスが崩れ本来の意味が失われている。莫大な廃棄や偽装。誰かを追いつめるところまでいっている。土から産まれる野菜が生き物でなく物として扱われている現状。野菜が自然の中で育まれているという事すらマイノリティな考えとなっていること。当たり前ってなんなんだ。ぼくが感じていた違和感はそこだったのかもしれません。違和感の正体が分かったところでぼくに出来る事を考えました。それは現状を批判や否定するのではなくて、憂う事でもなくて、受け入れて原点を見つめる事。本質は何なのかと考える事をやめ無い事、忘れない事、思い出す事。そして、手に取ってくれたみなさんと、食卓に並ぶ野菜の姿を思い浮かべながら、心を込めて選別すること。

ブラックマーケット=闇市
戦後間もない日本で、米や食べ物等、日々の糧となるものが、取り締まられ、管理そして規制されていた時代があった。そんな風潮に半旗を翻すように当たり前に必要なものを売る。衝動的に沸き上がって出来上がったであろう、人情に溢れた非合法の市場。そこは闇という名のつく、ある意味光の市場だったんだと感じます。(タクヤン)

 

10月号

 

本質


ここの夕日はなんだか白い。標高が高いためなのか、淡くじんわりと沈んでいく。夕方の収穫が終わり帰路に立つ時、いつの間にか暗くなるその白い空に気持ちを少し焦らされている。雲はモコモコした入道雲が、空に溶けてしまいそうな薄雲になって、あれだけ走り回っていたキジが姿を隠して、あけびの実が割れだして、タイヤがパンクするんじゃないかと思うほどのイガ栗が落ちてきて、佐久穂はすっかり秋になった。この場所で二度目の秋。何も知らずただただ傲慢に、命を生み出す仕事だと、勝手な期待と浅はかな想像を携えてここに来てから一年。成長した実感も、悩んでいたことの答えもないまま、後先のことは後回しにして、作業に集中する。そんな日々。

 今年、のらくらは大所帯になり、最大で16人。毎日会うのに顔を見ると少し嬉しくなる人たち。お互いに体調を気遣い合い、できるだけ笑顔を心がけて支え合ってきた。それは皆が繫がりをしっているから。一緒に作業して、まかないを作って食べて、暗くなるまで行動を共にする。仕事なのに何処か学校のような、家族のような。そういう場所だから少しでも辛そうな人、イライラしている人がいればすぐに分かる、そんな距離感。引っ張られたり、押したり引いたり、引っ掻いたり。そうやって繫がりの苦しさと、それを乗り越えた先の光を知っている皆だからこそ、この厳しい農業という仕事を今まで乗り越えることができたのだと思う。けれど、長い一年。時には自分を含め心を崩した人、体調を崩した人がいた。そういう時があった。自分でもなんで苦しいのか、わからないことばかり。誰かを支えたくても知らないことばかり。悩んで、悩んで、話してそれでもわからなくて、できるだけ光の方へと思いながらも、いつのまにか心を見失っている。でもそんな中で少しだけ。ほんの少しだけ解ったのは、知らなければ何もできないということ。自分のことも、誰かのことも。だから自分の心をまっさらにして一つずつ、ちょうど部屋を引っ越すみたいに。大事にしたいもの、感情、記憶。ゆっくりと家具を入れていく。それらは確かに変わってしまうものなのだけれど、きっと握りしめることはできる。だから少しずつ、一つずつ。「そんな事をしても意味がない。相手の気持が100%分かるわけじゃない」確かにそうかも知れない。でも、そのやり方でしか解らないことがある。知り得ないことがある。見えていることだけで判断してしまわぬように。

 そうやって農業をして、人のことばかり考えるようになったのは、農業の本質がきっと人だから。周りに影響され続けている植物たち。寡黙に、身を委ねて。土も水も光もなければ、そして時に、風や虫たちがいなくては存在できない彼ら。もちろんそれら全てが本質で農業なのだけれど、そのまっさらな生命たちに意味、つまり本質をつけるのは、結局のところ人なのだ。だから自分達は自分自身の本質を見極めなければいけない。命の方向を決める責任と感謝を持って。心をいつも真ん中に。感情に支配されることなく真ん中に。一枚の葉っぱに因われないように。土の中の生き物を忘れないように。(カズ)

台風一過

 とんでもない台風が来る。前々日から対策が始まりました。ハウスの補強、飛びそうなものの撤去、畑が水没しないよう、溝切り。前倒しで収穫をして、台風当日も午前中早いうちに出荷作業を終えました。危険なので、スタッフは皆午後には帰宅させました。その後避難指示が町から発表され、千曲川に近い寮のメンバーはうちに避難。豪雨の停電の中、一夜を過ごしました。翌日も停電が続きます。うちは地下水をポンプアップしているので電気がないと水が使えません。ここからが全メンバーの奮闘開始!飲み水をはじめ、予備バッテリー、寮で使っていたポケットwi-fiやソーラーバッテリー充電器など、ありったけの備品を持ち寄ってくれました。プリンターが使えないので、電気がつながっている弟のところに電源やwi-fiを借りに行き、送り状の印刷に往復しました。電波塔も被害にあったらしく、電波がとぎれとぎれ。寮は電気がつながっているとの情報で、寮に事務機能を移し、遠隔で操作。畑チームは水没した2つの畑の排水。借りてきた発電機でなんとか地下水ポンプを稼働させて、手早く大根などを水洗い。なにせ作物は生き物。この秋の出荷ピーク時に3日出荷できないだけで、100万円以上の農産物の廃棄が出てしまう。「僕らが小さな仕事を積み上げて育ててきた作物を無駄にしてたまるか!」という思いで、全員がギリギリの状況の中で自ら判断して、助け合い、動きました。皆、よく頑張った。沢山の方々から温かいメッセージいただきました。ありがとうございます。    代表 萩原紀行

9号

 

自分の扱い方

ある日のミーティングで、代表から「自分の取扱い説明書のようなものがあるといいよ」との話があり、ここ最近なんとなく自分の頭の中にあった事はなるほどそういう事だ、とすごくしっくりきました。

その中の一つなのですが、私にはつい5~6年前に気づいた癖があります。私は心配性なのか、変化に対応するのが苦手なのか、人との会話で「でも・・・」で返事をしてしまう事が多々あります。相手が「○○はどうだろう?」と提案してくれたアイデアに対して、「でも、それだと△△で厳しいんじゃないだろうか?」と、そのアイデアを実行するにあたって生じるであろう問題点からまず考えてしまう、という癖です。これは癖なので、仕事でもプライベートでもそうなってしまいます。否定的な事ばかり言うので、人によっては私との会話で気分が悪くなる人もいたと思います。「そんな事ばかり言ってたら何もできないじゃん!」と。。なのでこの癖に気づいたとき反省もしたし、直そうとも思ったのですが、やはり癖は癖、この歳までつきあっているものは簡単には直りません。私はネガティブな人間なのかなぁ、ともやもやする時期もありました。でものらくら農場で働き始めて、それは仕事で少し使えるかも、と思えるようになりました。農場では、冬に改善点や新しい作物への取り組みなどをみんなで出し合い検討するのですが、それに対して、メリットデメリットの両方をあげて提案します。代表から、一つの物事をいろいろな角度から見る、という事を教わり、みんなもそういう思考が身についてきたと思います。たくさんのデメリットを分かったうえで進むのと、メリットしか見えない状態で進むのでは、問題が起きた時の対処の仕方やスピードが変わる、と聞いた時、私の癖もただの否定ではなく、前に進むために必要な事として捉えたらいいのかなと。となると、私の否定的な思考癖も使いようだ!自分の癖を理解したうえでの前向きな「でも・・・」

昨年に引き続き、出荷を担当しておりますが、出荷機能に関して今年大きく変わった事として、業者さん、販売店さん向けに受注システムを導入しました。仕事が軽減された部分ももちろんあるのですが、新しい事を始めるという事は今までにはなかった問題点や隙が生まれます。この新しい流れになって、どこに「でも・・・」があるか、どんな「でも・・・」があるか。など、仕事で意識して「でも・・・」の癖を使うようになりました。自分の癖や考え方を理解する事、物事を受け止める事。以前は外へ目を向けがちだったのですが、今自分の中でおきていることや感じた事など、内に目を向ける事が多くなりました。年齢とともに体力的に落ちてきたと感じる部分もあるのですが、自分自身とのつきあいが長くなった分、自分を理解して、自分で自分を扱いやすくなってきたかなと思います。

今年スタッフとして3年目のシーズンをむかえました。今年も目が回るような毎日ですが、勢いではなく自分をうまく手なずけて、忙しい日々を楽しみたいと思います。(カヨ)

文章にすること

長年、夫婦ふたりで毎月書いてきた「畑のつぶやき」。スタッフを雇用するようになり、数年前からスタッフにも書いてもらうようになりました。

夫婦で毎月書いていた時もそうだったんですが、相手の文章を読んで、「あ~、そんなこと思っていたんだ!」ということがよくあります。仕事に子育てに忙しい毎日、ゆっくり向き合って話をする時間もありません。ついうっかり話をするとすぐにケンカに発展したりして...(笑)でも、いろんな方が目にする文章と思って書くと、自分の気持ちにも冷静になってきます。日々の身の回りのことに目を向けがちな私に対して、夫の考える社会への貢献や次の大きな仕事に対する想いは、私には考えもつかないことです。

スタッフが文章を書くようになってからも、普段一緒に仕事していてもなかなか伝わらない気持ちを知ることができて、ハッとしたり、初心を思い出したりて思わず涙ぐんでしまうこともあります。スタッフそれぞれとても味のある文章を書いてきます。これからも「畑のつぶやき」共々よろしお願いいたします。幸代

8月号

 

ムーブメントのすすめ

 ムーブメントを直訳すると「運動」という意味で、運動とは「位置を変えて動くこと」とあります。ブームやトレンドといった一過性のものではなく、世の中などの強い動きのことをさすようです。リーダーとなる人物が始めた事、やりたい事に対して、フォロワー(後に続く人・協力する人)が複数現れることによって起こるそうです。「ムーブメントの起こし方」と検索すると、動画が出てきます。この動画でムーブメントと呼ぶ現象は、ただ皆でワイワイ踊るというものですが、一人の踊りから、ものすごい人数のダンスタイムという大きな動きに変わったのです。

 のらくら農場では、一日の作業内容を生産チームが中心となって決め、ミーティングで共有します。そしてその作業内容を一日で終わらすために複数人の人が関わって進めていきます。作業予定をスタッフ全員で一日という期間内で終える毎日、もはやムーブメントの連続のような気がするのです。作業が予定通りに進んだり、予想以上の成果があった日はムーブメント的な一日といえると思うのです。

 今年の夏は例年に比べて、梅雨が非常に長く、なかなか畑作業をするタイミングがありませんでした。7月の農作業は夏野菜の収穫が全盛期を迎えながら、秋作準備の期間でもあります。畑の準備は片づけから始まり、多くのことを短期間でスピーディに進めることが求められます。梅雨期間中、雨と雨の間のスポット的な一日で一気にマルチはりを終えなければならない時が必ずあります。適切な水分状態を保持したまま、この作業ができるかどうかが今後の栽培の良し悪しを左右する重要な事と考えています。

 こういったタイトなスケジュールの中で、生産チームがアンテナを張りながら瞬間的な判断で畑に向かっていくのです。今年生産チームを構成するマッキー、たくやん、カズさんの三人は、何も言われずに出勤途中や収穫の合間の時間で土の水分状態をみてきて、その後の作業予定を組んでいきます。重要な部分を理解し、この自主的な行動が一日の成果、つまりムーブメント的な一日を作っていくのです。

 のらくら農場のテーマに掲げられている「いい仕事をしよう!」は曖昧な表現でもありますが、その内容は様々に変化する状況下ではその時々で変化するものと解釈しています。いい仕事の内容はいろんな状況で変わるため、テーマにするならば広い意味での「いい仕事」と表現しているのだと思います。作業が予定通りに進んだり、予想以上の成果があがるのは、「いい仕事」をしたからに違いありません。そうか!「いい仕事をしよう」は「ムーブメント起こしちゃう?」だったのか!

 ムーブメント的な一日がいい仕事をした結果で、ムーブメントが生産チーム3人のような行動をするフォロワーの存在によって起きるのであれば、個々人がテーマでもある「いい仕事」をするためにはフォロワーとしてどういう行動をするかを考えればいいということになります。この後の作業を考えて、今の行動がこれでいいのか考える事、袋詰めなどの単純作業でも無駄な一手をなくすように意識する事、自分の実力や知識を客観的に捉え足りない部分を補う努力する事など、個々人が日々の農作業や仕事のためにする行動のすべてがムーブメントを起こすフォロワーの質を決める要素になっているのではないかと思います。

 「今日はあれもこれもやらなきゃいけません」よりは「今日ムーブメント起こしちゃわない?」の方が楽しいかもしれません。笑 そんな気持ちになれない時でも、ムーブメントを司るフォロワーとして何ができるかという視点があれば、スイッチの切り替えがしやすいですし、一回立ち止まって自分の行動に謙虚になれるかもしれません。

 私事ですが、宮嶋は無事に結婚しました。それだけでなく7月半ばに健康な男の子を授かりました。どれも畑のつぶやきを読んで、のらくら農場に関心を抱いてくれている皆様のおかげです。ありがとうございます。おそらく、子育ても夫婦間の関係性が重要なのでムーブメントです。毎日ですね。あっちもこっちもムーブメントの連続で忙しいですが、これがリア充の証で幸せの証なのかもしれません。笑

 以上、毎日がムーブメントのすすめでした。

1565484088332.jpg
 

7月号

少し振り返って、また前を向いて

 のらくら農場で働き始めてすぐに、畑のつぶやきを書かせていただいた記憶が鮮明に残る中、気づいたらもう4年目になります。初めてのつぶやきは要約してしまえば「とにかく本気で働きます!」といったものでした。あれから3年が経ち、もっとできたのではという思いも多くありますが、成長できたなと思う部分もあります。大切だと思ったこと全ては書ききれませんので今すぐに出てくる4つを書いてみたいと思います。

1、何かを考える時には複数の視点から考える。

 昔は目の前の与えられた仕事を一生懸命にやるだけでしたが、今は作業をしながら今の仕事はこの後の仕事にどう影響してくるのか、ならばどういう形で終わらせるのがよいのか。全体を俯瞰してみたときに自分は今この仕事をしていてよいのか。天気はこの後どのようになっているのか。などを自然と考えてしまいます。これは役得で、日々の農場全体の作業を考える役割を与えられ、いい結果を出したいと思いながらやっていたら勝手に癖になっていました。他にも日ごろから資材代や送料、野菜の単価、肥料代、人材確保、人材育成など、農業の現実を見たり、代表から聞いたりしているので、そういった視点も取り入れて日々畑に出られるようになった事で考えや行動に奥行を持つことができるようになったと思います。

2、小さな事の積み重ねが大きな結果を生む、小さな事の重要性。

 僕はイチローさんが好きなのですがイチローさんの言葉に「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」というものがあります。この言葉を初めて聞いたときに本当にこれだなとつくづく思いました。

 作物生産を担当させてもらって、いい野菜をつくるために大切だと思う事をまとめると「畑をよく見に行って、適期に作業に入る」という小さな事の積み重ねだと思っています。農場内のコミュニケーションや作業中の注意点なども「あっ」と思った事は言動に移すという小さな事をできている時は未然にミスを防げています。派手な事にとらわれず目の前の小さな大切な事をしっかりとやれる人間で在りたいと思います。


3、考え続ける事で全てがヒントになる 多層思考

 つい最近「アイディアの作り方」という本を読みました。この本いわくアイディアとは解決したい問題に関する知識(例えばトマトの生理障害についての知識)と、それとはまったく関係ない知識(例えば日よけクリームの仕組み)との組み合わせであるそうです。農場は課題、改善点、新しい試みがあふれています。そういったものを常に頭に入れて生活していると、全然関係ない外出先の雑貨や飲食店の仕組みなどが組み合わされてアイディアになることがあるのです。僕が農場に入った時に代表に「多層思考を身につけたらいいよ」といわれました。その意味もずっと農業の事だけ考えていたら生活全てを学ぶ対象にできるというものでした。代表は自分の経験からアイディアの作り方を導き出しておりました。

 きゅうりをつくっておられるKさんは「植物生理にあった栽培をする事で健康な作物を作り、結果的に有機栽培にしたい」という哲学で農業をしておられる非常にかっこいい方なのですが、きゅうりがとれすぎて収穫には入れず、箱詰め作業だけをしている時にスタッフが収穫してきたきゅうりをみて、何の養分が不足しているか、もしくは病気の出始めを見極めて追肥か薬剤散布を判断するとおっしゃっていました!凄すぎて笑えます。考え続ける事でこんなことも可能になるのだと自分の中の可能性を広げていただきました。

 4、やっぱり農業が好き

 最後にあげますが、これが僕の中では一番大切だと思っています。人間が植物の成長に与えられる影響力はとても大きいです。故に野菜が健康に育ってくれた時、想い描いたような野菜ができた時、とてもうれしい気持ちになります。しかもそれが食べてくれる方の健康にも寄与して心身共に健康になった方が活気ある社会に、世界にしていってくれるかもしれない。そんな事を想うと胸が弾みます。植物の本を読んだりして植物は起き上がる力にも気孔や花の開閉にも体の生長にも細胞レベルで水を出したり入れたりしている事、そしてそれはカリウムの量の調節によってなしとげられている事などを知った時のまた一歩植物に近づけたような感覚もたまりません。いずれは呼吸するように野菜を作れるようになる。これが今の目標です。

 のらくら農場にスタッフで入る人のほとんどは学びたい人達です。なので代表が技術の話をしてくれる時はみんな真剣な顔をしてメモをとったり聞き入っていたりします。様々な野菜をそこそこ沢山の量で、多様な出荷先に出荷する。物流、受発注、資材代などの直販農業最先端の課題に毎日向き合える。ちょっと俯瞰したら学べる事だらけでまさに奇跡のような農場です。こんな農場があるのも皆様のおかげです。いつも本当にありがとうございます。できるだけ多く皆様のお役に立てるように、農業が好きだからこそ農業で生きていけるように精進していきます。4年目もどうぞよろしくお願い致します。(マッキー)

DSC_1645.jpg

6月号

 

やさいの速さ

 美術大学を卒業した春、農に携わると決めた。食べることや食材に手を加えるのが大好きだったこと、自分で食べるものをつくれるのは生きものとして強いなと思ったこと、大学で専攻していた染織を、野山の草木をつかってやってみたいと思ったことが大きな理由です。のらくら農場へは冬までのつもりで来たけれど、美味しいやさいたち、仕事の楽しさ、長野の食材の豊かさに惹かれて今年もまた春からお世話になっています。
 
 去年の夏は、ピーマンやズッキーニ、トマト、インゲンなど夏のやさいの収穫に毎日はいって、毎日穫れるのに次から次へとピカピカの実を結ぶのだから凄いよなあと、やさいたちに尊敬の念を抱いたのだけれど、今年は育苗に関わるようになり苗たちのスピード感に圧倒されたのでした。
 
 毎朝ビニールハウスで顔をあわせるたびに昨日よりも確実に、目に見えて大きくなっているミディトマト。日に日に背は高くなり、葉は繁って重なり合っていく。朝にたっぷりとやった水がお昼にはもうからからになって、こうしてやさいたちは成長していくのだと身をもって実感した。たったの一晩でぐんぐん大きくなる圧倒的な強さよ!どうしたって惹かれてしまうなあ。
 
 かぼちゃやきゅうりは土から顔を出したかとおもうとすでにぷりぷりとした肉厚なからだで、そんなエネルギーに満ちた姿を見ているとじんわりとあたたかいため息が出るような、そんな気持ちになる。そして数日後には堂々と大きな葉を広げているのだ。なんて速いんだ!脳がぐらっときます。定植を終えてしばらくしてからその畑へいくと、ほんの指先くらいだった小さな種の頃なんて思いだせないほど大きくなっている。驚くと同時にちょっと胸がきゅうくつになる。やさいたちのいのちの速さが羨ましい。どうしても、人のいのちはゆっくりだなと思ってしまいます。わたしたちは目に見えるようには日々変化しないし、能力的な意味でも毎日確実に良くなっていくというのはなかなか難しい。そういうことがもどかしいと思うときがあります。でもやさいたちは半年でいのちを全うするのだからそれでいいのだ!人は人、やさいはやさい。 人は百年かかるのだから。
 
 毎日苗のお世話をするようになり、去年よりもうんとやさいたちと近くなって、彼らの一生を目の当たりにして、その混じりけのないエネルギーにわたしものまれてしまったようにおもいます。細胞が沸きたっているみたいな、妙に興奮しているような、ちょっと脳が浮いているような感覚がある。日々確実に大きくなっていくものを見るというのはシンプルに心が軽やかになるし、気持ちがいいことだなあ~。こうしてできた、すみずみまでエネルギーにみなぎっているピカピカのやさいたちに包丁をいれるのもまた、日々の喜びになっているのでした。(松野有希)

収穫祭盛況でした】

6月1日に行った収穫祭。今年は参加者41名+お子さん6名と大勢の方にご来場いただきました。

収穫祭のまかないランチを取り仕切ってくれたのが、今回文章を書いているユキルこと松野有希。料理の発想が新しい。例えば、かぶのクラッシュスープ。塩味のスープですが、火の通ったかぶを半分だけお玉の背でつぶし、そのままのかぶとつぶしたかぶの両方の食感を味わえます。ムロで貯蔵していた長芋のポテトサラダも。仕上げに角切りにした生の長芋を加えて、生のシャキシャキと火を通したねっとり感を両方味わう。さっぱりとした長芋ポテトサラダは胃にも優しい味わいでした。

収穫祭後、ご感想をいただいたのでご紹介させていただきます。//萩原さんの話が情熱がこもっていて分かりやすくてユーモアがあって良かった。//脇役を主役にっていうのがいいね。//自分から業者に提案していってるのがすごい。//若い子が頑張っていていい。みんな良い子達。//みんな楽しそうだね。//代表が一歩下がっているのがいい。私も一歩下がろうと思った。//細かな積み重ねが大切だね。//料理がどれも美味しくていくらでも食べられそう。//春菊が美味しくてびっくりした。//葉ネギは一気に食べた。//CHOの話は聞いたことなかったけど勉強したい。//奥さんの話は胸に響いた。必死に頑張ってきたことが伝わってきた。// 

お腹がいっぱいになった子どもたちには、お土産用のかぶ120個を収穫してもらいました。かぶを両手に持って、とびきりの笑顔を見せてくれた子どもたち。みなさん、本当にありがとうございました~!(幸代)

 

5月号

今期もどうぞよろしくお願い申し上げます

のらくら農場は今年度、計15名で頑張ります!今年の春は雨が少なくカラカラでしたが、ようやく恵みの雨もしっかりと降ってくれました。雨脚が強くなるたびに、歓喜の声があがるほどでした。今期も新鮮で元気ある野菜をお届けできるようスタッフ一同頑張ります!「ちいさな畑セット」の新規お申込みも受け付けております。

栄養価コンテスト受賞~いざ徳島へ~

 「う~ん、まいったなあ。荷が重すぎる。」ショート講演の依頼を頂いてしまった。3月に徳島で開催されるオーガニックエコフェスタで、栄養価コンテストというものがある。がんの発生や細胞の老化などを防ぐ抗酸化力、ビタミンC、糖度、えぐ味の元になる硝酸値の低さ、味の5項目で各品目別の全国チャンピオンを決める一大イベントだ。全国から高品質の栽培技術を追求した生産者が集う。そこで、事例発表をしてほしいとの依頼。いや、ちょっと待ってください。うちは、このイベントで最優秀とかとったことないし、化け物みたいにすごい生産者の前でそれは無理ですって、とあたふた言い訳をしたのだが、大変お世話になっている方からだったので、お引き受けすることに・・・。何話したら良いのだろう。不安しかない。
 
 今回、このイベントに応募したレッドケールとグリーンケールは、かなりの数値が取れていたので、もしかしたら受賞の可能性があるかもしれない、とちょっとは期待もあった。万が一、受賞できたら・・・。徳島までの同行は昨年圃場管理のリーダーをしてくれたマッキーを連れて行くことに決めた。彼は過去に高知県で農業研修をしていた。たくましくなった姿を四国の人に見せたいと思ったのだ。うちに来た当初から僕は、「マッキーは同世代最高の農業者になる。」と断言していた。
講演の前に栄養価コンテストが開催された。ほうれん草、小松菜、と各部門の最優秀賞と選評が行われる。どれもとてつもない高栄養価を叩き出している。このレベルじゃとてもうちの受賞なんて無理だろ、と思っていたら、「ケール部門 のらくら農場」とアナウンスされた。「うお!マジか!マッキー、ステージ行って来い!」彼は遠慮したが、一年間畑の管理に神経を張り巡らしてきた彼こそが受賞にはふさわしい。グリーンケールは糖度19という果物以上の数値だった。その直後。レッドケールで2部門目の受賞。結局僕もステージに上ることに。マッキーと並んでステージに上がれるとは思わなかった。レッドケールは抗酸化力が500を超え、分析研究所の過去の数値を含めてもかなりの高さだったらしい。市販の人参のじつに100倍の数値だった。薬に近い。さらにカブの部門でもまさかの3部門目の最優秀を頂いた。すべての部門の受賞が終わって、コンテストの仕組みがよくわかっていない僕は、もう気が抜けていた。最後に総合グランプリというものがあって、そこで「のらくら農場」と呼ばれるとは思ってもいなかった。間の抜けた顔で賞状をいただくことになった。渡してくださったのは日本有機農業普及協会の代表、小祝政明さん。今は有機栽培の技術者としてアフリカなど世界中を駆け回っている超有名人だが、僕と小祝さんが起業したのは同じ年。出会いは19年前。当時、小祝さんも無名で、世の中が小祝さんの提唱する理論に追いつくのがやっとの状況だった。世にも珍しい、オーガニック専門の超良質な肥料屋さんを開業された。技術に関しては間違いなく僕の師だ。お互い、資金も乏しい無名から這い上がってきた。壇上で小祝さんと受賞する側とされる側で向かい合う日が来るとは思わなかった。感謝しかない。
 
 授賞式の直後に事例発表の講演。無冠での講演は本当に荷が重かったので、数分前にグランプリを受賞できて、ぎりぎり間に合った。会場の方々は、前もって僕が受賞を知っていて、講演すると思っていたらしいが、本当に当日の本番まで知らなかったのだ。いつだって綱渡り人生だ。
 
 徳島から車で9時間半かけて帰ってきた。持っていったCDは一度も聞かず。マッキーと栽培技術と思考論をひたすら話し合った。受賞のことはほとんど頭から抜けていて、僕らは次の作戦にのめり込んだ。思えば21年間のめり込んできた。農業は医療並みに社会的地位があっていいと思う。そういうことに僕はこれから力を注いでいくと思う。だが、自分の中での芯の部分は単純な動機だ。 「この職業は人生をかけるに値する面白さがある。」(紀行)

2月号

 

スイスでのこと

 はじめまして。昨年の6月からのらくら農場で働かせていただいている佐藤弥音です。実家は農家ではありませんが、高校生ぐらいから農業に興味を持ち始め、地元北海道の農業系の大学に進みました。大学では主に食品添加物、品質、小売・卸など幅広いことを学んでいました。実習や農業バイトを通して、漠然と将来は自分で野菜を作りたいと思うようになりました。大学3年生になり、卒業後はどうしようかなと考え始めたけどやりたいことがはっきりしないし、「農業がやりたい」とは何となく恥ずかしくて自信を持って言えませんでした。そんなとき、研究室の先生が皆と同じように就職でするのではない「海外農業研修」という道を教えてくれました。海外農業研修は一年間という長い期間であること、言葉の壁(ドイツ語)など不安なことがたくさんありました。でも、「もっと自分を成長させたい」という思いがあり卒業後は海外に行くことを決めました。面接を経て私は、スイスの有機野菜農家で研修することになりました。今回はスイスでの研修の様子を少しお話したいと思います。
 
 研修先は、スイスで一番大きな都市チューリッヒから電車で20分ほどのところにありました。私の暮らしていた地域は、夏は30度を少し超えるぐらい、冬は雪は少なめだけど北海道ぐらいの寒さでした4haほどの面積で約30品目ほどの野菜といちご、ブルーベリー、ラズベリーなどの果実を作っていました。ポルトガル、ポーランド、スロバキアからきた8人の同僚と一緒に仕事をしていました。私の主な仕事内容は、野菜の収穫、定植、除草、ファーマーズマーケットのお手伝い、家事でした。研修先の農場では週1回農場で野菜の販売、週2回チューリッヒのファーマーズマーケットで野菜を販売していました。ヨーロッパの場合、野菜はほとんどが量り売りです。色とりどりの野菜たちがピラミッドのように積み重なって並べられている様子は、海外ならではだなと思います。半年ぐらいたって、ドイツ語ができるようになってきてから、私もマーケットに一緒に連れて行ってもらえるようになりました。多いときだと一日に700~800人のお客さんが野菜を買いに来てくれました。マーケットはだいたい10人くらいで回していましたが、お客さんの波が途切れないときはカオスでした。生産者と消費者が直接会って、意見の交換をし合い野菜を販売することができるので、どちらにとってもいい取り組みだなと思いました。言葉、文化、価値観の異なる世界で生活することは楽しいことばかりではありませんでした。研修先の農家さんは私を本当の家族のように受け入れてくれて、スイスに行って数日たってから家族が「あなたは私たちの5番目の子供だよ」と言ってくれました。その言葉で不安が半分ぐらいになりました。スイスでの一年間は何もかもが新鮮で有意義な時間でした。寛大な農場主と家族、優しい同僚がいて本当に良い環境で研修をすることができたなと思います。

 有機栽培をもっと勉強したいと思い、のらくら農場にきてからもうすぐで8か月がたちます。 ハイシーズンは自分の想像以上に忙しいときもありました。でも萩原さん、スタッフの方々は素敵な方ばかりで休むのがもったいないと思えるくらい楽しい職場で仕事ができています。昨年はピーマンの担当でしたが、どのタイミングで灌水や追肥をしたらいいかわからず、萩原さんや他のスタッフに頼ってしまうことばかりでした。振り返ってみると昨年はただただ楽しいという気持ちでやっていた気がします。これからはその気持ちも大事にしつつ、この農場で仕事術を身につけていきたいです。小さな種からすくすくと生長して立派な野菜になった時の喜び、自分たちの野菜を「おいしい」と言って食べてくれるお客さんがいること。いい野菜を食べると体も心も元気になる、農業ってやっぱりいい仕事だなと思います。冬もあと数ヶ月で終わり、だんだん畑モードに入っていきます。2シーズン目も暑さ、寒さに負けず頑張ります!

冬の仕事術

 標高1000メートルでは、冬の間は当然畑はできませんので、貯蔵品や葉野菜をぼちぼち出荷しながら、屋内の仕事をしております。いろんなミッションに担当がつきます。今年やっとできたのは、溜まりに溜まった名刺のクラウド管理。カズさんが担当。スキャナーで読み込ませて、AIが自動認識して、ネット上で保管。検索が可能。初のにんじんジュースに挑戦。来上がりましたら、是非ご利用ください。中古住宅を第二の寮として買うことになりました。リフォーム済みで、駅にもスーパーにも近いので車を持っていない期間スタッフさんにも便利な場所です。畑の邪魔な木を切り倒し、薪にします。チェーンソー初挑戦のタクヤンとカズさんも挑戦です。チェーンソーの刃の目立てなども憶えました。雨不足が来ても対応できるように、灌水の仕組みを水道管部材パズルに頭を悩ませながらタツさんが組み上げていきます。販売店さんの受発注システムの運用ができそうで、幸代とカヨさんが奮闘。受注ミスを防ぎ、畑に出る時間を増やします。うちは生産主体の農場なので、生産に尽力できる事務機能にしていきます。今回の原稿を書いたミオパが売り場ポップの作成。育苗担当のカーリーが育苗計画を作成。担当2シーズン目に立候補。圃場管理のリーダー、マッキーは畑の全スケジュールを煙が出るほど頭を使って作成。植物生理からコスト計算まで全て理解できていないとできない仕事。私、紀行はレストランの畑のプロデュースの依頼をいただき、プレゼン資料の作成。冬は仕事術身につける、最高の時間です。(紀行)

【にんじんジュース 3月中旬より発売】 1リットル瓶6本入り 送料込み 6,100円(税別)原材料は、にんじん・レモン果汁・塩のみです。にんじん繊維が全部入っています。ご予約も受け付けます。

 

1月号

今年のテーマ


 ここに来てからの10ヶ月、仕事に環境に慣れることに必死でした。初めて与えられた担当は育苗(いくびょう)というお仕事です。春のレタス・スナップエンドウ、夏のトマト・ピーマン・ズッキーニといった果菜類にシソ・ミツバなどの香味野菜、秋冬のケール・ブロッコリー・白菜など。作物を栽培するに当たって、苗作りは『苗半作(なえはんさく)(作物の半分は苗作りで決まるという意味)』とも言われます。農場独自の年間生産計画を基に種をまき、畑に植えられる段階まで育てます。水やり、ハウス内の温度・湿度管理、病害虫防除、発芽状況や葉・根の状態を観察することが主な仕事内容となります。失敗すればその分の種や肥料代、売り上げ、取引先との信頼性、そこに費やした労力など様々なものに影響を与えると感じております。そう自分に言い聞かせプレッシャーをかけつつも、夏の炎天下にハウス内の温度が上昇し、土が乾ききって枯らせてしまったことも...反省と共に失敗は最小限にとどめ、失敗してしまった分はどこで補い取り戻せるのか、代表を始めスタッフと作戦会議。そんな中でも刻々と生長していく野菜たちの姿に嬉しさが止まらず、生命力の強さに元気をもらいながらできたお仕事でした。
 
 育苗以外には、トマトと春菊を主に担当させていただきましたが、私にとってはどちらも難しいものでした。特にトマト!昨年は猛暑を超え酷暑という暑さが日本列島を襲い、例年であればもう少し涼しい長野でさえ30℃を超える日々。収穫中は、毛穴という毛穴から汗が出るわ出るわ...笑。トマトハウスの温度と湿度は上がり、ご飯(お水や肥料)の欲求がとにかくすごい。芽かき(茎と葉の間から出てくる新芽をかくこと)も日々の業務との平行で追いつくことができず、ハウスの中はまさにジャングル。虫喰い、暑さ・収穫遅れにより、ヘタ付近だけ青みが残り売り物にならない、果実に亀裂が生じる、もしくは配送中・受け取り先での割れ事故などを招いてしまいました。共に働くスタッフにも、収穫してほしい色艶のトマトの伝達が上手くできないこともありました。誘引作業(茎を生長している方向に調整すること)の遅れによりジャングル状態になったハウスでの収穫は、やりづらく作業効率を下げてしまいました。挽回すべく早出や残業をするも、体調を崩すなど、全てがよい結果に繋がったとは思えませんでした。
 
 思い返してみると、出てくるのは反省点ばかり...いやいや、苦い思いをしたからこそ、勉強になったからこそ残る記憶であり、実際は嬉しかったこともたくさん!夏といえば必然と食べたくなるトマト。ミディトマトとミニトマトに品目を絞りましたが、特にミディトマトは大好評。色、艶、香りに加え、旨みが強い美味しいものができました。大きさもスーパーに陳されているものより一回りほど大きく、食べ応え十分の代物となりました。多くのお客様から追加注文が寄せられたときには、小分け作業も嬉しい時間でした。
 
 昨年を振り返ってみて、限られた時間と人数で効率よく仕事をするための作業の取捨選択は必須だと思いました。そして仲間と野菜への気配りやコミュニケーション、体調の管理、これらもとても重要であることに気づかされました。 "鷹のように俯瞰する眼"と"虫のように一点に焦点をあてる眼"、武器として取得したい。年齢のわりに頑丈ではない体、忙しいとかき乱されて負けそうになる心。それでもなんとか踏ん張って頑張ろうと思えるのは、この職場と人と仕事が好きだと心が言っているから。そして、手元に届いた野菜たちを愛おしく手にとり、美味しく調理し、旨い!と言って下さるお客様の声があるからです。

 暖冬とはいえ、昨年の12月半ばあたりから-10度以上になるこの土地...上も下も着込んで見た目はまるで雪だるま☃人生初のしもやけに耐えながら、パウダースノーに心ときめかせ、雄大な山々が織りなす景色にどことなく感じる安心感。感謝の気持ちを常に忘れず、2019年も自分らしく。「日々(にちにち)是(これ)好日(こうじつ)」今年のテーマとします。布団から出るときは気合いを入れて、今日も寒さと戦います(o^^o)(カーリー)

来季、期間雇用スタッフあと4名ほど募集しています。興味のある方は、農業求人サイト「あぐりナビ」をご覧ください


 昨年、期間スタッフの20~30代前半の4名は、今年も継続して仲間に加わってくれることになりました。元々いるスタッフを見習って本当によくやってくれています。仕事は真面目に一生懸命に、なおかつ楽しそうです。ハイシーズンの夏は、こちらが何も言っていないのに、朝1時間早くきて畑仕事をしている。なんとも頼もしい若者たちを見ていると、日本の未来はけっこう明るいんではないかと思うのです。
 
 一方45歳の私の方は、二十数年ぶりに行ったコンサートで手を振り過ぎてしばらく手があがらず...笑。おそくても1週間くらいで治るだろうと思っていたのですが、日常生活に支障はなかったものの、残る痛みは3か月かかってやっと消えました。まさかそんなに長引くことになろうとは...こういう風に自分の歳と限界を感じていくんでしょうね。(汗)どうか若者たちよ、年配者を優しい目でみてやってください。(幸代)

 

〒384-0701​ 長野県南佐久郡佐久穂町大字畑5645-175

Tel&Fax 0267-88-2952

受付時間 9時~18時 (畑作業が多くご連絡がつきにくい場合もございます)

​定休日 不定休

© のらくら農場 All Rights Reserved.