​2018

​2020

 

7月号

 

「農場のメンバーを野菜に例えたらどんな野菜だろうか」という話が流行った。発端はタツさん。「昨日うちの嫁さんが、私を野菜に例えたら何?って聞いてきたんだよ。何かの資料に書かなくちゃいけないらしくてさ。」と。そう言えば、学生の頃に友人が「あなたを野菜に例えると何ですか」と就活で聞かれたと言っていた。当時、巷によくある陳腐な質問の一つに過ぎないと思ったものだった。

「ゆきちゃんはジャガイモだね。他の野菜が好まないような酸性土壌でさえも物ともせず逞しく成長していくところ!」ゆきさんは見た目の可愛らしさとは裏腹に、細かい所を気にせず「えへへ~」と笑いながら突き進んでいく強さがある。ジャガイモの逞しさは、ゆきさんの逞しさそのものだ。ゆきさんは葉物野菜リーダーとしていつも何人かの人を束ねて小分け作業を進めるのだが、これがいつも手際よい。何の料理にも使える万能なジャガイモのように、ゆきさんは農場でマルチに活躍し、愛されている。

「みおちゃんは三つ葉みたいだよね」といったのは誰だっただろうか。なんでも「しみじみとした趣があり、かつ他では変えられない強さがある」だそうだ。これは三つ葉のとらえ方が素晴らしいし、みおちゃんの事を絶妙に形容している。みおちゃんは、静かで欲がなく仏のような子なのだが、時々「これがやりたい」と誰よりも強い意志で仕事を担う。去年に引き続きミニトマトと出荷事務を担当していて、メキメキと力をつけていてカッコいい先輩なのだ。女性陣の中で真っ先に刈払機(草刈機)をマスターしたのも、みおちゃんだった。彼女のゆるさと力強さの併せ持ちは、唯一無二。他の誰かでは変えが効かない、クセになる独自路線だ。三つ葉の、一見ひ弱な草姿でありながら、厳しい冬を越しても再び新芽を伸ばす力強い生命力もまた、彼女のしなやかな強さと似ている。

一見、何の深堀りもできないような「野菜に例えると何か」というこの質問は、ある人が見た人間像を、その人の野菜像に乗せて説明することで、人間像と野菜像が一度に知れてしまうオイシイ質問だった。私達のらくらスタッフの野菜像が、深くて面白くてしょうがない。そりゃそうだ、みんな、毎日野菜を見つめ、野菜の事ばかり考えているんだから。

ズッキーニのイメージはこうだ。何にも負けないパワフルさ。時に収穫する私たちがボロボロになるほどの爆発的収穫量を、わが身を削りながら「バチコーン!」とたたき出してくるところには畏怖の念を抱かされる。緻密な肉質でジューシーで美味しさ絶品。のらくらのズッキはそんじょそこらのズッキとは一味違う、魅力の底なし沼。それをもって私がズッキで表現したかったのは萩原代表だ。誰よりも働き、誰よりもオラオラと突き進む、とてもかっこいい野菜、もとい萩原さん。

しかしマッキーには「本当の意味でのらくらにはズッキーニ的な人はいない」と言われた。なぜなら「のらくらは細部まで緻密に練る戦略的農業をしているんです。繊細さとは程遠い、圧倒的パワー系な生育をするズッキーニは非のらくら系野菜です」と。冬の緻密な戦略会議こそがのらくらの根底であるという話は何度も聞いている。去年夏季スタッフとしてのらくらに入った私はまだそれを経験していない。今年は通年スタッフとして冬も在籍する事になっているので、戦略会議に参加できることが待ち遠しい。

その後マッキーはカーリーのことを長芋だと言った。その心は「芽立ちの頃の、繊細で華奢で、じつに丁寧な生育をする姿が、カーリーの確実で丁寧な仕事ぶりと似ている。そして気付けば地下ではあんなに立派な成果を実らせているところもカーリーらしい」。この説明には感服した。栽培者ならではの視点がかっこいい。

長芋は生育初期、細く小さな蔓状の芽なのだ。ほんの少しの力でポキンと折れてしまう。巻き付く場所を探してさまよって、弱々しい。しかしその蔓は、確かに支柱に巻き付いて、確実に天に向かって伸びていく。そこを小柄なカーリーの丁寧で確実な仕事に重ねたところがニクイ。のらくらで3年目を迎えた彼女は、育苗や出荷の繊細な仕事を丁寧にこなしながら、巻き付く場所を見つけた長芋のように、力強く成長している。

私はカボチャと言われた。カボチャは、ぐんぐんと枝葉を伸ばし、根圏を広めて、他の野菜とは比べ物にならない程に圧倒的に畑を占有していく。存在感強いよね、と言われがちな私のようなのだそうだ。イメージカラーは黄色、私の車の色も黄色。なるほど…今年もおいしいカボチャが採れるといいな!

のらくら農場は、小さな畑セットそのものだ。個性的で素敵なスタッフが、季節ごとに主役の座を譲ったり譲られたりしながら活躍していく。スタッフ達は絶好調な時もあれば、調子が良くない時だってある。そんな皆が、そろって、助け合って、輝きあって、充実した野菜セット(農場)になる。さてさて、これからの暑い夏、みんなの力でおいしく元気に乗り切ろう!  カボチャのめい 

 

6月号

世界地図

 ある春の日、世界地図が完成しました。マッキー君が、畑の見回りチェック用として、完成させてくれたものです。農場の畑には、国の名前がつけられています。「地主さんの名前」や「土地の名前」でもなくて「国の名前」。それは、60以上もある畑を管理する為のアイデアで、僕はこのアイデアがとても好きです。

農場の日常会話を少しご紹介します。

 「じゃあ、インドとカンボジア、パキスタンで長いもの芽出しが終わったら、チャイナでネギの定植しよう。そのあと、ロシアとモンゴルのたまねぎの株元の除草かな?イラクのたまねぎは大丈夫そうだったよ、除草まだ必要ない。それより、フィンランドのモロッコ(いんげん)か、トルコの丸さやのアーチを組んじゃうか?」 

 「草刈りしてないのは、マダガスカルとカナダ、アルゼンチン、ペルー、UAE、トルコ、イタリアの上側とギリシャです。次の雨の時やっちゃいますか。」 真剣な話し合いです。農場以外の方が聞いたら「?」でしょう。忙しい毎日、うっかりシリアスにはいりこみそうな作業の合間にすきがうまれて、ほんの、ちょっとだけ、意識外で和んでいる。そんな気がするのです。

 さて、その農場の畑全てをまとめた世界地図ですが、今までも、A4用紙2枚に分けて印刷してくれたものはありました。それを、だれもがパッと認識出来るように、おおよそ1/10,000スケールでホワイトボードに模写して、出荷場に張り出してくれたのです。

 マッキー君が世界地図を完成させてくれる、少し前のこと。佐久穂町で唯一深夜までやっているファミレスで、同期のスタッフと僕のふたりで、あれやこれや農場のこれからの事を話しながら作戦会議をしました。そのなかの一つに、同期の彼発案の、世界地図の構想がありました。僕らが想像したのは、コンパネサイズの巨大世界地図を出荷場にぶらさげて、その地図をみながら、あーでもないこーでもないと作戦会議をしているチームの姿。大きな意図としては、「イメージの共有」「同じ目的地に辿り着く為の道しるべ的な象徴」でした。SF映画の見過ぎでしょうか。さながら宇宙船のコクピットの中、座標をみながら進路を決め、幾多の困難を越えて共に目的地を目指す航海士のように。

  宇宙のように天文学的な数値とまではいいませんが、『 60を越える畑 × 年間約60品目の作物 × 1〜10番目くらいまである作数 』です。作数というのは、同じ作物でも長期間出荷する為に、時期をずらして種をまいたり、植え付けたりすることで、最大で10番目くらいまで複数の「作」があったりします。しかも、同じ「作」でも、ふたつの畑をまたいでいたりすることもざらにあります。

 どこの畑に何が植わっていて、どんな作業が必要なのか。生育具合や天候、出荷量、虫の被害等によって日々、いや、数時間いや、数分単位で変化する、収穫する畑の場所、作業の順番。それはもう非常に完全に複雑なのです。

 つまるところ、頭が追っ付かない! というのが同期の彼と共通のつまづいた事の一つ。他にも共通項がたくさんで、一致具合に驚きながら、ふたりの目線で、それらを話し合いました。

 それらとは、先輩スタッフ陣は修羅場をくぐり過ぎてて、問題にはならないこと。自分たちが困った事は新しいスタッフさんも困ることかもしれない。だったら少しでも解消したい。仕事がやりやすくなるかもしれない。覚えやすいかもしれない。世界地図とかあったら楽しいかもしれない。

 そんな話を、ある寒い夜にしました。それから間もなく、一大決心をした同期の彼は農場を去り、別の道へ進みました。正直、失恋級の衝撃だったけれど彼の選んだ道だから、応援しています。

 彼と話していた構想とは別の形になったけれど、世界地図は完成しました。

実現してくれたマッキー君にとても感謝しています。いつも出荷場の見える場所にあるから。世界地図を見るたび彼のはにかんだ笑顔が浮かびます。自分のことよりみんなのことを考えていた、彼の想いを思い出せます。寄り添う気持ちを忘れないようにしたいと思えます。

 同期の友が農場を去る際に贈ってくれた言葉を守りたいと思います。言われなくてもそのつもりでしたが改めます。そしてその努力は怠りません。 「元気で、これからも、美味しい野菜をつくりつづける。」

ですから、みなさま。今期もよろしく願い致します!!!! 

 よしっ、畑の見回りいかなくちゃ。 たくやん

 

5月号

今期もどうぞよろしくお願い申し上げます。

種を蒔く時の緊張感、芽がでた時のワクワク、作物の成長を見た時の目を細めたくなる気持ち、たくさん収穫できた時の安心感、そしてそれを食べてもらえること。この仕事をはじめた22年前当初から今も変わらない想いです。命をつなぐための作物を作って食べてもらうこと。そのために作物に寄り添い続けます。

ホームページはスタッフのタクヤンが手掛けた新しいものにリニューアルしました。写真も多く、見やすくなりましたのでぜひのぞいてみてください。「ちいさな畑セット」の新規お申込みも受け付けております。

ウィルスと人間の闘いという、映画の中のようなことが現実になっています。コロナにかかった一般の方がネット上でプライベートや同居人のことまで投稿されたり、携帯にまで無言電話がかかってくるそうです。その方は、コロナが収まっても通常の生活ができるか不安を抱えていました。そんなこと、あってはならないと思います。人類の英知を結集すれば必ず未来はみえてくるはずです。(幸代)

先が見えたことなんてありゃしない

 世の中大変なことになりました。お取引先の飲食店さんも苦境に陥っています。長年お世話になっている、飲食専門の卸し、日吉さんを通して、無印良品さんのMUJI CAFÉさんにのらくら農場の野菜をたくさん使っていただいています。ズッキーニなんか毎日300本くらい出荷させていただいていますが、無印良品さんも今は休業になっています。「今日、ズッキーニの施肥なんだが、この肥料撒いていいのか?収穫が始まる7月に開店するのか?」と一瞬、作業が詰まります。ズッキーニは取れだしたら毎日1,000本以上の収穫です。一日たりとて出荷が止まったら地獄を見ます。ほぼ毎日、迷いの連続です。
 来るはずのスタッフが、来られなくなったり、人事でも、すったもんだありました。のらくら農場の本を出版することになり、商業界さんという70年も続く歴史ある出版社がついてくださいました。原稿を9割くらい書いたところで、3月末に商業界さんが破産という・・・・。コロナの影響もあったようです。

しかーし!こんなことつらつら書いていっても、暗くなるばかり。七転八倒、それでも七転び八起き。行動の「正誤」がわからなければ、「明暗」を重視する!明るさが大切。「こんな状況でも、なんでこいつこんなに面白そうなんだ。」という空気が大切。幸い、農業の生産資材は無事手に入ったので、生産に突き進みます。売れるかどうか?わかりません(笑)。
 作つけを縮小して、期間スタッフさんも入れないで、静かに最低限で過ごすという選択もあったのですが。新型コロナの影響で、職がなくなってしまった人もいます。ここは行くべきだろ!と自分に鞭打って、人を入れて仲間となり、生産します。のらくら農場「食料を作る」という農業の原点に立って、地に足つけて食べ物を作りますね。

3月に開催されたオーガニックエコフェスタの栄養価コンテストで、ケールがまたもや最優秀とりまして、2連覇できました。まぐれでないことが証明できたので、この栽培技術を駆使して、皆様の体を健やかにできる一助になれたらと思います。あ、そうそう、超優良なオーガニックの肥料資材をうちに提供してくださっているジャパンバイオファームの創業者、小祝さんが、国連のSDGs(持続可能な開発目標)カンファレンスで、第一位を獲得されました。アフリカのザンビアでの活動などが国連で紹介されました。合わせて、のらくら農場のケールの栄養価の高さが紹介されました。国連で発表なんて、びっくり。
 いくらかの作戦修正はありましたが、スタッフさんも決まり総勢16で今シーズン臨みます。薬剤師、管理栄養士、元植木職人、などまたバラエティー豊かな人材が入ってくれました。本に関しては、商業界破産発表の数時間前に、担当してくださっていた前編集長さんが、破産の件を知らせてくれて、「他の出版社に持ち込む。必ずこの本を世に出すから、これからはここに連絡ください。」とご自宅の住所と連絡先まで教えてくださり、個人として動いてくださることに。どうなるかわかりませんが、とりあえず本も進んでみます。
 農業をはじめて23年目に突入しましたが、よく考えたら先が見えたことなんてありゃしない(笑)。結局いつもの、のらくら農場なのでした。(紀行)

 

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2月号

 

本を出す

 女性スタッフに、北海道出身のユキルがいる。野菜の小分けオペレーションでは、丁寧、素早い、わかりやすい指示を出せる、という絶対的存在になっている。最初に会ったときは、農業という雰囲気がまるでしない、ちょっと異質の雰囲気をもっていた。なによりも、北海道なら農家さんもたくさんあるし、なんでこんな遠くの長野の山奥まで来てくれたのか不思議で、本人に聞いてみた。
 「やるなら、食か染色だと思っていたんです。」

 これは衝撃だった。食か染色・・・。こんな選択のカテゴリーは僕の頭にはなかった。

 彼女は美大の染色科を出ていた。彼女のちょっと異質な雰囲気は、アート的なものだったのかもしれない。彼女にとってはアートと農業が同列に並んでいる感覚なのかもしれない。

 佐久穂町は全国有数の白樺林がある。休日に、倒れた白樺の木の皮をとってきて、その皮の成分で染色した糸を見せてくれた。「白樺の皮は赤に染まるんですよ。」その柔らかな赤の色に、僕は震えるほど感動した。
 はっとした。「僕は大きな勘違いをしていたのかもしれない。」

 繁忙期の期間スタッフを募集するのに、僕は農業業界のサイトに人材募集していた。複数年契約を結んだので、今も使っている。サイトを使うかどうかではなく、僕の頭のなかが、「農業をしたい人」の枠に囚われすぎていた。
 
 岩手出身、元服屋のタクヤンはクラフトビールと農業を選択肢に入れていた。DIYも大好きで、ちょっとしたものはすぐに作ってしまう。僕の変顔をTシャツにプリントしてきて、大爆笑を誘ったこともある。彼の場合、「自分で面白いものを作る」という中にたまたま農業があったのかもしれない。
 
 草木染め、ファッション、クラフトビール、DIY...。農業業界という枠ではなく、彼らはカルチャー、つまり文化圏で自分の道を選んでいたのだ。この中にオーガニックの、のらくら農場がたまたまあった。
 
 人を採用するのに、あるいは、気持ちが良い建設的なお取引を作っていくため、僕は、理念とかスタイルとか、社会デザインというような、文化圏で結ばれていくことに光を見る気がした。農業というよりも、「そういう文化圏の中ののらくら農場」という発信をする必要がある、というのを痛感した。
 
 もう一つ。お昼のまかないが文化になってきた。もちろんプロの料理人さんにはかなわない。畑でとってきた食材で30分から一時間で15人前くらいを作る。一日分の野菜が取れるような料理。野菜をワッシワッシ食べる快感。大きなボールのサラダがあっという間にカラになる作った側の快感。これはプロの料理の世界とは別の豊かな文化だと思った。あまりにも美味しすぎて、この賄いのことを伝えてみたくなった。
 
 農場の本を出そう
 
 本なんてどうやって出すのかわからない。自費出版になるだろうか? 3名の出版チームを組んで、調査が始まった。そんな事を考えていると縁とはあっという間にできるもの。一週間ほど経ったとき、お取引いただいているスーパー、福島屋さんの会長が主催する、社会デザインとも言うべきミーティングにお声がけいただいた。僕の横でご挨拶された方が、商業界という出版社の笹井元編集長だった。「本に大切なのは時代性、革新性、公共性」とおっしゃった言葉が僕を貫いた。この人すごい。笹井さんに本の相談をした。会っていただけるとのことで、大宮駅のスターバックスで作った企画書を持って2時間語り合った。笹井さんは、ユニクロの柳井さんはじめ、4000人の経営者の取材をした経験があるプロ中のプロだった。とにかく話を引き出すのがうまい。話しながら僕の思考が整理されていく感じ。笹井さんの中には経営の大小は関係ない価値観があった。要は取り組みなのだと。そして本によって世の中を少し良くしたいという哲学を感じた。「家を出る前から決めていたんだけどね。萩原さん、本にしてみましょうよ。」出版決まってしまった!
 のらくら農場、本の出版に挑戦します。農作業の忙しさの中でどこまでできるかわかりませんが、自分たちのやっていることに整理をつけて、これからの道を考えるきっかけにしたいと思います。

 

1月号

好きな『日常』がごちそう

ちょうど1年前、反省と抱負を胸につぶやきました。さて、それから1年。どんな日々を過ごし、感じ、呼吸してきただろうか...。

季節は春。今季も育苗担当をしながら、スナップエンドウを担当。すずらんのような白く可愛らしい華を空へと可憐に咲かせ、見た目はスラリと食感はプリッと、優しく強い甘みの子どもたちをたくさん実らせました。

夏は果菜類のおびただしい収穫と出荷に一日中追われ、嬉しさと忙しさの悲鳴が脳内でガンガン反響。これに尽きます。

秋はまるでブーケ!ニューフェイスのカリフローレが登場。加えて根菜、葉物が再登場。異様な暖かさゆえに、いつまで経っても畑に居座る虫さんたち。おかげでお肌は虫食いだらけ。規格外となり畑で生涯を終えていく。次の命へ繋がらなかったもの達は、来季の命の肥やしへと生まれ変わり、農業は続く。そして、甚大な被害をもたらした台風の襲来...。農場も佐久穂町も長野県も全国各地で大変な被害が及んだ。改めて自然の脅威と恩恵、電気という便利なシステム、灯りという温かさ、人情という優しさ、自宅で生活できるという喜びを、普段は当たり前と思いがちだけれど、実はどれも尊く奇跡であるということを体感しました。

そんな日々を過ごしていたら、いつの間にやら季節は冬へ。あのお花畑のように色づいていた山たちは、水墨画のような景色へと。暗くて、寒くて、寂しくて、悲しくて...季節の移ろいと共に心も浮き沈む。自然界と人間が一体となるとこんなにも共鳴し合うのかという驚き。けど、そんな真冬でも時折顔を覗かす柔らかい陽ざし。穏やかで、優しくて、温かい...まるで、大丈夫、大丈夫だよって応援してくれているかのように。色を失ったようでただ潜めていただけ、紡ぎ合わせるかのように優しい色は広がり、寒空の中、桜の木は既に芽をつけ次を見据えている。なんと力強く心強いのか。

アラサー突入。そろそろ自分の体と心に向き合う時間を大事にする。ハーブ、お灸、座禅、西語、薬膳...覗き込んでみる。興味という思いを、行動に移し替えてみる。思っていた以上の面白さ、奥深さ、一緒になって楽しんでくれる人への感謝、素敵な出会い、生きるのって悪くない。日々を過ごすだけで精一杯、他のことなんて考えられない、そう思う日もあるけれど、自分が動けば何かがちょっとずつ変わることがある。その変化は自分に、そして人へ。そうやって一度しか来ない今日を生きていく。『日々是好日』この言葉を頭の片隅において過ごした一年。思考を、捉え方を、プラス方向に意識するだけでまるで別世界を見ているかのよう。小さなことが幸福となって、大らかに、穏やかに過ごせることに気がつきました。たとえ屋根裏にネズミが走ろうとも、同じ生き物。長野の冬は寒い。暖かいところを求めるのは皆同じ。ならば共に暮らそう。ガリガリガリ、トコトコトコ...音を聞くたびに発狂寸前だった私がここまでなれたのは、恐らくこの土地のおかげだろう。今まで住む場所にこだわりを持ったことなどなかった。どこも一緒だと思っていた。目の前に存在するものだけを見て生きてきた私にとって、目に見えない人の温もりや心の動き、自分ですら見えてない自分自身。これらを感じる感覚は、新鮮すぎて戸惑ってしまうこともあるけれど、この変化を楽しみながら、あの言葉をまた思い出しながら、ここで過ごしていければと思う。(カーリー)

子育ての風景

今年も新しい気持ちで頑張りたいと思います。今年は次男が高校3年生の受験生。イバラの道になりそうです(汗)。小学5年の娘「お母さん何しているの?」 母「お兄ちゃんの受験のね、色々調べてるんだよ。あなたも苦労しないように今から勉強がんばってね」 娘「だったら大学行かない」 母「じゃあ、就職だね」 娘「そしたらここで働こうかな」 母「えっ??うちで??」 娘「だって怒らないって決まってるんだよね?」 母(笑)確かにうちはキレない・怒鳴らないを禁止にしているんですが、特に娘に話した覚えもなく...母「あなたの嫌いな畑に行かなくちゃいけないんだよ。それに、ちゃんと注意はするし、みんな責任もってやっているんだよ」 娘「ふ~ん」 どこまでわかっているんだか・・・子どもは聞いてないようで聞いているんだなぁと思った瞬間でした。(幸代)

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