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通信《畑のつぶやき》

2017/08/28
畑のつぶやき8月号

【ひょんなことから得られるもの】

いつもお世話になっております、スタッフのマッキーこと小林正明です。
今年の冬(1月~3月)はスタッフが過去最大人数いたおかげで春からの栽培、出荷の作戦づくり(去年の課題をどうクリアしていくか、伸ばす部分と減らす部分のバランスをどうとるかなど)にかなり時間をかけることができました。野菜の植え付け量や植え付け密度なども大胆に変える事ができました。結果から言えば今のところ作戦どおりいったものが多く課題に対してよい解答ができたと思います。
ただ、予想外だった事が2つありました。1つはメイン堆肥のN(窒素:植物の成長に最も大切といっても良い肥料)成分が気づいたら変わっていて7割くらいに減っていた事です。もうひとつは5月~7月中旬くらいまでの干ばつです。
肥料については、夏作まで7割な事を知らずにやっていたので(秋からは実際の成分でやりました)、追肥を早めるなど今も野菜を観察して対応しています。この失敗で気づいた事がありました。それはN分が思っていたより少ない時の各野菜の反応の違いです。「ピーマンや葉野菜はそれでもよくできた」「トマト類は初期に例年なら後半にでるような症状が出た」など。もちろん結果の要因がすべて堆肥由来のものではありませんが、それぞれの野菜の本当のストライクゾーンはどこにあるのかを改めて考えることができました。
干ばつでは水でどれほど収量や収穫ピークのタイミングが変わるのかというのがすごくよくわかりました。スナップエンドウとキュウリは一週間程予定より収穫ピークが遅れました。どちらも近くに水路のない畑だったので軽トラで何度も往復して1回に3tくらい潅水をしました。するとどうでしょう。潅水した次の日からスナップはグンととれるようになり、きゅうりにいたっては7~8倍も収量が増えました。来年はできればきゅうりもスナップも水路の近くでやりたい、それがかなわなくても潅水はもっと早い段階からやった方がいい、ほかの果菜類もこれに準じた方がいいかもというような改善案がここから思いつきます。
堆肥と干ばつ、2つのハプニングは新たな気づきをもたらしてくれました。
代表がよく使う言葉に「なんとかする力」というものがあります。想定していないハプニングは必ず起こるもの。どう対応し、何を気づき、次に生かせるか。その積み重ねがどんなハプニングにも対応できる、紆余曲折あっても結局「なんとかする」厚みのある強い農家になるということかもしれない。僕が4歳の時から続いているのらくら農場の20年はその積み重ねなのだろうと思うと作業の小さな工夫にじーんとくる今年の春夏です。

【プチ自然の仕組み】

前回書かせていただいたつぶやきの紅葉についての文にお客様から嬉しいお声をいただいて、代表からも科学に関するものが好きなお客様が以外と多いと聞きました。なので、今回は「土壌の呼吸」について少し書きたいと思います。
植物は葉の裏側にある気孔で呼吸をしています。それと同時に根でも呼吸をしています。
「根腐れして枯れる」という現象は土が硬かったり、水が抜けなかった時に根が呼吸できずに窒息死して起こる現象です。では根が窒息死しないためにはどんな土であればよいのでしょうか。結果からいいますとフカフカ(団粒構造の発達)した土が良いのですが、その理由がとても精妙でした。
フカフカした土に太陽光が当たると地温があがり土中の水が水蒸気に変わります。すると体積が何百倍にもなり土壌の隙間を通って空気中に放出されます。その時に根周りの二酸化炭素も水蒸気に押されて空気中にでます。しばらくして太陽が雲に遮られると地温が下がり水蒸気が水にもどります。それによって体積が何百分の1になり、土の中の気圧が下がります。すると新鮮な空気が土の中に入っていきます。この空気の通り道が土の中に無数に張り巡らされながら、かつ、この仕組みの要点の一つである水分をある程度保持してくれるのがフカフカの土ということになります。
フカフカの土さえ用意すれば(植物は人間が手を加えなくても長い年月をかけて落ち葉や植物遺体を使って根周りの土を柔らかくすることができます)、太陽や雲や水があたかも植物の存在とその生態を知っていて、成長を助けようとするかの様に働きます。この関係がなんとも神秘的に感じられて素敵だったのでご紹介しました。
ちなみに今回参考にさせていただいた本は小祝政明さん著「有機栽培の基礎と実際」という本です。小祝さんは有機栽培や農業全般を植物生理の視点から科学的、論理的に説明してくれる方でのらくら農場の栽培のバックボーンを作っていただいた方です。
本自体は農業者向けなので専門的になっている部分もありますが、この本にしか書かれていない植物生理の要諦がまとめてあったりします。植物に興味のある方は楽しめるかもしれません。ちなみに以前紹介した紅葉の話は「植物の中で何が起こっているのか」という本を参考にしました。こちらは最新の植物生理学の説明を博士から聞きながらライターさんが書いたもので植物について全然わからない人でもとても読みやすく、わかりやすいのでおすすめです!(マッキー)
こちらの夏は雨や涼しい日も多く、夏らしくない天候です。関東も雨続きの異常気象になっているようですね。みなさまお体にお気をつけてお過ごしください。(マッキー)


畑のつぶやき7月号

【引っ越してきました】

こんにちは、スタッフの平島香代子です。畑のつぶやき、全くの初めて、というわけではないのですが、自己紹介からさせていただきたいと思います。
今年の5月から働いていますが、以前は取引先のGAIAで働いており、夏の間だけここ数年のらくら農場へ手伝いに来ていました。が...、ここでの仕事や生活が楽しくなってしまい...。GAIAからもいってらっしゃいと言っていただき、のらくら農場にも受け入れていただき、5月よりスタッフとして働かせていただく事になりました。
高校卒業後、東京で進学、就職。気付けば実家で過ごした時間より、実家を出てからの時間の方が長くなってしまいましたが、千葉県南房総で育ったからか、海の近い、暖かい所で生活したいという思いがずっとありました。ここ佐久穂町は、冬は時にマイナス20℃まで下がる事もあるそうで、更に隣の佐久市は日本で一番海から遠い場所...。あれ⁇
とはいえ、会社も辞め引越してきてしまいました。
朝晩まだまだ冷え込む5月下旬、レタスの収穫が始まりました。冷え切ったレタスを収穫する手はかじかみ、両手をこすり合わせたり、はぁーと息をかけながら収穫していた時のこと。陽が少しづつ出てきてじんわりと、本当にじんわりとですが背中が暖まっていくのを感じた時、「あぁ幸せだなぁ」と思わず手を止め太陽を見つめてしまいました。(本当はそんな事している余裕はないのですが...汗)
主に出荷の仕事を担当していますが、まだまだ気持ちばかり空回り、反省の毎日です。でも箱を開ける時にワクワクする様な野菜セットをお届けできるように頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

【眠れぬ夜】

僕は睡眠がとても下手です。小さいころ、よく寝不足になっていました。といっても普通の人くらいは寝ているのですが、もっと多く寝ないと寝不足状態になりました。脳波の異常もあって、寝不足すると途端に結構激しい頭痛が襲ってきました。
 床が変わると眠れないという華奢なところ治したいのもあって、学生の頃は、テントをもってひたすらいろんなところを旅したのですが、ハードだったこともあり、駅のひさしの下だろうが、公園だろうが、海辺だろうが、どこでも寝られるようになりました。果ては、アフリカだろうが、マレーシアだろうが、海外でもぐっすり眠れるようになりました。
ところが、仕事をするようになってからまた一変。東京で勤めていた頃は、仕事のアドレナリンが家に帰ってからも全然収まらず。ただでさえ睡眠時間が4~5時間しか取れないのに、興奮状態でなかなか寝付けない。
 農業を始めてからはどうか。基本、ぐっすり眠れます。なにせ、日中はとことん体を動かしますので、夜はぱったり眠れます。ところが、季節の変わり目や新しい取引先さんとの取り組みがあったりすると、夜中にハッと目覚めてしまいます。季節の変わり目は、野菜の出来が不安定で、足りるのか、足りないのかを見極めるのが非常に難しいです。例えば、ズッキーニは一日400本くらいの収穫と思いきや、3日後に1400本の収穫になったりします。スナップエンドウも一日40キロの収穫と思いきや、数日後に100キロ越えをしたりします。足りなくても先方にご迷惑おかけしますし、多すぎても、売り切る努力をしなければなりません。なので、寝ながらあれこれ仕事のことを考えてしまうので、眠りが浅いのです。6月中旬から現在の7月中旬にかけては一ヶ月というそこそこ長い、眠りの浅い日々が続いています。
 不眠は暗いイメージかもしれませんが、僕はいたって明るいのです(笑) 対処モードがあります。
①溜まっていた仕事をしてしまう。どうせ布団でグズグズするのなら、溜まっていた仕事を一気に仕上げてしまいます。翌日はさっぱりした気持ちでそこそこ眠れるのです。
 ②噴き出してくるアイデアを書きなぐる。寝ている時に、畑でのアイデアが溢れてくることがあります。これを一気にノートに書きなぐります。これがのちのちとても役に立ちます。
③リラックスする。とっておきの小説や漫画を常にストックしてあります。これをゆっくりと読みます。西加奈子さんの「サラバ」は上下巻分厚い2冊でしたがとても良かった。これから読むのは中村文則さんの「教団X」。これも分厚い。分厚くていいのだ。夜は長いから。高校生の長男が見つけてきた「セトウツミ」は近年最高の漫画。高校生が河原でただ毎回しゃべっているだけの物語。ギャグマンガなのですが、これはもう哲学です。取引先のGAIA代表の清水さんに勧められたのが「へうげもの」。戦国の世を飄々と生き抜く実在の人物古田織部の物語。相手とまともにぶつからず、するりとかわしながら、世の中を作っていく様は、社会で生きていくとても大切な能力だと、腹の底から思いました。画もすごい!
 というわけで、不眠は辛いといえばそうなのですが、そこそこ価値ある夜でもあるのです。(代表)


畑のつぶやき6月号

【今年のつぶやき(意気込み)】

みなさんこんにちは。スタッフの梨奈です。のらくら農場に来て一年と3ヶ月が経ちました。今年は出荷担当をさせていただきます。
今期も野菜セットはじまりました。野菜の状態はもちろん、袋詰め、箱詰め等何かお気づきの点ございましたらお知らせください。
箱を開けたときになにか嬉しさを感じてもらえるようなセットをつくっていきたいと思っています。
ところで、内自慢になっちゃうかもしれませんが、私はのらくら農場の"ネーミングセンス"っていいなと思います。「ぷらすレシピ」なんてすごく好きです。ぷらすってひらがなにしているところ、センスあります。「のらくら」農場もいいけど、全然「のらくら」していないといろんな方々につっこまれるそうです。(笑)「畑のつぶやき」もすごくいい響きだと思います。日々、畑にいてふと感じること。なんとなく気づいたこと。そんな自然なつぶやき。この畑のつぶやきに見合うようなことを書きたいな~と思いながらも、まだ自然につぶやけません。
とりあえずつぶやいてみます。
昨年を振り返って思うこと。一つに体力がなかったことがあります。正直、心身ともに作業についていけていなかったです。
今年に入っても体調が優れなかったので、これじゃだめだと思い、どうしようかと考えました。まずはやはり健康管理に至りました。
①ごはんをちゃんと食べる。②早く寝ること(最低22時)非常に基本的なのですが、できていなかったのが現実。春は畑仕事も多く体力を消耗するため、朝、昼、晩の3食ともお米(玄米)を食べるようにしてみました。これが私には合っていたらしく、なんだか力が持続できている気がします。疲れてへとへとになっても、再びエネルギーが沸いてくるように感じます。今まではなんとなく身体にいいものをと思っていましたが、これを体感できたことは大きく、身体が十分に動くためにと意識して食べるようになった気がします。そして、次の日を考えて夜はなるべく早く休むこと。このおかげかどうかはわかりませんが、疲れても割とはやく回復ができている気がします。あらためて、回復ってすごい力です。回復力=持久力なのかも。最近、農業は持久力が必要だと感じます。農業に限るものではないと思いますが、農業においてもとても必要と思います。体力面、精神面共に持久力がないと乗り切れない。振り返っても去年はいろんな作業が果てしなかった様に感じます。
昨年。スナップエンドウの手張りマルチ(傾斜あり60m)。かぼちゃ6反の定植。ズッキーニの2反の収穫。
「・・・ホントにこれをすべてやるのか?」
作業に必死に取り掛かるも、全然終わりが見えませんでした。いや、普通に考えてもこのレベルは果てしないことに間違いはないんですが。
だけど今年。いろんな作業にこの果てしなさをあまり感じなくなった気がするのです。田んぼ4反の施肥。モロッコインゲン1反の手張りマルチ(急傾斜)。レタス約200個の収穫など。
一日の作業を終えて、「いやァ~、今日は(作業を)やったね~」と代表。
(・・・あっ、今日はかなりやった方なのか。)
身体が慣れてきたのか、感覚が麻痺してきているのかはわかりませんが(笑)、日々の作業に心身がついてこれるようになったのは嬉しいです。しかも、思いきりやりたい症候群がでてきました。果てしなく続きそうな作業こそ、「うりゃ~」って勢いでやりたくなる症状です。(全然遅いですが。)
今年のたまねぎ畑3反の除草。雨前に集中してやってしまおうということで、この日は総勢9名で取り掛かりました。
(9名で除草に取り掛かれるのらくらってやっぱりスゴイ。)一番長いブロックで50m。たまねぎは150cmマルチに7条植え。7条分は手が届かないため片側4条ずつ進んでいきます。草がひどいブロックだと50m4条の除草で1時間くらいかかってしまう。それが45ブロック。そんな限りなく感じられる作業のときこそ、「うりゃ~」ってやりたくなる時があります。このスイッチが入った時、自分なりにはぐんぐんやっているつもりなのですが、この時後ろから追い上げてくる気配が・・・。代表でした。私の向かい側を風の如く猛スピードで過ぎ去っていきました。なぜあんなに早いのか意味がわかりません。あんなに早いのにちゃんと草は獲っています。しかも驚くことに、翌日のミーティングで「たまねぎの株間はもしかしたら〇センチの方がいいかもしれない。」と。あんな猛撃な速さで除草しながら頭ではそんなことを考えていたのか・・・。私は作業しているときはほとんどそれに必死になってしまうので、その日もたまねぎの株間のことには思い至りませんでした。重ねてかなわないと思ったのでした。それでもこんなふうに、思いきり仕事ができるって楽しいなと思います。まぁ、私の思いきりなんてまだまだなんですが。
日々いろんな仕事を思いきりやりたい。そのためにも、これから続く繁忙期を乗り切るための力をつけなければ。
引き続き、しっかり体調管理をして繁忙期に挑みます。(やっぱりつぶやきじゃなくて、意気込みになってしまった。)


畑のつぶやき5月号

【野菜の出荷再開します!】

ご無沙汰しております。みなさまお変わりありませんか?今季もどうぞよろしくお願い申し上げます。2ヶ月半のお休み中も、出荷再開に向けての野菜作りに忙しい毎日が続いています。収穫がまだまだ先になるネギや長芋の植え付けもこの時期に重なります。
1年ぶりの種まきは、緊張の連続。うまく芽が出ずに蒔き直しすれば、その数日間の遅れで最終的な収穫予定数を大幅に乱してしまうからです。お米の播種は、丸1日以上かかります。苗箱140枚分の土をふるい、肥料を混ぜ、苗箱を置く場所の水平をとって水やりが均一になるよう注意を払います。1トレーに最低限の種の量をまくことで、しっかりとした丈夫な苗を育てます。
去年の春菊は、サラダで食べても美味しいと大好評でした。初めてエントリーしたオーガニックフェスタという野菜のコンクールでは、食味部門で最高点の評価を獲得しました。その他の野菜も同様に力を注いでおります。今季は、通年スタッフ5名、期間スタッフ3名で頑張ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。(幸代)

【石だらけの畑】

ひとつ西側の沢筋に畑を借りることになりました。車で15分くらいかかるのでちょっと遠いですが、思ったより日当たりがよく、これなら玉ねぎも作れるなとまず思いました。玉ねぎは10月10日頃に植え付けて、寒い寒い冬を越して翌年6月~7月に収穫となります。この越冬作物の畑を確保するのが至難です。太陽の軌道が低い冬でも日が当たる畑はうちの耕作地ではそんなにない。連作障害のリスクもあるので、一度作った畑は2年は玉ねぎ栽培は休ませたい。そうするとかなり窮屈な選択になります。
 これで玉ねぎ畑の選択の幅が増えるなと思った矢先、実際に畑に入ってみたらかなりの石があることがわかりました。中には、人がやっと持てるくらいの漬物石クラスのものまで。
 中学3年の次男と小学3年の長女も導入して、来る日も来る日も石とり!一度綺麗に取って、トラクターで耕耘すると、下の方からまた出てきます。合計軽トラック30杯近く持ち出しました。石に当たって折れたトラクターの爪も何本も見つかります。果てしなく思われる作業も、やり続けるとなんとかなるものです。「浅間山を東にスコップで1メートル移動せよ。」というミッションがあってもできる気がしてきます。土壌分析をして、栽培の方針が決まりました。さて、この新たな土をどう料理してくれよう、と腕まくりの心境です。(代表)

【言葉の分解作業】

もう18年くらい前に、妻の育児サークルの集まりで「自然分娩がしたい」という方に、医師である友人がこう説いていたのが衝撃でした。「自然って便利な言葉で、それで全体をくるんでしまうと見えなくなってしまうことがあると思うんです。母子同室でいたいと
か、具体的な提案をして病院側と落としどころを探ったらどうかなあ。」 そうか、言葉を分解して具体的案に落とし込まないといけないのか。

うちは、たくさんの種類を栽培しているので、スタッフも覚えることがたくさんあって大変です。作業スピードをどうやってあげるか、言葉を分解して説明してみました。
       【結果スピード=作戦+準備+手の速さ+足+目+抜き】
 農作業の速さは手の速さのみにスポットを置かれがちですが、実はそうでもありません。コンテナや計りの位置をどこにするかで春菊を小分けする早さがまるで変わってしまいます。移動の時の足の速さも重要。早歩きが自然に身についている人はやっぱり速いです。さらに重要なのは目の移動。インゲンの収穫をするとき、遅い人は収穫適期のインゲンを探すのに時間がかかっています。適期のインゲンを見つけてそこに手を伸ばそうとした時には、もう目は次のインゲンを探しているのがコツです。目と手をバラバラに動かせると、これだけで1.5倍のスピードになります。盲点で、僕も最近気付いたのが「抜き」。丁寧にやりすぎていいということもありません。
機械作業でも分解してみました。肥料散布などの機械は、机上で考えるなら、同じ車速なら人によって差が出るはずはないはずですが、実際はそんなことはありません。何が要因なんだろうと僕も改めて考える良い機会です。
    【機械スピード=そこに植え付ける作物の特性の理解+作業ルートの取り方+バックギアの回数】
ズッキーニやかぼちゃのように一株の根が張る根圏の広い作物は、超丁寧に散布してもあまり効果に差が出ません。こういう特性を生かして、スピード重視で散布できます。バックギアを一度も入れずに前進のみでルートをとれると、とてつもなく早く仕上がります。
作業スピードというのは単に効率化の問題ではありません。梅雨時のわずかな晴れのワンチャンスをどうやって生かすか。4月・5月の少ない雨をなんとかものにする。作物に寄り添うのにスピードはプロとして欠かせない要素です。
こうやって分解して考えていくと、自分はどこが問題なのかが見えてきます。説明している僕が、自分は準備のセンスないな~と気付かされます。若いスタッフが自分の問題箇所を特定して、グワッと成長する瞬間に立ち会えると、心の中で静かに感動しております。そのときは、やっぱり本人もとってもいい顔しています。最近、これが楽しみで仕方ない。(代表)

畑のつぶやき2月号

【ビルとビス】
 僕は農業をやる前、東京の住宅建材メーカーに営業マンとして勤めておりました。ある物件の現場監督さんに会うために指定された場所に行くと、そこは建設中のビルの工事現場でした。現場監督が厳しい目で全体を見回しています。一人の職人さんが狭い場所のビスを打つのに苦戦していました。インパクト(電動ドライバーのようなもの)が狭すぎて入らないのです。監督さんが別の階から狭い場所でも入る特殊なインパクトをわざわざ持ってきて使うように指示しました。「あんな奥の方のビスまできちんと打つんですね。」と僕は言いました。監督はこう答えました。「このビル作るのに、あんな場所のビスひとつ打たなくったって、強度にはなんの影響もないんだよ。だけどそういう気持ちがこの現場全体に蔓延したらどうなると思う?手抜き工事のビルの出来上がりってわけだ。それが大事故を生むかも知れない。現場ではさ、全体を見渡す俯瞰する目も必要なんだけど、あのビス一本をなんとしてでも打つということしか考えない頭、目の前しか見ない目というのも必要なんだよ。」つまり「あえて俯瞰しない能力!」ということか。
 これは今でも僕の中に強く残っています。12月に長芋を掘っているときのこと。昨年はとても良く出来すぎて、何しろ長い!掘るのが本当に大変で、あっという間に握力がなくなってしまう。ふと、これだけ大掛かりなことをして栽培するナガイモは経営的にどうなのかという考えが頭をよぎります。いか~ん、あのビルのビスを思い浮かべないと。目の前のことに集中する。ゴムが付いたグリップグローブが意外にも滑ってしまってだめ。布軍手の方がけっこういい。さらに工夫が続き、たどり着いたのが、タツさん考案の、「タオルで地中のナガイモをくるんで引き抜く」でした。グリップ力が一気に上がり、握力低下を軽減できました。無事、土が凍る前に4.5トンのナガイモをほりあげることができました。目の前のナガイモ一本一本に集中して良かった。(代表)

【先を示してくれと言われ・・・】
 近年、少なくなったとは言え、たまにする夫婦喧嘩のネタがあります。妻に「農場をどういう方向にするのか先を示して欲しい。」と言われるのです。僕の答えはいつもこうです。「んなこと言ったって、先のことなんてわかるわけないじゃん。その時その時考えればいいじゃない。」がいつもの僕の答えです。なにせ僕は、農業を始めるにあたっても、今まで続けてきたことに関しても長期計画というものを立てたことがありません。だって、世の中も、自分もどんどん変わっていくんだから、計画なんか立てるよりも「その時何とかする力」をつけたほうがいい、と思ってきたのです。「先がわからなくても進む力」とも言う。この19年を振り返ってみても、ひとつの資材、ひとつの栽培技術、一人との出会いで、今までできないと思っていたことがどんどん可能になってきたし。なんてかっこいいコト言っていますが、これは計画力がまるでない言い訳だったりします。地下ムロを思い切って20トンくらい入るものを作った時も「この大きな貯蔵スペースが埋まることはないな」と思っていたら、じゃがいもの収量が一気に倍とれてしまって建設一年目にいきなりもうパンパン。僕は、未来の自分をまるで信用していないのでそういうことになります。一年の作付計画は考え抜くくせに、長期は全く見ない。近頃は「2年先なら言える」くらいは成長しました。
ところが、妻だけでなく、スタッフのメンバーからも「行く先を知りたい」空気が漂ってきたのです。
なにー、君らもか!タジタジに後ずさりながらも、ついに先のことを考えなければならない時が来たのです。逃げ切ろうと思っていたのに。
 昨年、初めて出荷グループを作ってみて、このメンバーとガチンコで仕事をするのはとてもやりがいがありました。みんないい奴らで、全員よそから来た新規就農者。家族を抱えているリアリティーもある。やりたいことと、やらなければならないことの塩梅がとてもいい。今まで研修生やスタッフを受け入れてきて、元素記号や数値も交えた共通言語をお互い作り上げてきました。現在は、複数の脳で考えることができます。土壌分析、肥料設計、菌の働き、資材、これらを深く話し合えるスタッフと、仲間がいる。僕が思いつかないことをやってしまうやつもいる。これはとても力強いことです。だからこの出荷グループを成長させたい。町の人口減は止まらず、田畑も結構荒れてくるかもしれない。でもこの辺り一帯だけは何故か元気いい人が農業で躍動するというシーンを作りたい。なんであの地域だけ元気なの?と不思議がられるくらいに。それは実現可能だと思っている。そのための「手段としての」売り上げがある。それもですね、僕は10年先にとか考えていなくて、すぐ実現するつもりです。あれ?結局あまり先のこと考えてないじゃん。(代表)


畑のつぶやき1月号

【年末、畑の片付けをしながらの3人の会話】

年末、畑の片付けをしながらの3人の会話
萩原 「今年はみんながんばってくれたねー。なんていうか、来年への期待度が過去1番高いね。」
たつ、マッキー「そうですねー。」
萩原 「ねぇ、たつさん、ここの畑でナガイモってありえるかな?」
たつ 「ここですか?んー、ここでつくったことあるんですか?」
萩原 「ナガイモはないけど、ゴボウはそこそこだったよ。」
たつ 「来年の畑の配置考えるといいかもしれないですね。考えてみましょう。・・・そーいえば、ナガイモの販売先、探していかないとって言ってましたよね?」
マッキー 「ナガイモ直販している農家ってあんまり聞かないですねー。」
萩原 「うん、でも今年うちがはじめた贈答用の2.5kg箱は、これから増えていくとは思うよ。もう少しプッシュしてみるよ。その他にも売り先探さないとかなー。」
たつ 「ナガイモ、ゴボウって萩原さんが就農初期からかなり試行錯誤して、うちの野菜の中でも腕の見せ所の1つですもんね。せっかくだから、もっとみんなに食べてもらいたいですよね。」
萩原 「そうだね。タツさんもマッキーも随分掘り取りうまくなったし、すごいよ。年内に畑の片付けも随分進んだし、これで少し余裕ができるから長いもレシピを充実させていこうよ。」
たつ 「みんなどんな食べ方してるんですかねー?」
マッキー 「んー、あっ!芋汁って知ってます?長野県の人だけなのかも知れないんですけど・・・たつさん(マッキーと同じ長野県出身)知ってます?」
たつ 「なにそれ?」
マッキー 「うちだけなのかな?たまに芋汁の日があって、すったナガイモをダシで伸ばして、わんこそばみたいにひたすら食べるっていう感じなんですけど。」
たつ 「あーーー!やるやる!めっちゃでっかい器がドーンってでてくるやつでしょ?」
マッキー 「そうです、そうです。4・5杯食べたりしてましたよ。」
たつ 「ひたすら食べるんだよね!アオサかけたりしてさ。醤油で調整してね。」
マッキー 「そうです、そうです。」
たつ 「あれって長野県の人しかやらないの?そういえば、昔は口の周りがかゆくなって大変だったけど、うちのナガイモってかゆくならないですよね。やっぱり栽培方法が違うからでしょうね。」
萩原 「 《わんこそば》みたいにってフレーズいいね~!!」
たつ 「たしかに!その野菜ひたすら食べるって農家としてはやりがいがありますよね。」
マッキー 「本当にその日は芋汁に正面から向き合って、儀式みたいなんですよねー。」
萩原 「部屋の明かりちょっと薄暗くして、ろうそく焚いたりしてないよね?」
3人 「ははははは~(笑)」

その日は芋汁の話でもちきりになりました。長野にあるのらくら農場ですが、周りの新規就農者含めると県外出身者が多く、長野県出身者の比率はかなり低いのです。そんなレアなスタッフ2人から浮かび上がったアイデア。それをいつものように誇張気味のユーモアで拾ってくれる代表。日常からでてくるこのようなやり取りから思わぬ発見があったり、時には搾り出したアイデアからそれを形にしていくのがのらくらスタイルでもあります。簡単に調べたところ、信州の行事と食に関する本がいくつかあり、実際にお正月に1年の平安を願って芋汁を食べる風習があったようです。地域によって食べる日に違いがあるようですが、「ナガイモの」ということで長生きを願ったともいわれているそうです。(たつ)

「たつ公認、長野県民じるしの芋汁」
大きな器に長芋をすった芋汁をドドーンと置きます。ご飯を少なくよそって、芋汁をかけてひたすら何杯も食べます。飽きてきたら、あおさや刻みネギ、生卵、鰹節、わさびなどお好みで追加していく。まるでわんこ蕎麦のようにひたすらそれだけを食べます。

「マッキーの芋汁レシピ」
①直径20センチくらいのボール半分以上にすりおろした芋を入れる。②卵1個・酒大匙1(お酒苦手な方はなしで)・だし汁(適当)・醤油か塩(味を調える)を加え、泡だて器で泡立てつつ混ぜる。③見た目でよしあしを判断(ふんわりしたらOK)5~10分くらい。きざみねぎ、きざみのりをかけて出来上がり。


畑のつぶやき12月号

【2016年を振り返って】

 今年の秋は野菜が高かったですね。それもその筈、8月半ば以降、ずっと雨。雨が降り続くと、畑を耕せない。濡れた土をトラクターで耕すと土がコンクリートのように固くなり、植物が根を張ることができません。肥料を撒こうにも、トラックも機械も入れない。何よりも日照不足で作物が育たない。9月のほうれん草は通常40日で育つのですが、60日経っても出来上がらない有様でした。この雨の隙間を縫って、ワンチャンスをモノにして種を蒔き、なんとか出荷を続けられました。成功したのが春菊。ほとんど病気も出さず、安定して出荷できました。なんとか小さな畑セットも出し続けることができました。雨の中作業をし続けていたので、スタッフの体が芯から冷えてしまったのは申し訳なかったです。
 この秋は異変がありました。ヨトウムシという最強レベルの害虫が10月に大発生しました。こちらの10月はとても寒いので、ヨトウムシはまずいない季節なのですが、一週間でかぶの葉っぱが丸裸にされることも。通常は春菊などにヨトウムシはつかないのですが、これも初めて食害されることもありました。全国的に大発生したそうです。ブロッコリーとカリフラワーは初の1反(300坪)全滅、白菜も一反近く全滅。以前、昆虫学者さんとお話したとき、自然界にはある特定の虫が局地的、あるいは時期限定的に大発生することがあるそうです。スポットと呼ぶそうです。これはどんなに作物を健康に作ってもなすすべがない密度で発生することがあるとのことです。恐ろしいことに、ヨトウムシは飢餓スイッチが入ると、畦の雑草も食い尽くすそうで、埼玉の先輩有機農家さんが雑草も含めた畑の植物がすべて消えてなくなるという衝撃的な光景を体験したことがあるそうです。このスポットがこれから増えてくるのではないかと昆虫学者さんはおっしゃっていました。
今年は、農業を始めてから18年続けてきた花豆栽培を断念しました。花豆は夏に「晴れて涼しい」気候が必要なのですが、「晴れたら猛暑」「涼しい時はずっと雨」のどちらかしかない天候がここ8年くらい続いて栽培が難しくなってきました。てんさい糖であっさりと煮た花豆はとても美味しく、大ファンというお客様もいらっしゃって心苦しかったのですが。また別のかたちで、この地に合う美味しいものを作っていければと思います。

 次はよかった出来事。「今年は、特定の作物をバカみたいにたくさん作るぞ!バカみたいに作ることで見えてくるものが必ずあるはず。」と檄を飛ばしました。僕は安定が苦手なところがありまして、バランスが取れてくると、やっと作ったバランスを自分の手で崩してみたくなるのです。厳しい天候でしたが、スナップエンドウ、インゲン、ズッキーニ、春菊などを大幅に作付を増やし、これがぴったりはまりました。悪天候でかなりの作物がやられましたが、結果的には経営として、とても伸びることができました。インゲンは、収穫から選別、小分けまでの一連を全て担うインゲンチームを別働隊として組み、多い時は一日で130キロ位の収穫がありました。毎日関わっているので、一週間後くらいまでの収穫量をかなり正確に把握してくれました。悪天候の時、日本中から野菜そのものが少なくなっている時に、インゲンや春菊を安定的に出荷できたので、取引先の流通さんからはとても高い評価をいただきました。
何よりも大きく変わったのは、19年目にして、初めて週半日から1日のお休みを頂くことができたということです。地元の山で初めて子供と登山したり、海に連れて行ったり、映画を見たりと少しは父親らしいことができました。
スタッフは、最高のメンバーが集まってくれました。全員、性格がいいし、仕事に対してとても前向きです。こんな尊敬できるメンバーと一緒に仕事ができるのはかなりの幸せだと、日々じわじわ感じておりました。それと女子比率が高まってきました。来季は、妻、含めて女性4人が確定しています。
来期はまた、新しいことをして「不安定要素」を盛り込みます。呆れる妻の顔に気づかないふりをしながら・・・・。(紀行)

【むだづかい?】

 「お父さん、今日、お母さんが無駄遣いをいっぱいしたね。みーちゃんは残念でならない。」8歳の娘が深刻な顔でいうものですから大爆笑。幸代が作業に使う秤や道具をたくさん買い込んだのを見て「お金を使いすぎている」と思ったらしい。娘よ、農業はお金がかかるんだ。ここ4年連続春に、毎年肥料などの通常に使う以外の設備投資に500万円、合計2000万円以上費やし、害虫の襲来で100万円分の作物があっという間にやられてしまうことも。それなのに回転寿司では金色のお皿はなんとなくとれない雰囲気で規制している萩原家のギャップを子供たちはどう感じているのだろう。(紀行)

畑のつぶやき11月号

【紅葉の裏側で】

11月も中盤にさしかかり、のらくら農場のある佐久穂町は紅葉が全盛期を迎えています。農場は山の中にあり、どの畑にいってもあたりを見渡せばどこかしら視界に森が入るような場所です。なので今は紅葉の中で仕事をしているという感覚で、日に日に綺麗に染まり、さかんに舞い落ち降りつもり、地面をにぎやかに彩る葉に、これほど周りを囲まれていると自然の力強い生命感を全身で感じますし、自分もこの躍動の一部なんだという感覚をなんともなしに感じていたりします。
人間にとっては秋の行楽イベントの紅葉ですが、植物にとっては冬に向けての懸命の大仕事だという事を本で読み、その仕組みと植物の意思のようなものに触れた感覚にいたく感動しました。今回はその話をしたいと思います。
そもそも植物は何故紅葉するのでしょうか。それは温度が低く、雨が少ない冬の間は葉の光合成で作れる炭水化物の量より葉を維持するエネルギーの方が高くつき、さらに水が少ない事などで葉が枯れてしまえば、葉の中の栄養素も回収できず収支が合わなくなるので、葉の中の色素(葉緑体、その他)などを分解して栄養分を回収したのち、みずから葉を落とし、省エネで冬をやり過ごすためなのだそうです。
あの情緒的なイベントは植物の生き抜く力の産物だったのです!本を読んでいた時の何も知らなかった僕はこの段階ですでに、いつもそばにいて、何気なく見ている植物はこんなにも頭がよくて、たくましくて、意識がはっきりしているのか!!と感動と尊敬の念が胸の内にこみ上げていました。
さらに色が緑から黄色そして赤になるのにもちゃんと理由があります。葉には様々な色の光合成色素(例:葉緑素)が含まれていますが、主なものは緑色のクロロフィル(緑色)と黄色みがかって見えるカロテノイド(黄色)です。若い葉ではクロロフィル(緑色)の緑が強く前にでることで葉は緑色に見えます。それが紅葉のシステム(いわゆる老化)が始まると、まずクロロフィル(緑色)から栄養分の分解&回収が始まります。これによって緑が消えて行き、残っている黄色が全面にでて黄色く見えるようになるのです、これが紅葉の第一段階です。クロロフィル(緑色)には(これは植物にとって)人間でいうところの鉄の働きをするミネラルのMg(マグネシウム)が含まれていて、カロテノイド(黄色)には含まれていないので、まずは大切なMg入りのものから回収しようという事で、優先順位がついているようです。それとカロテノイド(黄色)を葉に残すのにはもうひとつの理由がありまして、それは日よけです。ここは少々込み入った話になるので簡略化しますと、太陽光(紫外線)を浴びると活性酸素という毒性の高い物質ができます。植物の色素(抗酸化物質)にはこの毒性を消す能力があるのです。なのでカロテノイド(黄色)がある事で葉の細胞を活性酸素に壊されずに養分の回収ができるという訳です。ちなみに活性酸素は人間にも有害で老化を促進し、多くの病気の原因にもなります、なので植物(野菜、果物)のもつ抗酸化物質を食べる事で老化を遅らせ、若さと健康を保つ事ができると言われています。
ここから第二段階の赤色に進みます。赤色の色素をアントシアン(赤色)といいます。身近な例をあげると、シソやラディッシュ(はつかだいこん)の色素です。クロロフィル(緑色)の回収が終わり、カロテノイド(黄色)の回収に移る時、カロテノイド(黄色)の代わりに日よけをするのがアントシアン(赤色)です。アントシアン(赤色)はもともと葉にあったわけではなく新たに作られます。この第二段階には濁った赤色から鮮やかな赤色への変化があります。これはカロテノイド(黄色)が減りアントシアン(赤色)が増える事でこのような色の変化が起こるそうです。カロテノイド(黄色)は回収が必要なタンパク質と結合しているので分解されるのですが、アントシアン(赤色)は回収のいらないものだけで出来ているので最後の日よけとして使えるようです。こうして綺麗な赤色になった葉はついていてもコストになるだけなので節約のために落とされます。これが葉が紅葉し落葉するまでの仕組みです。
この色の変化の仕組みで、何気ない自然の表現にも理由があるんだ!とさらに感動し、普段見る植物の葉の色の見方、感じ方が大きく変わりました。
農業をやりはじめてからあらためて気がついた事があります。それは僕はいつも、人よりも多くの植物と共に生きているという事です。これまでの人生はほとんど田舎暮らしなので、思い出す風景の中でも、今外に出て足元をみるだけでもそこには植物がいて力強く生きています。植物は何が好きで、何が嫌いで、どんな仕組みで生きて変化していっているのか、そんなことを知り、その意思に触れることができれば、それを野菜の声が聞こえると表現することができるのかもしれません。そんな農業者になりたいなぁと心底思います。(マッキー)


畑のつぶやき10月号

【悪戦苦闘の日々】

はじめまして、今年の7月からのらくら農場にスタッフとして参加しました、大高知幸(おおたか ともゆき)と申します。のらくら農場では「とみー」と呼ばれています。どうぞよろしくお願い致します。
のらくら農場に参加する前は東京でソフトウェア開発の仕事をしており、農業経験は全くありませんでした。毎日が新しいことの連続で大変ではありますが、先輩スタッフに支えられながらどうにか頑張っています。
さて、表題の件なのですが、先日「マルチのサイド決め」という作業を行いました。ご存知の方も多いかもしれませんが、マルチとは土の表面を被覆するビニールの資材です。マルチのサイド決めとは、マルチャー(マルチを貼る機械)で貼りきれなかった部分(圃場の隅など)を鍬(くわ)を使って手作業で貼る作業になりますが、これがやってみるとかなり難しい。まず、鍬が土のなかに全然入っていかない。
先輩のひでさんから鍬の使い方を一通り教わったのですが、自分がやってみると全くうまくいかないのです。あまりにうまくいかないので若干イライラしてしまいまして、「もしや、力が足りないのかな?」と思って半ば狂気で鍬を振るってみました。おりゃー!!コントロールを失った鍬はマルチに一直線、大きな穴が空いてしまいました。
反省(T_T)
どうやら力が不足しているのではなく、鍬が土を捉える入射角に問題があったようです。また、この作業は「真っ直ぐ」マルチを貼ることが重要なのですが、私は真っ直ぐ貼ったつもりでもどうも曲がってしまうようです。今度は先輩のタツさんと作業を行う機会があったのですが、少し作業をするなり「大高くん、曲がってるよ」とタツさん。なぜかマルチを真っ直ぐ貼った自信のあった自分は「いやいや、タツさん曲がってないじゃないですか?」と心のなかで思いました。マルチ以外の他のものが曲がっていると指摘されているとさえ思いました。あまのじゃくな私は、マルチが曲がっていないことの確認をしようと、自分が貼ったマルチを俯瞰して見てみました。
Σ(゚д゚;)
・・・曲がってる。タツさんの言うとおり曲がっていました。自分の2倍以上のスピードで作業をしていたタツさんの貼ったマルチは真っ直ぐになっていて、自分のは曲がっている。しかも先輩の指摘を真摯に受け止めようとしなかった自分の性格も曲がっているではないですか。
あちゃー。
私は何かと不器用なのでこんなことが数多くあります。帰宅しても「あの作業全然うまくいかなかったなー」と思うこともしばしば。あたり前のことではありますが、先輩スタッフの農業技術をすぐに身につけることは難しく、しばらく辛抱強く頑張る必要がありそうです。ですので、毎日毎日を大切に、気合と根性と、あと真っ直ぐな気持ちで頑張りたいと思います。

【40半ばを過ぎたら・・・】

 8歳の長女とお風呂に入っています。その時間に色々な遊びブームがありまして、最近続いていたのは文章作りゲームでした。例えばどちらかが、○て○が○みとお題を出したらそれで相手は文章を作ります。「○てつぼうを、○がんばったら、○みごとにできました。」というふうに。僕が○か○も○めとお題を出しました。果たして娘の答えは・・・。「○かえるが、○ももの○めがねを、かけました」。僕はひっくり返るほど感動しました。桃の眼鏡って・・・。常識に固められた僕には思いもつかない発想です。
今年のスタッフの特徴は、若さ、異業種から来た、普段別の仕事をしている、などがあります。これが実に面白い。臨時スタッフのマミちゃんが、ポリ容器を簡単に開ける方法を思いついて、「今まで何やってたんだ!」悔しくも嬉しいことがありました。夏のあいだ助っ人に来てくれているカヨさんの野菜の小分けの段取りを見ていると、「おおー、なるほど」と僕が思いつかなかった方法をとっていたりして、うなることがあります。
 今年は夏以降の長雨でかなりやられました。おそらく200万円以上はやられたと思います。が、僕は今、実に視界良好なのです。悪天候のときこそ、今まで見えなかった農場の弱点があからさまに浮かび上がってきます。それに対応する策も次々に頭に浮かんできました。来年への改善案をGoogleのドキュメントを利用して全員で書き込んでいます。おそらく100は超えるのではないかと思います。僕にはないフレッシュな案が次々出てくることが楽しみでなりません。
40半ばを過ぎたら、見習うべきは年下や経験があまりない人の発想かもしれないと感じています。まだ僕が気づいていないたくさんの桃の眼鏡がありそうです。(紀行)


畑のつぶやき9月号

【いつのまにかできていること、意識しないとできないこと】

みなさんこんにちは。今年の2月から入った梨奈です。私は日ごろ足元にあるものによくつまずきます。コンテナだったり量りだったり、紐なんて必ずといっていいほど。足元を見ていないからなのか?畑では、「くろまるくん」によくつまずきます。(防草シートやマルチ等を止めるピン。黒い丸いゴムにU字型のピンが刺さっている)人それぞれ苦手なことってあります・・・汗。だけど、今まで苦手だったことやできなかったことが、いつのまにかできるようになっていることってないですか??私の場合、例えばトマトの芽かき作業。
二年前。農業研修先で初めて見たトマトの苗。芽かきとは主枝と葉の間のわき芽を切っていくわけですが、農業経験初心者の私にとってはどれがわき芽かまったくわからない・・・。葉と花とわき芽の区別がつかないのです。初めてでも難なくできている人を見ると、自分は特別苦手な様。
わき芽を何とか見つけ、おぼつかない手つきで取り掛かるも、なんとトマトの主枝を間違えて切ってしまう始末・・・。しかも三本。しかも切ったことにも気づかない。普段は温厚な農場主にひどく叱られ、自分はとんでもないことをしてしまったんだと深く反省。それ以来、トマトの樹に触れるのも緊張してしまう程でした。
今年の夏・・・私にとっては三度目の芽かき。(のらくら農場に来ては初めて)まずは、レクチャーをしてもらう。「これ位のスピードでやる」と今まで見たこともない猛撃スピードでバンバンわき芽を落としていく萩原代表。代表のアドバイスでは、切るわき芽にはさみを入れたら、目はもう次に切るわき芽に持っていくとのこと。手を早くというより、目を次へ次へと早く持っていく。なるほど。でもさすがにそのスピードは・・・。と思いながらも挑戦。
・・・見える。前よりも見えるのです。これが「わきめ」というのがちゃんとわかる。代表のスピードにはさすがに追いつけないけど、以前に比べると格段に進む。目が次のわき芽を瞬時にキャッチできる。いくら見ようとしても見えなかったわき芽。二年間作物と接することで目が身体が慣れたのか。自然とできるようになっていた。
芽かきだけでなく他の作業もそう。初年度は手間取っていた収穫も翌年やると、不思議と身体が動くのです。もちろんまだまだ未熟ですが、一昨年、去年に比べたら今年できるようになったことっていっぱいあります。それを特別練習したからとかではなく、自然と目が手が動くようになる。どの作業もつながっている。だから毎日の作業って大切なんだと思います。その時はいくらやっても見えないし上手くいかない。でも、投げやりにしたり目を背けなければ、いつかは自然とできるようになることって結構あるのだと思います。
きっと来年は黒丸くんを自然とよけながらスラスラ歩けるはず!(笑)
といっても、今現在できていないことは山積みです。収穫や野菜の小分けなどの基本作業まだまだ遅いし、自分の担当の仕事もまだまだまだできていない。自然と・・・ではなく、意識して日々少しずつでもできるようにしていく作業はやはり大事。それを後押ししてくれるのはやっぱり気持ちが大きいです。私はまだまだ"やらなきゃ"が多い。"やりたい"って思えることをもっと増やしたい。この作業の次にあれがやりたいって思うとその作業は格段に早くなると思います。頭の中を次にやりたいことでいっぱいにできたら。
のらくらのスタッフは仕事への前のめり感がすごい。7月に入った大高君(愛称トミー)。農業経験なしをものともしない積極性。「これは自分の仕事」っていう気持ちをいつも持っている、と感じさせる。周りから見習うこといっぱいです。そう思わせてくれる環境って貴重で大事にしなければと思う今日この頃。忙しさはまだまだ続きますが、秋も楽しく頑張っていこうと思います!

【しぶとさ】
豪雨による北海道の被害は大変なものでしたね。自然災害は仕方ないとはいえ、じゃがいもやタマネギのような1年に1回しか収穫できないような野菜は、1年分の売り上げがとんでしまうのでかなりきついです。ここは白菜の産地ですが、市場が大暴落して赤字になる年もあり、一年分の苦労を思うといたたまれなくなります。そんな時も、地元の先輩農家さんは前向きです。「まあ仕方ねえべ、また来年頑張るさ」とサラリとおっしゃる言葉に、頭が下がります。いったん受け止め、次を考える。先輩農家さんを見習って、いい意味でしぶとい農家でありたいと思います。(幸代)


畑のつぶやき8月号

【農業に腰痛はつきものだ!】

いやいや、まさか!それは私には無関係のことだ。なぜなら、私はスポーツ少年だった。運動神経バツグン?だし、のらくら農場で肉体改造もした。身体は小さくても、でかい奴に運動量で勝ってきた私が、仕事で腰痛になんかなるもんか!・・・そう思っていたのが1年前のことです。今年31歳。若さ溢れるスタッフの中で最年長という肩書きをいただいております。認めたくはないですが、晴れて腰痛持ちとなりました。先日はスナップエンドウ収穫中に動けなくなり、ナガイモの草取りでは軽くギクッとなりました。原因はわかっています。無茶な身体の使い方で、ダメージを蓄積した結果です。代表例が去年のじゃがいも収穫。中腰のまま20kg弱あるカゴを小刻みに運びながら掘り進んでいました。
私は農業の過酷さをアピールしたいわけではないのです。あたりまえのことですが、どこまでも身体を酷使できるものではありません。力をぬいてはいけませんが、力任せは長続きしないことがわかったのです。同じパフォーマンスのまま、もっと楽にできるやり方があるはずなのです。
上を見れば、日々怪物のように畑で舞う萩原45歳。毎日3人の子供の送り迎え、食事やお弁当作り、事務、出荷業務、こまかな気配りをしながら、ツボも入ったら笑うことをやめない幸代43歳。20年近く農業を営む2人から学ぶべきことが沢山あるようです。
人は自信がある方に偏ってしまいがちなのだと思います。これが私にとっての運動能力。体力に自信がない人は工夫をして、負担をかけないやり方を見つけていきます。だから私がこれからやっていこうと思うのは、自分と反対側の「いいところ」を取り入れていくこと。そのためにまず「己を知る」こと。
「Aの側にある人はBの側を意識することが重要」。のらくら農場キーワードの一つです。仕事が丁寧でも時間がかかってしまう人は多少大雑把でも猛スピードでやってしまう人のいいところを意識する。逆に、大雑把な人は丁寧な人のいいところを意識する。常に自分と反対側を意識することが必要だということです。
私がこのように思えたのも腰痛がきっかけで己を知れたからじゃないでしょうか。・・・って私の腰痛はただ単に20代ではない31歳だから?違うッスよね?まだ若いッスよね(泣)。ねっ?<タツ>

【ズッキーニ】

 ズッキーニは収穫担当が付きます。収穫量の推移や日々の変化を感じ取るにはどうしても専任担当が必要です。今年はマッキーこと小林正明君23歳。新人ですが飲み込みが早く、ズッキーニに関しては彼が指揮を取っています。
ズッキーニは実の成長が早く、朝晩の2回収穫しなければ大きくなりすぎてしまいます。家畜を飼っているようだと言われるくらい、目が離せなくなります。茎に細かいトゲがあるので傷つけずに収穫するのはなかなか骨が折れます。葉の角度をみて主食である窒素成分があるかを診断します。ズッキーニは風に弱く、茎が折れやすい作物です。台風が来ると不安で眠れなくなりますが、風をしなやかにかわすのに必要なのがホウ素というミネラルです。細胞と細胞の接着剤のような役割で、茎のしなやかさを作ります。フルーチェは牛乳に混ぜて作りますが、これにホウ素が入っています。牛乳がプルンとしますね。人の骨の原料はカルシウムですが、骨の密度を決めるのはホウ素です。フルーチェもズッキーニも人の骨も同じように作用するようです。
 ほかの野菜でも、ミニトマト担当、きゅうり担当、育苗担当、などなどあります。みな責任をもって一生懸命やっています。大切なのは「日々の観察の連続性」です。現状を確認するのはもちろんですが、各担当は温度や雨、日照を頭に入れて、「来週バカどれしそうだな。」とか「週後半に3割くらい減ってきそうだ。」と先を読んでいきます。代表の僕が毎日全圃場を観察することは不可能なので、各担当に様子を聞きます。従業員さんをよく「人手」と言いますが、うちでは必要なのは「手」と「目」と「考える脳」です。これをつなぎ合わせるミーティングがとても重要になります。変化を全員の目で観察していきます。(紀行)

【隣の晩ごはん】

「ちいさな畑セット」は季節やサイズによって7~14種類の野菜が入ります。その中に入っている《ぷらすレシピ》が好評です。月に1度、「隣の晩ごはん」と称して、みんなからオススメめにゅーをリポートしています。男性スタッフもけっこう凝った料理を作っていて、時々自作の料理を持ってきてくれます。みんなの発表から「おおー!それは美味しそう!」という声があがります。同じ野菜でもいろんな食べ方があることに気がつきます。そして、日々作れるくらい手がかからないレシピです。同じ野菜が続いても飽きないようなレシピを今後もご紹介していけたらと思います。みなさんからのオススメれしぴもお待ちしております! (幸代)


畑のつぶやき7月号

【作業計画と人材配置】

パン好き圃場管理担当のひでです。圃場の管理として、作業計画の立案から現場での指揮とりをやらせて貰っています。
作業計画の検討材料として、一つめが天気。晴れているうちに畑仕事を行い、雨の日はトマトの芽かきや苗の種まきなどハウスでの作業、また「草刈機」での草刈や加工品の準備などを行っています。雨の日は雨の日でかなりの作業があります。
二つめは、1日の作業を詰められるだけ詰め込むこと。うちは多品種農家であるためやるべきことがたくさんあります。作業時間や作業効率、タイミングを検討し1日の流れを決めます。基本的に無茶が多いのですが、決して無理はしません。「無理はするな、しかし無茶はしろ」というのが学生のときに教わったことで、無理なことと無茶なことの見極めを行っています。人に指示するときも、人それぞれの伸びしろを推測して作業を振っていたりしています。
三つめは、人によって好きな作業・得意な作業の相違があるので、そこを見極めての人材配置。ちなみに、僕が好きな作業は定植前のハウス全体の土にホースで水をドボドボかけて湿らす作業(水ドボ)です。この作業、水が土にドボドボ吸い込まれていくのを見るのが好きなのですが、半日がかりの単純作業のためか、皆さんお好きではないようです。体力は全く使わないため、僕ばかりがやるのもいかがなものかと思い、ある日、僕が「管理機」での耕耘、同僚のたつさんに水ドボをお願いしたことがありました。管理機というのは、手押しの小さな耕運機のような機械で、畝をたてたり、苗と苗の間の雑草を抑えるために使います。重い一輪車で畑を何往復もするような作業で、かなり体力を消耗します。後日、スタッフ皆で好きな作業は何かと言う話題で明らかになったのですが、たつさんは「管理機」作業が好きだという事......いやはや難しい。気を遣うっていうのは自分本位じゃいけないことのひとつですよね。
まあ、そこまで考えなくても良いのだろうけれど、圃場の管理を任されている責任を全うすべく、僕にできうる限りのことはしていきます。また、3年目のスタッフとしての立ち位置を考慮しつつ今年も頑張りたいと思います。

【普通のそばにある宝】

特殊な作物を作るのもいいのですが、普通にある野菜の新しい価値を作りたい、そんな思いがあります。
今年からお付き合いさせていただくことになった流通業者さんから佐久穂町周辺の有機農業のメンバーに「こういう物を作って欲しい」とご依頼を頂きました。それは時期的に不足しているものが中心となります。流通業者さんであれば当然の依頼です。ところが・・・・。その時期のその作物を作ってもあまり味が乗らないだろうな、リスクも高くお互いにとって良い結果にならないだろうなと思いました。需要があってそれに見合うサービスをすることをマーケットインと言うそうです。僕はそれにどうしてもピンと来なくて、「この時期なら絶対この野菜のほうが美味しいです!」という強い思いがあって、相手の要望とかけ離れたご提案をさせていただきました。相手が求めてもいないものですが、こちらからどうしてもこの価値を感じて欲しいという思いです。供給側から提案することをプロダクトアウトというそうです。正にそれでした。
 その代表格が春菊。春菊は通常、鍋の季節しか売れません。だけど、6月や9月10月の春菊はとてつもなく美味しいのです。春菊は冬というイメージは、冷蔵輸送が発達しなかった頃の名残なのです。春菊は実は極度の寒さに弱い野菜です。鍋が恋しくなる時期の春菊は暖かい地方で作るか、関東でも霜よけの対策をがっちりやった上でしか収穫できません。佐久穂町では10月いっぱいが限界。
 収穫祭のとき畑でつまんで一番感動して下さるのが実は春菊。抗酸化力もある実力派のこの野菜の価値がもっと知れ渡っていいはずだと思っております。春菊は栽培方法を研究すれば生で食べても実に美味しい野菜です。サラダ春菊の品種がありますが、確かに生で食べられますが、味がない!そうではなくて、春菊独特の香り爽やかなほろ苦さを維持しつつ、えぐみのない、甘味すら感じる春菊。これを作ってみたかったのです。僕が有機の仲間に熱く語ったところ、春菊部会をつくろうという動きになりました。一応代表は僕となりました。この会は、手の内を見せ合う会にしたいと思っています。会では僕が最古参なので、肥料設計などすべてメンバーに公開します。隠すのではなくオープンにして数年で会の実力を引き上げたいと思います。
 肥料設計を考えまくりました。6月の春菊を糖度と硝酸値の検査に出したところ、春菊は糖度8!通常有機栽培でも4らしいです。体に負担でえぐみのもとである硝酸値。一般野菜では6月は5000くらいだそうですが、10分の1の500というかなり驚く低さでした。そしてこれはまだまだ改善できる可能性を実感しています。スタッフのリナさんが、僕が与えたミッション「春菊レシピ100個作る」を着々と進めてくれています。いずれ皆様にご紹介します。食欲そそるレシピです。しかしこの栽培をするにはとてつもなくコストがかかります。それに見合った経営ができるか、勝負どころです。(紀行)


畑のつぶやき6月号

【本気にさせてくれる場所】

 多くの方がはじめましてだと思いますので、まずは、はじめまして。4月からのらくら農場で働かせていただいております。マッキーこと、小林正明です。僕よりのらくら農場と付き合いの長いみな様の方がのらくら農場の事をよく知っているかもしれませんが、自己紹介もかねて、のらくら農場で何がしたいのかと、それと関係して、僕から農場はどう見えているのかをお話しさせてください。
のらくら農場で僕がやりたい事は、本気になって仕事に打ち込む事です。人は本気を出している時、とてもワクワクした気持ち、充実した気持ちで楽しく進んでいく事ができます。小学生の時から徐々に感じる事がすくなくなっていったあの感覚をのらくら農場の力を借りてもう一度感じていこうと思っています。本気になる事においてのらくら農場は絶好の場所です。それは次にあげる理由などから、ここは本気にならないとやっていけない場所であり、自然と本気にさせてくれる場所だと思うからです。
理由の1つ目はなんといっても忙しい(笑) 有機農業、多品目、中山間地。根本的に忙しいです。やる事がない、なんてことはなく、休みの時でも「やってしまいたい仕事」がそこにはあります。
2つ目は仕事内容にどうしても自己努力が求められる。これは仕事なら当たり前かもしれませんが、ただマニュアルを覚える程度のものとは訳が違います。先にあげた有機農業、多品目、中山間地などの条件により作業内容や段取りの流れ、植物生理など、日々あびる情報量はかなり多いと思います。そしてどんどん仕事を任せてもらえるので、情報を自分の中でまとめて使えるようにする事や自分で考えて改善していく事など個人のやる気に寄る部分が非常に大きいです。
3つ目はのらくら農場に関わる人や沢山の歴史が僕にとって魅力的な事です。本気になる事が習慣化された人はきっかけがなくても何事にも最初から本気で取り組めるでしょう、ですがこれからという僕のようなものには、そのきっかけとして誰かの為にというのはすごく入りやすい条件です。のらくら 農場のメンバーは喜びを分かち合いたいと思わせてくれる人たちであり、農場の栽培方法は消費者の方の健康に真に寄与していると思わせてくれる方法です。そこから自然と、農場メンバーと喜びを分かち合うシーンや消費者の方が健康で活き活きと活躍するというアイディアが思い浮かんできて本気になることができます。 これをきっかけにして要領をつかめば本気になることも習慣化されてくると思います。
この前は諦めかけられていた春菊の除草を、休みの日に勝手に急ぎの部分だけ終わらせました。こういう行動を、変に気を遣わずに喜んでくれる農場の空気がすごく居心地がいいです。最近は朝1時間くらい早く仕事を開始しているタツさんに影響されて、朝早くきてコンスタントに勝手に作業するのが目標です (笑)
人は本気になったら言い訳なく力強く生きていけると思います。そして、そうやって今を全力で生きていたら、周りの人に元気を与えたり、楽しませたりする影響力も勝手についてくるんだろうなぁと思います。
 皆様のところに届く野菜をつくるメンバーに新しく加わらせていただきました。まず本気で、しかも楽しみながら、さらに出来るだけ爽やかに、皆様の嬉しい、楽しいという感情を考えて、のらくら農場の仕事に向き合っていきます。これからどうぞよろしくお願い致します。

【光合成】

 理工学部教授の田中修先生の「現代科学は、一枚の葉っぱに及ばない」という題名に惹かれて読んだ文章が面白かった。1枚の葉っぱが作る「光合成」。小学校で習う当たり前の知識と思っていましたが、その仕組みは、まだまだ解明されていない部分が多いそうです。皆さんもご存知のとおり、植物は、おひさまの光を受けると、空気中の二酸化炭素と根から吸い上げた水を利用して、酸素と植物に必要な栄養分を作っています。植物が二酸化炭素を吸って、酸素を吐き出してくれるから、私たち人や動物も生きていくことができます。
調べてみると、人口光合成が実用化に近づいているというニュースがありました。それは、水と二酸化炭素を太陽の光で分解して一酸化炭素を作るところまで。太陽光エネルギーを燃料エネルギーに変換する効率は1.5%で藻類と同じくらい。藻は、植物の中で最も高効率に光合成を行っているという事実にもびっくりしました。しかし、植物は、さらにそこからでんぷんや糖という栄養分を作りだしている。それについては、現代の科学をもってしても、未だに種も仕掛けもわからないことだそうで、これができたらノーベル賞というくらい、ものすごいことらしい。
春になると、いろんな花が咲くのは、夏の暑さを種でしのごうとするからだそうです。トマトやナスやピーマンなども実になって、その中で種が育っています。花や実ってとっても鮮やかな色をしていますよね。それは強い紫外線から種を守るためなんだそうです。余分な太陽の光は植物にとっても活性酸素の毒になり、細胞を劣化させてしまうそうです。なので、花や実には、それを消す作用持っているビタミンC・E・色素が豊富に含まれている。植物も紫外線と戦っていることにとても驚きました。その恩恵を私たちは受けていて、あの鮮やかな色があるからこそ、夏野菜は真夏の暑さの中でも元気に生きていけるんですね。
知っているようで知らなかった植物の面白さ。またワクワクした気持ちで畑に行けそうです。(幸代)

畑のつぶやき5月号

【お待たせいたしました!今年度もどうぞよろしくお願い申し上げます!】

玉ねぎ好調です。昨年の8月に種を蒔き、冬を元気に越しました。一部べと病という超厄介な病気が出て焦りましたが、お酢と良質な菌の葉面散布でケアして、広がらずに済みました。玉ねぎに使った肥料をご紹介します。のらくら農場で使っている、多種の肥料には、それぞれに重要な意味があります。
 堆肥・・・・放線菌というとても良い菌がたくさんいる良質の堆肥です。  
カキ殻・・・・・遠赤外線で焼いてくだいた良質の石灰肥料です。玉ねぎは中性が好きなので土の酸度矯正と野菜のカルシウム分として施します。  
 鉄・・・・・血をつくります。玉ねぎの根を作ります。
マンガン・・・・・愛情のミネラル。人に愛情を持てるのを左右します。玉ねぎにとっては光合成を盛んにします。
ホウシャ・・・・ホウ素。骨の密度を決定します。玉ねぎにとっては締りの良いものをつくります。
銅・・・・・血管を柔軟にします。くも膜下出血などを防ぎます。玉ねぎの細胞の表面を固め、病気の侵入を防ぎます。
亜鉛・・・・男性の精子の数を左右します。佐々木家はまた子どもが増えると思います。欠乏すると味覚障害に。玉ねぎの細胞分裂をスムーズにします。
マグネシウム・・・・うつ病予防。葉緑素の基本元素。光合成にとって最も重要なものです。
これだけの種類を適正量まくのは手がかかり、神経も使う作業ですが、野菜の健康と召し上がっていただく皆様の健康を考えて肥料設計しています。(紀行)

【新スタッフ自己紹介】

みなさん、はじめまして!今年の2月から入ったスタッフ新入りの梨奈です。私は広島出身ですが、旅の途中、長野県に出会いこの大自然に惚れて、気がつけば長野から離れられなくなっていました。長野はなんと言っても山々が美しい!昨年、長野市で農業研修をしている際、のらくら農場と出会いました。「いい仕事しよう」を合言葉に、日々全力で仕事に取り組む姿勢に胸
打たれ「私ものらくらの一員として、プロとしていい仕事がしたい!」と感じ切願。実際に働き始めて3ヶ月。今は自分の未熟さを痛感する日々です。まだまだ出来ることはわずかですが、今はとにかく目の前のことを一つひとつやっていこうと思います。どうぞ宜しくお願いします!

【木の性格】

我が家の重要な冬仕事といえば、薪割りがあります。ここ数年、ありがたいことに冬でも仕事がたくさんあり、薪割りが真冬にできず、出荷や確定申告が終わってからの私の仕事になりつつあります。遅れに遅れた今年は、ゴールデンウイークも、子どもたちに手伝ってもらいました。中学生の次男は、薪割りの気持ちよさに目覚めてくれて、パカーン!と木を割るいい音を響かせています。
マイナス20℃になる真冬の寒さに、薪ストーブの暖かさは欠かせないものになっています。木の種類によって、薪にしたときの火のつきやすさ、長く火がついているもの、すぐに燃え尽きてしまうもの、火力の強さなどいろいろ違います。松は、油分が多いので、火がつきやすく、温度も急激にあがります。でもその分、すぐに燃え尽きてしまいます。松ヤニが煙突の内部についてしまうのも良くないので、あまり多くは使えません。そして松はまっすぐではなく、クネクネと曲がって生えていますよね。だから割る時にはとても苦労します。一番火が長くもつのが、ナラの木(どんぐりの木)です。木目が詰まっていて、とても重いんです。だから、一度火が付けば、長く燃えているんですね。薪を割る時は、節(枝があった部分)を避け、年輪の中央から放射状に刃を入れていきます。
チェーンソーを使っていて、最近発見したことは、耳栓をすると疲れが激減すること!そろそろ耳をいたわってあげようと耳栓をしてみたんですが、びっくりするくらい疲労度が違う!チェーンソーの大音量が知らぬうちに恐怖を与えていることもわかりました。チェーンソーのコツは、とにかくまっすぐに刃を入れること。丸太の中心まで切ったら、木を回して残りの半分を切っていきます。刃が曲がって入ってしまうと、最初に切った部分と最後に切る部分がすれ違ってしまって、切り離すのに苦労し、断面図もガタガタになります。まっすぐ切れた丸太の切り口はとてもキレイで、木の種類によって、色々な表情を見せてくれます。年輪の模様がしっかり入っているもの、年輪が薄く全体的に白っぽいもの、桜の花のような年輪、まるで木のお皿に黄色いホットケーや焦げたホットケーキをのせたような模様もあります。切っている途中、おがくずがたくさんでるので、だんだん足元がふかふかしてきて、まるでカブトムシになった気分です。木の香りは、背筋がシャキっとするような神聖な気分になります。今年は直径50センチの丸太も切ることができました。いろんな木の性格を読み解きながら木と向き合う仕事は、気持ちを落ち着けて集中することができる、けっこう楽しい作業です。(幸代)


畑のつぶやき 2月号

【キーワード】

 お久しぶりです。スタッフのタツです。農場では「タツさん」と呼ばれています。今まで呼ばれたことがなかったせいか初めは違和感がありました。そんな感覚ももうすっかり消え、約2年が経っちゃいました。今の時期は、出荷しながらレトルトスープの営業をガンガンやっています。そして、漬物やバーニャカウダー、ドライ玉ねぎ、お手軽干しゴボウなどの加工品作りが目白押しです。
レトルトスープを始める前から皆で共有していたことがあります。それは「事業において新しいことは、いずれ真似され普通になる。しかし、それを生み出した過程を経験することができる。新しいことが普通になっても、そのノウハウを活用してすぐ次の新しいことに向う力がつく」ということでした。リスクを考えながらも、その過程でついた「地力」を意識しながら進んできました。のらくら農場のキーワードの一部である「未知に慣れる」、「わからないんだけど、わからないまま進む力」を身に付けるため、新しいことを試す機会を増やしたい!と思っています。まだまだ突き詰めたい項目はありますし、そのための能力は未熟です。しかし、新しいことを試す機会を増やすために、「そもそも」をキーワードに努力していきたいと思います。そもそもこれは何のためにやるのか、そもそもこの1工程は必要なのかと問いただすところからやっていきたいと思います。
また、今シーズンは新人スタッフも増えます。これまで学んできた、たくさんある《のらくら農場キーワード》を伝えていく立場でもあります。僕はのらくら農場にかかわる人にはのらくら農場のいいところを得てほしいです。それは概念的なこともあり、受け手によって少しわかりにくかったり、曖昧な表現になってしまうような気もします。たとえその時「わからなくても、わからないままとっておく。」というのも、のらくら農場キーワードの1つです(笑)。

【スープの箱物語】

 玄米スープを手がけて2シーズン目に入っても、紆余曲折どころか七転八倒、のたうち回りの物語がありました。
レトルトパウチを容器に入れる作業がとんでもなく時間が掛かるので、レトルト業者さんの自動箱詰め機で入れてもらうことになりました。封筒型から箱型に一新し、箱詰め機に合わせたデザインをお願いしました。ところが、レトルト業者さんに指定された大手の印刷屋さん、うちのようなちっこい経営体だと直接取引ができないことが一か月前に判明! どっひゃー!
 近場で引き受けてくれる印刷屋さんを片っ端から探して、出会えたのが小諸市の菊池印刷紙器さん。社長さんに事情を話したらすっ飛んできてくださって、すぐにレトルト工場に出向いて自動箱詰め機を精査。「萩原さん、この機械は非常にデリケートだから、難しい。機械詰めに失敗したら箱が全て無駄になってしまいます。手入れでいったほうがいい。」とアドバイスいただきました。しかし、あの量を自分たちで手入れとなると、とてもじゃないがやりきれない。菊池さんが僕らのコンセプトを理解して下さった上で、助言してくれました。「こういう信念でやられているのなら、福祉作業所さんにお願いしてみたらどうだろう。」そうか!自分たちだけで解決しようとするからいけないのだ。力を貸して下さる人を探そう!働きたいけどパートに出るなどは無理。でも家でできるちょっとした仕事はしてみたい、というお母さんたち数人にお願いしました。町の福祉作業所「ひだまりの家」さんも、快く引き受けてくださいました。賃金をどうしようか悩みました。自動箱詰め機と同じ価格では賃金としては安いのです。内職って時給に換算すると200円とか300円とかがザラです。そういうのは嫌でした。どうせお願いするなら「またやらせて」と言ってもらえる価格にしよう。こうして、なんとか箱詰め作業の形を作ることができました。年賀状で、この福祉施設に息子さんが通っているお母さんから「ありがとうございます」と年賀状をいただいてしまいました。助けていただいているのはこちらの方なので恐縮です。本当にささやかですが、結果的にはちょっとだけ町の中で仕事を作れたのかもしれません。しかし、あきらめないで良かった!
 今回身にしみたのは、「仕事って誰とやるか」ですね。窮地を救ってくださった菊池印刷紙器さんはじめ、箱詰めに関わってくださった方々、手入れ用にデザインを短時間で修正してくださったデザイナーの江村さん。諦めなかったスタッフ全員。心から感謝しています。
 箱詰め作業は一個あたりの賃金です。7歳の娘が休日にお小遣い稼ぎで頑張っています。お金が稼げるとなると、すごいエネルギーで400個くらいあっという間に作ってしまいます。娘はまだお金の価値がよくわかっていなくて、コインのコレクションのような感覚とお金の感覚とが入り混じっているようです。そして、お金を数えるとき、「ヒッヒッヒ。」という不気味な声を上げています。それもまた良し!(紀行)

畑のつぶやき 1月号

【とりあえずどうしよっかな】

 昨年、長年農場を支えてくれた農場長三原さんがお母様の介護で退職。東京に戻られました。ソウコウさんが山形のブドウ農家に研修に行きたいとのことで1月いっぱいで退職が決定。うちの場合、スタッフは、最低3年はいてくれる人のみ採用しています。2年未満でしたが、本人がそうしたいというのなら仕方ありません。次で頑張れ!さあ、気を取り直して新しい形を作ります。2月から荒瀬里奈さんが入ってきます。初の女性正規スタッフです。長野県の北部「まごころふれあい農園」さんで研修生として修業していました。今までスタッフ募集に来た人の中には、うちで取り入れている土壌分析など科学的な「知的農業」の部分を評価してくれる人が何人かいたのですが、それは農業のほんの一部でしかありません。出荷作業を丁寧に素早くこなす。肥料を均一に散布する。毎日の苗の水管理を怠ることなくやり続けるなど、仕事のほとんどはとても地味でしかしどれも手を抜けない仕事です。僕は、いつもスタッフに「農業者として立派になるよりも、仕事人として一人前になることの方が重要」と説明してきました。この荒瀬さん、農場に来たとき、出荷の細やかなオペレーションなど地味な裏方の部分に質問が集中していて、そこが「この人は仕事を極めようとしている」と感じたので採用!
 今口説いているのが、23歳の若い男子K君。一度農場に体験に来てくれたのですが、まあ、動ける!他の人の動きをみて自分のポジションを見極められる。これ教えていただいたのですが「仕事におけるGPS機能を持っている」ということなのだそうです。空間、時間の2軸において、今何をしなければならないのかを把握できる能力。メールのやり取りでもまずこちらの都合を聞く。「相手のことを考えて行動する」というのは、直接販売している当農場において、もっとも大切な資質です。
さらにもう一人入れようかと思っています。なぜなら・・・、僕が、現場が忙しすぎて経営者としての仕事をおろそかにし過ぎだからです。「この集まりには行っておかなければ。」と思うイベントにも、農作業が忙しすぎて行けていない!どれほどチャンスを失ってきたことか・・・。スタッフのみんなごめんよ。経営者業を全然していなくて。ネットに経営者診断というのがあって、「現場から離れられない」など、ほとんど失格の欄に当てはまりました。その通りでございますとしか言えませんでした(笑)。
 それと、休みが全然とれていない。今年45才になります。18年間、ろくに休みとらずに来てしまいました。週一日とれたら最高ですが、まあ半日を月数回取れるだけでも・・・。いや、半日を月2回でも・・・。この目標の達成が一番自信ないです。畑が視界に入ると自動的に畑に向かって行ってしまいます。最新の自動運転システムが搭載されているのでは?さてはだれか僕をサイボーグに改造したな!?と思うほどです。
今、最大の懸念が物流です。宅急便会社がどこも通販の増加でパンク状態です。宅急便を使っての発送はなくなることはないと思いますし、個人のお客さんは今後も続けられると思います。しかし、流通業者さんへの出荷は物流の流れをつかまないと難しい状況になってきました。ある程度農家が組んで量を確保し、物流の流れを作る必要性が出てきました。そういう背景もあり、農家が出資してJOAAという会社が出来ました。BLOF理論という栽培技術を駆使して研究・栽培する団体です。僕も出資し、一応僕が長野県の副代表ということになりました。これからはものの流れをデザインしていくことも大切な要素です。品目を絞っての出荷となりますが、初挑戦します。
大きく栽培する品目は「春菊」を考えています。今パクチーがブームですが、日本には春菊があるじゃないか!思うのです。春菊が冬の野菜というのは、冷蔵技術が発達していない時期の名残です。<春の菊>と書くくらいですから初夏も美味しい野菜です。BLOF理論を駆使して作った春菊は、生で食べてもバツグンに美味しい。抗酸化力もふんだんにあり、もっと評価されてもいいはずの野菜だと思っていました。春菊を生で食べる文化が広がってもいいと思っています。栽培の研究をしまくって、日本有数の有機春菊の生産者集団を作り上げたいと思います。
僕の友人の茨城県の農家久松さんが言っているのですが、「最初に目的地があるわけではなくて、一緒にバスに乗ってくれたメンバーの顔を見て行き先を決める。」というのはとても頷けます。新たに加わってくれるスタッフや一緒にやる仲間の顔を見て「こっち行ってみよっか。」と考えてみたいと思います。(紀行)

【今年もどうぞよろしくお願いいたします!】

毎年町で行っている集団健診を受けています。その結果を保健師さんが教えてくださるのですが、二人とも血液サラサラで、善玉コレステロールが徐々に増えており、私は女性としては赤血球も多めで貧血も大丈夫とのことでした。とはいえ、風邪が思いがけず長引いたり、寝不足がかなりしんどくなっているのも確かです。今年は、有機農業の新しい動きに加わり、どんな一年になるのか不安でもありますが、たくさんの笑顔を作れる年にしたいと思います。(幸代)

畑のつぶやき 12月号

【仕込み】

レトルトスープ第三弾「にんじんと玄米のスープ」が完成しました。シェフからも絶賛され「お店で出してもいいよね」とのありがたいお言葉もいただきました。ありがとうございます! レトルトスープを始めるにあたり、代表とスープ担当のスタッフ佐々木が加工工場に実際見学に行きました。その説明で初めて知ったことは、市販の加工品が一定の味を出せる理由です。保存性を上げるための添加物もありますが、味を一定にするための添加物でもあるそうです。製造工程のラインで、糖度やデンプンをその都度検査して、数値に満たない分をアミノ酸・甘味料・酸味料などの添加物を加えているそうです。ロットごとに添加物の量も増減するわけですね。厳密な検査でいつでも一定の味を作り出しているそうです。その需要や必要性があるのもよくわかります。
私達の販売するレトルトスープは添加物を入れないので、原材料の味がとても重要になります。ジャガイモやカボチャは、収穫してすぐはあっさりした味なので、秋以降、糖度が上がってから仕込みます。冬に仕込む2回目のロットは、さらに保存中に微妙に糖度があがっていることでしょう。そう考えると、私達のレトルトスープは、毎年微妙に味に変化のある「お酒造り」と似ているのかもしれません。菌を上手く使って美味しいお酒ができるように、私達もまた土の中の菌をどう活かすかというところから仕込みが始まっている・・・ちょっと大げさになってきましたかね。(^^; とにもかくにも野菜の味がダイレクトに出るスープなので、毎年美味しい野菜を作ろうとする情熱や挑戦にますます火がつきそうです。(^-^) 食卓で今年は野菜がどんな風に育ってきたのか、想像しながら味わっていただければ幸いです。(幸代)

【4ヶ月の研修を終えて】

東京都品川にある日本農業経営大学校に通っている加藤瞳です。カリキュラムのなかで7~10月の4ヶ月間、のらくら農場で研修させていただきました。11月からは東京に戻り、再び授業が始まりました。仲間と久々に顔を合わせ、お互い研修先で学んだことを話し合ったり、様々な人との交流もあり、充実した日々を送っています。 研修先を決める際、有機農業に詳しい先生に「一番のおすすめは?」という質問をしたところ、のらくら農場を紹介していただきました。研修前、初めて農場へ見学に行った際、メカニズムの話を楽しそうに語っていただいて、難しそうだなと思う以上に、面白そう!と研修が楽しみで仕方ありませんでした。研修開始後も、私の苦手な化学式が出てくるような話でも、分かりやすく、もっと学びたい!と思わせてくれました。萩原さんの話を聴いていなかったら、難しい農業理論の本に興味を持っていても、3ページで挫折していただろうと思います。
萩原さんの話は本当に面白くて、どんな内容の話でも惹き込まれてしまいました。何よりも、思考的な話が大好きでした。前回の畑のつぶやきにあった「天空の城ラピュタのパズー」の話を聞いたとき、ラピュタをそんな視点で見て敗北感を感じているなんて、そんなところでも学びを得ているのか、かなわないなーと思わされました。技術面でも考え方の面でもたくさんの学びをいただきました。
すごく嬉しかったことが、忙しくて急いでいても質問に真剣に答えてくれたこと、短期研修でいつ就農するかもわからない私に機械まで教えてくれたことです。スタッフの方々もみんな優しくて丁寧に指導してくれました。そんな雰囲気ののらくら農場が研修先で本当に良かったなと思っています。4ヵ月間ありがとうございました!!

【エレガンスな会話のひと時】

冬になり、早朝は野菜が凍って収穫ができません。そんな冬でもお弁当作りや家事で、毎朝戦争のように忙しい妻に代わって、子どもを送るのを僕がするようになりました。小一の娘とは、バス停まで10分くらい一緒に歩きます。学校ではとてもおとなしい娘も、この時間はよく話してくれます。歩きながらのエレガンスな格調高い会話のひと時が楽しみです。
ある日の会話です。「ねえ、お父さんが小さい頃、カモを手で捕まえたことある?」(家の前の佐口湖にはいつも鴨が泳いでいるのです)「お父さんが育った千葉は鴨があまりいなかったから捕まえたことがないんだよ。」「そうなんだ。カモは水に浮かんでいるから、手が届かないしね。みーちゃんはこの前、もう少しでハトを手で捕まえられそうだったんだよ。こっぷぽーん(ポップコーンがまだ言えない)でおびき寄せて。」「それは惜しかったね。」「ハトって食べられる?」「お父さんは食べたことないんだよ。でもきっと美味しいと思うけど。」「みーちゃんは、ハトを手で捕まえられる大人になりたいな。」「それは素敵な大人だね。」「そうだよね。」「そうに決まってるよ。」 朝からエレガンスな格調高い会話でした。(紀行)

畑のつぶやき 11月号

【収穫祭無事終了!ありがとうございました!】

 まず最初に、にんじん畑へ移動。さつまいも掘りやジャガイモ掘りは経験したことがあるけど、にんじんは初めてという方が多かったようです。土から現れたにんじんは、ぶわっと香りが舞います。これは掘った人にしかわからない鮮烈な香りです。
 一度やってみたかった「畑でバーニャカウダー」。カップに入れたソースを持ちつつ、色とりどりの菜っ葉がある畑に移動しました。畑で生きている小松菜、春菊、ラデッシュ、水菜などなどをちぎってその場で召し上がっていただきました。ちょっとピリっとしたレッドマスタードを小学生がもりもり食べる姿は圧巻。僕が畑でちぎって食べる野菜で一番おいしいと思うのが春菊。これにはみなさん驚いて、「なにこれ!全然違う・・・」と感嘆の声を上げて下さりました。苺や、りんごなどのように「甘さ」がない菜園での摘み取り企画でしたが、予想以上に皆様感動して下さり、安心しました。(紀行)
料理の主役は炭火。今年も、もぎ豆腐店さんからは絶品の「三之助とうふ」やのらくら農場のかぼちゃが入った「かぼちゃがんも」をいただきました。がんもは炭火で焼いて、3種類の大根おろしも用意しました。ビタミン大根の緑、紫大根の紫、紅くるり大根の赤は見てるだけでも楽しめます。
 メインは、ダッチオーブンでの手作りピザ。生地は、大のピザ好きスタッフ荒井が作りました。小松菜やじゃがいもを入れた生地も作ってくれて、当日は、子どもたちにピザ生地を伸ばす作業を少し手伝ってもらいました。これがとても楽しかったようで、丸い生地をいつまでも持ち歩いている子もいました。(^-^) ソースは、夏に作ったトマトのピューレとシソの葉のジェノベーゼを冷凍しておいたものを使いました。炭火では、野菜のホイル包みもやりました。好評だったのが、小玉ねぎ。皮つきのまま、半分に切って少しバターをのせてからホイルで包みました。
 炭火焼きでは小学生のG君が大活躍!焼きあがったものを持ってきて「ピザどうですか~?」と次から次へとテキパキ配っていく様は颯爽としてカッコイイ!。ご家族の方に後でうかがった話では、「楽しそうに積極的に働く姿は、日頃の生活からは想像できないこと」と驚いていらっしゃいました。
 その他にも歓喜があがったのが「ポップコーン」。今年は久しぶりにポップコーンを栽培したので、収穫祭でもお披露目しました。枯れたような皮の中から、ピカピカ黄金色に光るポップコーンが現れます。ポンポンはじけるそばからなくなっていきました。
お腹がいっぱいになったあとは、本物のかぼちゃを使ったジャックオーランタン作り。夜になってとても寒かったのですが、子どもたちの目はキラキラ光っていて、固いかぼちゃ相手に四苦八苦しながらも、ステキなランタンが次々と完成しました。自分のつくりたい形・理想に近づけようとする姿はとても一生懸命で、純粋な気持ちに触れてこちらも感動しました。ある女の子は、お母さんを驚かせたくて、全部出来上がって点灯するまで見せたくないので、お母さんが様子を見に来ようとすると、「まだダメ~!!」と大きな声で呼びかけいました。(^-^)ランタンが完成した後に、初めて参加した子から「来年もぜっったいに来たい~♪」という大きな声が聞けたのがとても嬉しかったです。
 1年に1回、ここでしか会わないけど、子ども同士覚えていたり、すぐに打ち解けて子どもだけで遊んでいたりと・・・いつの間にかそんな場にもなっていて、私たちも嬉しい限りです。(幸代)

【もう一人の仲間たち】

スタッフの佐々木宗浩(そうこう)です。八ヶ岳と浅間山がよく見える、雄大で豊かな自然に囲まれたのらくら農場。そのような環境の中にあるのらくら農場で農作業をしているといろいろな発見があります。私が昨年初めて農場に来て驚いたのが、生態系が豊かなこと。様々な生き物が生息しています。特に目についたのがクモとハチ。彼らは基本的に益虫といわれていて、私たちから見て都合のわるい虫、つまり害虫を捕食してくれます。有機なのでどうしてもその害虫に野菜が食べられてしまうことがあります。しかし、なぜか少し食べられるだけで大きな被害が出ることはとても少ないのです。今年、スティックブロッコリーを収穫しているときに葉にいた青虫が肉食のカメムシに捕食されているのを目にしました。このようにして自然はバランスがとられているのだと改めて奥深さを感じました。クモも巣をはるクモと、巣をはらないクモがいて、巣をはらないクモは常に動いていて獲物を探しています。彼らのおかけで害虫の被害が少なくて済む、そう考えると彼らはもう一人の共に作業をしてくれる仲間、そんなふうににも思えます。有機ならではの醍醐味だと思います。この豊かな自然、生態系に支えられ、のらくら農場の野菜は今日もしっかり育っています。

畑のつぶやき 10月号

昨年新発売の野菜と玄米のレトルトスープ。「熟成かぼちゃと玄米のスープ」「濃厚じゃがいもと玄米のスープ」に加えて、今年は新しく「香り豊かなにんじんと玄米のスープ」が仲間入りしました。疲れた体に染みわたる無添加の美味しいスープです。かぼちゃとじゃがいもは10月下旬から、にんじんは12月上旬から発売開始します。玄米も入っているのでおなかも大満足。使われている野菜と玄米はのらくら農場産。冬にんじんは現在畑ですくすく育っています。忙しい朝にもオススメです!

【夏の3ヶ月間を終えて】

のらくら農場の取引先、自然食品店gaiaの平島と申します。夏の間こちらでお世話になるようになって早3年目となりました。3年目とは言え、久しぶりののらくらでの仕事、初日に着いた時は思わず心の中で、ただいま!と叫んでしまいました。
萩原さん、幸代さんはじめ、2年目となるスタッフ達や研修生、萩原さんの子供達、様々なエネルギーを持つ人達と過ごす日々はとても刺激的でした。雨が続いて久しぶりの太陽の暖かさや、真夏の炎天下の木陰の涼しさにこんなにも幸せを感じられるものか!と、これが改めて思い出した事なのか、新発見だったのか、わからない位アスファルトに囲まれた生活が染み付いてしまいましたが、やはり自然あふれる中での生活は私にとって魅力いっぱいです。
私は「丁寧に生きる」という事を心掛けています。食べる事は生きる事、丁寧に食べる、日々の忙しさに追われてしまうと、ついおろそかになりがちですが、台所でいざのらくら農場のエネルギーに満ちた野菜達を目の前にするとそれを意識せざるを得ません。そう考えると、農業とはとても尊い仕事なのだと思いました。gaiaでの仕事も丁寧に生きる事に直結した仕事だと思っています。冬の間私もエネルギーを蓄え、それを持ってまた来年の夏、戻ってこれればと思っています。ありがとうございました。

【「せめて」という言葉を持つ人】

 今回畑のつぶやきに寄稿してくださった、平島さんがこの文章を送ってくれたメールの中にこんなセリフがありました。「畑仕事ではいろいろと力不足で1人分の仕事は難しいのでその中でも私に出来る事を目ざとく見つけてやっていこうと心掛けていましたが、出来ていたのかどうか。」
 さすが、と思いました。「自分はできない」というところから仕事を考える事をしている人は、間違いなく素晴らしい仕事をします。力仕事で男性にかなわない分、毎日の苗の管理や出荷作業での細やかな気遣いは素晴らしいものがありました。
 スタッフのタツヤ君は、海外青年協力隊でアフリカのセネガルに2年間援助活動に行っていた強者です。彼は採用面接の時、こう言っていました。「セネガルでは何も出来ませんでした。自分自身がとても未熟で、役に立てませんでした。」このセリフを聞

いた瞬間、「はい、採用です!」と断言しました。彼も、「自分はわかっていない、できない」というところから考えを出発します。こういう人は謙虚に大切なことを学んで吸収するスポンジのような能力を持っていると確信したからです。
 これ、変な言い方なのですが「自己否定能力」と言えばいいのでしょうか。自分そのものを否定してしまってはまずいと思いますが、できない、わかっていないという謙虚さが生み出す成長はあると思うのです。自己否定能力がある人は行動に「せめて」という気持ちがついてまわります。自分に出来ることは少ないからせめて朝早く来る、せめて片付けをしておく、せめて素早く行動する・・・・。この小さな「せめて」をたくさん積み重ねる人が、気づくと、プロ中のプロになっていたりします。
 農場全体も彼らを見習って、「せめて」という言葉をたくさん積み重ねていければと思います。(代表 萩原)

【子育ての風景】

今年は、3人の子どもがそれぞれ新一年生という、おめでたいと同時に大変な年でもありました。長男は高校生に、次男は中学生に、長女は小学生になりました。
高校のお弁当が始まり、家族5人分の食事作り。今は、朝5合、夜5合と1日2回お米を炊いています。それでも長男は帰りがけに菓子パンやから揚げを食べてくることもあるようで、「今日のご飯なに?」とよく聞かれます。この場合の彼の真意は、(今日のご飯肉?肉あるよね?肉食べてー!魚はヤダな。肉だったらおやつ少なくしておこー)という意味です。一方、次男はとにかくご飯と納豆と味噌汁で文句を言わず、「何か食べたいものない?」と聞くと「おひたし」と答え、洋食があまり好きではなく、おやつもほとんど食べず、手巻き寿司をこよなく愛する中学生です。風邪ひとつひかない彼は、この食生活のおかげかも・・・。
自宅から最寄りの駅・小中学校まで7キロ弱あります。長男は帰りの電車が7時か8時になり、駅から自宅までの標高差が200メートルあるので途中まで迎えに行きます。3人それぞれ生活リズムが違うので、雨が降れば車で送ったりと田舎で子どもを育てるのもけっこう大変ではあります。
電車はローカルな2両編成。それも夜の電車は途中で1両に切り離されます。時刻表を見ると終日1時間に1本。通勤通学で朝はたくさんの人が利用するのですが、朝7時台で最大の2本、そのあとの8時台は1本もないというある意味すごい電車です。7時後半の電車に乗り遅れると、そのまま自転車で高校まで行くということを経験しているのは息子だけではないようです。いろいろなことを経験してみんな大きくなれー!(幸代)

畑のつぶやき 9月号

【回し読み】

うちは、新しい研修生、スタッフに「夏子の酒」全12巻を強制的に読ませる風習があります。僕はこの漫画で一巻につき2回、つまり計24回泣きます。これは!と思う漫画や本があったら回し読みしてもらいます。
取引先の自然食品店GAIAさんのスタッフ平島さんが3年連続、3ヶ月間助っ人に来てくれています。本が好きな彼女が休日前に毎回「萩原さん、何かいい本ありますか。」と聞いてくれるので、ここぞとばかりに本を紹介します。漫画では、「ちいさこべえ」。絵の世界観が素晴らしく、平凡な日常を描ける作家さんを僕はすごく尊敬するので。平凡を書けるといえば「漁港の肉子ちゃん」という小説。愛すべき人間が普通の生活を送る様の美しさを感じます。「大人はわかってあげない」も名作。2巻の表紙が竹林を自由に泳いでいる魚の不思議な絵。実はこの表紙の絵を見たとたん、本屋で体中に電撃が走って、立ちすくんでしまったのです。「竹林を魚が泳ぐという発想をもっていいんだ!」と。思考が一気に解放されました。続いて、僕がとても好きな哲学者、土屋賢二さん。「われ笑う、ゆえにわれあり」など多数。全て大笑いします。この人を表現するなら「究極の謙譲」。自分を下げて周りを上げるというのが芸として成り立っている。
 19歳の研修生ヒトミちゃんには分子生物学者の福岡伸一さん。名著「生物と無生物のあいだ」を貸してあげたかったのですが、誰かに貸してしまって行方知れず。代わりに「世界は分けてもわからない」を貸しました。科学の話ですが、物事をどう考えるかというヒントになります。農業を貪欲に吸収したい19歳にはうってつけ。
スタッフメンバーにも貸し出します。古い漫画ですが「オフィス北極星」。アメリカでのリスクマネジメントのお話し。「萩原さんがこの漫画好きなのがわかります。ここに出てくる人はみんなプロの仕事をしていますね。」よくぞ気づいてくれた!
 最近の僕の一番のヒットは「重版出来!」(じゅうはんしゅったいと読みます)。これは全員に読んでもらいます!仕事をする全ての人に読んでもらいたい。出版社の話ですが、これは一番スタッフに伝えたい内容でした。最近特に思うのが、スタッフや研修生を受け入れてきて、農業者として立派になるよりも前に、仕事のプロとして立派になることのほうがはるかに大切だと感じています。
「俺はまだ本気だしていないだけ」も名作でした。漫画家を目指す、しょーもない、けど愛すべきおじさんの話。困った人を許せる気分になります。
僕は椎名誠の「哀愁の街に霧が降るのだ」という古い小説がとてつもなく好きなのですが、近年では京極夏彦が大好きです。「魍魎の匣」など多数なのですが、余りにも分厚すぎて「読めなかった」という感想が一番多いです。文庫で千ページありますから。
本からそれてしまうのですが、最も尊敬する架空の人物は誰かと問われたら、「天空の城ラピュタのパズー」と答えます。シータとパズーが飛行石とともに、ゆっくり炭鉱に落ちていくシーンがあります。地上に着く寸前にパズーが飛行石の光が消えることを予感してランプの用意をします。凄すぎる!こんな男いやしない!未知なのに飛行石の特性を予感して、次の行動の準備に入る。僕は男として敗北感でいっぱいでした。もう一つ、海賊船の機関室にほうりこまれたパズー。見たこともない職場でいきなり機関長に「これを回せばいいんだね。」と手伝いに入る。この少年の凄さたるや、もう・・・・。この話を小松菜の収穫しながらスタッフに話したら「そこですか!萩原さん、他の人にその話をしないほうがいいですよ。誰にもわかってもらえないから。」って呆れられました。
 これらすべてが今の農業にとてつもなく役立っていることは間違いないのです。(キリッ)

【2度目の梅雨】

 8月15日以降、こんな季節に2度目の梅雨が来てしまいました。いつもは雨不足と高温に悩む時期なのですが、ほとんど雨。毎週火曜日前後に天気を見て必ずホウレンソウや小松菜の種を蒔くのですが、ここ10年で初めて一週間全く種が蒔けない週がありました。ずっと雨でしたので、どうにもならず。野菜が高騰していますが、それもそのはず。この時期はほうれん草など高温でも成長できる品種を農家は使います。ところがこの低温。この特性が全く逆に働いてしまいます。とにかく成長しない。日照不足ですと一株の重さがでないのでさらに品薄に拍車がかかります。しばらく世の中の野菜不足は続くと思われます。それでも毎日仕事はあります。今年はジャガイモが大豊作。9トン以上は確実にとれそうです。来年7月に出す玉ねぎの苗作りを7月から準備をして、10月10日に植えるべく作業を進めます。10万本以上の苗を一本一本植えます。リミットは10日間。それ以降だと寒くて大きくなりません。頭の中はすでに来年の計画です。(紀行)

畑のつぶやき 8月号 

【子育ての風景】

子ども達の夏休み・・・農家の親にとってはかなりプレッシャーなんですが、事務の仕事を夜9時からに切り替え、日中の空いた時間に一緒にサッカーをしたり、遊びに連れていくというニンジンをぶら下げて畑仕事も手伝ってもらいました。
まずは収穫が遅れていた玉ねぎ畑へ。6月に「ちいさな畑セット」に入る葉玉ねぎ。最初は葉っぱがピンと直立しているのですが、だんだんパタンと倒れてきます。そうなれば収穫期です。大きな玉ねぎは、3分の1くらい土から顔を出していますが、小さ目のものは全部土に埋まっているので、子どもたちは手で土を掘り返しながら、玉ねぎを地面の上に出していきます。その後、大きさを選別しながらコンテナの中に詰めていきます。一つ80g以下はB品になります。なぜか畑で見ると作物が大きく見えるので、80gの見本を置いておいて目安にするのですが、途中でぶれてしまう人もけっこういます。長男は、この選別が小さい時から確実にできて驚いたことがあります。うちの仕事はイヤイヤなのでその能力を活かせないのが残念なのですが・・・(^^;)
子どもたちがまだ小さい頃、畑に連れて行ったことが懐かしく思い出されました。水筒、おやつ、敷物、テント、オムツに着替えにオモチャ。日帰り旅行並みの荷物を車に積んで畑に行きました。おやつの袋も自分では開けられないので、何度となく仕事の手を止め、仕事もなかなかはかどらず、焦る気持ちのまま家に帰る日々でした。そんな子供たちが、今は一人で水筒のお水を飲み(当然ですが)、仕事をどんどん進めて(イヤイヤながらも)、重いコンテナを運んでいる(兄二人)。私より大きくなった背中を見て、すこしうるうるしてしまいました。
結婚して間もなくは、家族みんなで野菜やお米を作って幸せに暮らすんだぁ・・・なんて妄想を抱いていたので、育った子供がまさか「もう畑行くのヤダ!」と言うなんて思ってもみませんでした。 緑多い山の中で、畑のそばで暮らせたら幸せだなぁ・・・なんて妄想を抱いていたので、育った子供がまさか「なんでこんなところに家建てたの?学校のそばがよかった!」と言うなんて思ってもみませんでした。そんなごく普通の子ども達と、畑で久々に一緒に過ごせ、幸せを一方的に感じた夏休みでした。(^^;)(幸代)
     
【朝礼をやっています】

農家で朝礼?!ってビックリしますよね。スタッフ宮嶋からの提案で今年から始めました。進行役はミーティングの記録も兼ね、1週間ごとに交代します。まずは、「昨日どんな作業をしたか」。それぞれ分かれて別の作業をしていることも多いので、昨日はどこまで終わったのかの確認です。そして「畑で気づいたこと」。ズッキーニはそろそろ肥料が必要かも・・・、長芋の株元の雑草を取らないとヤバイです・・・など。次に「出荷について」。いんげんは日が当たらずに白っぽくなったものは除いてください、小松菜は雨が降ってきて急いで収穫したので調整に気を付けてください、など。そして「今日やる仕事について」。出荷や収穫にどれだけ時間がかかりそうか、天気はどうか、畑の再優先作業はどれか、それをすべて考えた上での今日の仕事を決めていきます。
畑はあちこち離れた場所にもあるので、事務の多い私にはすべてを見ることができませんが、この朝礼で、全体の様子がよくわかるようになりました。夫と二人でやっていた頃は、夫の頭の中にすべてが入っていて、私は何も見えない中、私なりに考えて行動するのですが、それも否定されるので、そこから喧嘩に発展することも多かったですね。(^^;) 家族だと余計言わなくてもわかる的なものがあるので、家族経営でも今やっている朝礼のような計画の共有って大事だったんだなぁと感じるこの頃です。余談ですが、仕事についてはよく頭の回る夫ですが、夏休み子どもを遊びに連れていく計画にはほとんど頭の回らない夫なのでした。(幸代)

【ごみ捨ての往復ビンタ】

8月13日で44歳になりました。この年になっても相変わらず3年先のことも考えられない「今を全力!」のままですが、物忘れは確実に進んでいまして、その代表格がゴミ捨てです。出荷場は段ボールを束ねたヒモや送り状のシールなどゴミがそこそこ出ます。これを1.5キロ離れたゴミステーションまで捨てに行きます。
うちは、栽培品目がとても多いので、収穫にも作戦が必要です。この時軽トラックにゴミ袋を積んでいくのですが、収穫のさらに細かい段取りをグルグルと頭の中で考えて行くものですから、ごみ捨てのことをすっかり忘れて畑にゴミ袋を持って行ってしまいます。畑に着いてから「ああ~、ゴミ出すの忘れた!」と気づきます。収穫が終わった後、帰りに出していこうと思うのですが、次の段取りを考えていてまたすっかり忘れて結局家に持ち帰ってきます。その時のショックたるや・・・・。行きに忘れて帰りも忘れて、往復ビンタを食らったような気持ちです。結論。多品種農家はゴミを捨てられない。それはお前だけだろうというツッコミはどうかしないでください。(紀行)

畑のつぶやき 7月号

【事業計画とSexy】

少しはちゃんと経営というものをやらなければならないなと反省しまして、事業計画というものを作ってみようと試みたことが過去に何度かあります。結論から言いますと、ちっとも作れませんでした(笑)。経済学部の出身で、講義で経営学もカジったり、会社員時代に、純売上の目標設定と格闘することはある程度は免疫があったわけですが・・・。
 今年の4月に東京に行く用事があって、その際、いつも野菜を買ってくださっているОさんのお宅にお邪魔しました。奥様は東京大学の大学院で倫理学の研究をされていて、旦那様は海外でビジネスをされている御夫妻です。人格、能力共に、僕が尊敬してやまない御夫妻です。どうも事業計画などを立てるのがつまらなくてできないという話をしたところ、こんなことを教えていただきました。「アメリカでは、本気で事業者を育てようという優れた投資家がいます。彼らは何を見て投資しようとするかというと、その事業者が考えていることがセクシーであるかというところなのです。収支計画ではないのです。」「セクシーってこの場合、日本語にすると『粋な』とか『魅惑的な』という意味だよね。アップルのスティーブンジョブスさんはコンピューターのキーボードを打つ様がセクシーではないと思って、今のタブレットの本をめくるようなページの更新方法に行き着いたらしいです。」英語が堪能な御夫妻ならではのまさに粋な翻訳をしていただいて、納得がいきました。「事業計画はもちろん大切だけど、萩さんのなんとなくこっちが面白い、という感覚をもっと磨くことのほうがセクシーだと思うよ。」と言っていただいて、頭が整理されました。
 今お付き合いしている流通さんの中でも、突然の出会いで急に出荷が決まったこともあります。春にすべての作付計画を立てていますので、シーズン途中の出会いがあっても出荷はできないはずなのですが、「なんだか今年は出会いがある気がする。」というなんの根拠もない勘が働いて多めに作っておいたおかげで現在のつながりになっていたりします。   
 夏の3か月、取引先のGAIAさんの女性スタッフ平島さんが働きに来てくれています。3年目となる平島さんは、来てすぐに仕事も思い出してくれてトマト担当で活躍してくれています。東京の農業経営者大学校のヒトミさんを4ヶ月の短期研修でお預かりしています。最初、短期研修を受け入れたことがないのと、19歳という若者の指導というのに自信がなくてどうしようかと迷っていました。引き受けることにしたのは、本人がとても真剣なことと、標高1000mの畑で、女性たちが躍動しているシーンってとても「粋」で「魅惑的」じゃないか!と思えたからです。
 Оさんのお話をスタッフにしたところ、新しい企画案に「これはセクシーですね!」なんてセリフがスタッフから出てくるようになって、僕の判断ミスを正してくれることがあります。「なんとなく」の部分の共有というものが出来るのかもしれないな、それができると強いチームになれるなと感じております。(紀行)

【疲れを癒す、ちいさな野菜たち】

 これから夏本番ですね。夏野菜も徐々に勢いを増してきます。太陽の下での農作業は、特に夏バテや熱中症に気をつけながら・・・。夏バテ対策に「梅ジュース」! 青梅の出回る6月は、忙しくても必ず作るよう心がけています。そして、基本は毎日の食事と睡眠ですね。食事の60%が水分で、しっかり食事をとることは熱中症予防にもなるそうですよ。野菜も水分が多く栄養も欠かせないので、できるだけ毎食とりたいですね。
 
 お客様からとっても嬉しいメッセージが届きましたので、ここでご紹介させてください。

『本日、ちいさな畑セットが届きました。 春菊をそのまま口に入れると「???!!!」 なんですか?!あれは(驚)日中まともにメシも食えずに終電で帰ってきて、思わず放り込んだらあんな甘い爽やかな春菊...そのまま立て続けに、もぐもぐと生のまま食べてしまいました。「これって春菊だよね???」内容物を見直してみるほどでした。他にもちいさな野菜達から畑の香り、昔の野菜の匂い。今日1日の疲れが飛んでしまいました。野菜って本来こんな味をしてましたよね。スーパーで買っても苦かったり、どこか味気なかったり。どこか自然のある所に泊まりに行ったり、美味い店を選ばないと美味しい野菜に出会えず、野菜らしい野菜を食べられるのは「非日常」になっていました。おかげさまでこれからは日常的に野菜からパワーを充電できそうです。素晴らしいお仕事これからも頑張って下さい。Micky』

 読んでいて、涙が出そうになりました。ありがとうございました!私たちの作ったちいさな野菜たちが、日々の疲れを癒してくれてるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。野菜セットのご購入は、ご面倒な部分もあると思います。いつも皆様にご理解していただけることに深く感謝しています。また、こちらでもできるだけのことはしてまいりますので、ご意見やお気づきの点はどうぞご連絡ください。暑さでしんどい季節ですが、みなさまどうぞお体ご自愛ください。これからもよろしくお願い致します。(幸代)

《畑のつぶやき》2015年6月号

【いい仕事って】

 いい仕事場って何だろうと考える。仕事をしている時間は人生の中ですごく長いので、できるだけいい仕事場でありたいと思う。夫婦二人でやっているときはそれほど意識しなかったけど、スタッフの人が来てくれるようになって、かなり意識しだした。今はそれぞれ担当がある。でも、どんな職場でもそうだが「どの担当にも属さない仕事」というものがどうしても出てくる。雑用系や、厄介な仕事、きつい仕事が特に多い。それを関わるメンバーが「はいよ。」と軽やかにやれることがいい職場だと思う。そのラインだけは絶対に守りたい。仕事の押し付け合いまで行かなくても、「これ誰かよろしく。」と言ったら全員が黙って下を向いてことが過ぎるのを待つようになったらおしまいだと思う。仕事場がそうなったら解散してもいいと思っている。
 会社に勤めていた時、誰の担当でもないクレームの電話が来ることがたまにあった。どうにもならなければ、誰かが行くことになる。僕たち営業にとっては、ただでさえきついスケジュールの中で動いているのに、それに時間を取られるのは非常につらい事だった。本社から電話がきて、「申し訳ないのですが、現場に行ってもらえますか。」というのが同時に2件入った。営業所の先輩が軽やかに「はいよ。」と引き受ける姿がとてつもなくカッコよく、僕も思わず「もう一件の方僕行きます!」と名乗り出た。引き受けたはいいが、ヘビー級の厄介な現場。処理に数日かかった。案の定、仕事がたまりまくって休日出勤で半月休みなし。休日にたまった仕事を片付けていると、その先輩もたまった仕事を片付けに仕事場にやってくる。黙ってコーヒーをポンと机に置いてくれた。二人とも黙々と仕事をこなしているが、この人のそばで仕事ができる喜びを噛みしめていた。この人がいれば、次の厄介事も引き受けてやろうじゃないのと思えた。
今のうちのスタッフが、まさにこの「誰の担当でもない仕事を」軽やかに引き受けてくれる時、それはそれは爽やかな空気が流れる。今回引き受けていない人も「今度は俺が引き受けるぞ。」という目がその空気をさらに良くしてくれる。この空気とともに、お客さんにこれからも野菜をお届けしたいとグッと手に力が入る。(紀行)

【農業とパンの共通点】

 こんにちは! 圃場管理担当の荒井と申します。私はパンを一日に一斤食べるほどパンが好きなので、農業とパンの共通点についてお話させて頂きます。
 まずは農業のお話です。畑に野菜を植える前に、農家はトラクターを使って土を耕します。理由の1つが、酸素を与えるためです。何に? 微生物にです! 彼らは酸素があると、土中の有機肥料や枯れた植物を分解して野菜が吸収できる形にするのです。有機肥料は<タンパク質>→<アミノ酸>へ、枯れた植物は<炭水化物>→<糖分>へと分解され、自身の栄養源にします。
 話をパンに移します。パン作りにおいて砂糖を添加しますが、これはイースト(酵母菌)にエサを与えているんです。糖分を分解した際に生じた二酸化炭素がパンの膨らみに起因します。
つまり、農業とパンの共通点とは微生物であり、彼らに必要なのは酸素と糖分やタンパク質です。(好気性菌の場合)
 そこで私は、砂糖を添加せずにパンを作ることができるのか? をテーマに実験を行いました。私が立てた仮説は、お酒造りで元気になっている酵母をそのまま添加しても同様にパンが作れるのではないか、というものです。例えば日本酒ですと、麹がお米の<炭水化物>→<糖分>に、それを酵母菌が分解してアルコールを作り出す過程の産物です。また、スパークリングワインは、酵母が糖分を分解して二酸化炭素を生み出している最中のお酒です。さっそく、私は生きた酵母入りのお酒を買いパン生地に仕込んだところ、仮説どおりにパンが焼きあがりました。余談ですが、お酒の量を増やすと、イースト発酵パンより膨らみが弱い代わりに、充実感ともちもち感、香りがとても良いです。ちなみに、砂糖不使用のパンの総称をフランスパンと言いますが、これは代わりにモルトが入っています。モルトは小麦粉の<炭水化物>→<糖分>にする酵素が含まれています。
 ここまでパンについて農業の共通点を交えて筆を進めましたが、私のパンに対する情熱は伝わったでしょうか。しかし私は日本人。朝食はご飯とパンの両方を食べて一日をスタートさせます。

《畑のつぶやき》2015年5月号

【今季もスタッフ一同がんばりますのでどうぞよろしくお願い致します】

昨年度好評で予想をはるかに上回るスピードで完売となったレトルトの玄米と野菜のスープ。原材料のカボチャ、ジャガイモ、そして新たにニンジンが加わる予定で、それらの野菜を貯蔵しておく地下ムロを増設しました。15坪ほどの地下ムロです。重い野菜を地下にしまい込んだり、地上に出したりするのはしんどい作業ですが、今年からは長く取り扱っていただけるよう、製造数を増やして頑張ります。

昨年、入ってくれた新人スタッフ3人が、見事に成長してくれて、この春は非常に助かっています。皆、独自に機械の取り扱いや加工品のポイントなどをまとめた資料を次々に作ってくれています。自分の頭で考えて仕事をしてくれているのがありがたいです。その資料のチェックを僕がしているのですが、こちらが伝えたことと実際に伝わったことの間にずれがあります。これが「伝える」と「伝わる」の間にある差異であることがあぶりだされてきます。ここが僕の伝える力の弱点なのかというのがわかってすごく参考になります。ただ、悪い事ばかりでなく、この「差異」の中に、僕が考えもつかないような新鮮な考えが潜んでいたりするから面白い!仕事って本当に面白いなと最近つくづく思うのです。(紀行)

【荒れ地と改善】

新しい土地を5反(約1500坪)ほど借りました。そのうちの4反が広いのですが、土がかなり厳しく、石も多い畑です。数年かけてよい土に仕上げたいと思います。石は地道に拾い上げて、軽トラック1杯くらい出ました。隣でハム屋さんの豚さんがブヒブヒ言っているのがかわいい。
4月前半がずっと雨で、畑に入れず・・・。一転、4月後半から3週間以上にわたって全く雨が降らず今度は畑がカラカラに。500ℓタンク40杯以上を畑に運び散水の日々でした。こんなこともあるものなので、おたおたせず、やれることからじっくり丁寧に仕事をしました。おかげさまで、順調に野菜達が育っています。僕は農業をはじめて一年目から疑問改善ノートをつけてきました。最低一年で35個以上をあげてきました。たった35個でも10年たつと350個も改善できます。年数を重ねたら減ってくるのかと思ったら、昨年は67個もありまして、まだまだ未熟であることが証明されてしまいました。昨年は冷夏というよりも夏が全く来なかった年でした。ナスなどの夏野菜が全然とれませんでしたので、今年は気合入っています!夏野菜全力で行きます!(紀行)

【大阪で】

3人の子どもの卒業というめでたい年でもあり、受験をがんばった長男のリクエストで春休みに大阪へ行ってきました。何しろ受験の発表が終わってからの計画で、行き方や宿泊する場所を調べるのも一苦労。そんな折、定期購入のお客様のNさんから、野菜のご感想メールが・・・。Nさんは、時々オススメのレシピなどメールしてくださり、お住まいが大阪だったことあり、「おすすめの場所ありますか~?」という何気ない私の一言に、たくさんの情報を送ってくださいました。そして、「ご都合があえばお会いしたいですね~」という一言で、なんと、なんと大阪でお会いできることとなりました。
何しろ、メールでのやりとりのみで、まったくの初対面。こちらは私の母も含めて6人の団体行動ということもあり、予定通りにいかないところはNさんが融通をきかせてくださり、無事会うことができました。お会いしてみたら同年代!思っていた通りの優しい方でした。天神橋筋商店街を案内してくださり、たこ焼きとビールで乾杯したりと、楽しい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました♪ 今年はご夫婦でのらくら農場収穫祭に初参加したいとのこと。いつも思うのは、私たちはお客様に恵まれているな~ということです。今年の収穫祭は、10月31日(土曜日)が決定です。どんな出会いがあるか楽しみです。詳細はまた追ってお知らせいたします。(幸代)

《畑のつぶやき》2015年2月号

 暦の上では春となりましたね。まだ畑は雪で厚く覆われていますが、朝窓が明るくなるのも日に日に早くなり「そろそろ早起きはじめてくださいね」とお日様にささやかれているようです。風はまだまだ冷たく、時々雪も降りますが、日中の最高気温が5℃まで上がると道路の雪溶けも早く、春が近づいているようで嬉しくなります。来季に向けての準備も少しづつはじめています。野菜と畑の相性を考え、来季はどの畑に何を植えようか、多すぎた野菜は減らし、足りなかったものは増やし、評判のいい種を選んで2月上旬には種の発注も済ませます。出荷の合間をみて、もみがらの炭焼きも順次行っていきます。もみがらとは、玄米をつつんでいる繊維質の殻です。お米を収穫したら、まず籾摺り(もみすり)と言って、もみ殻の部分を取り除きます。そうして玄米にした後で、さらに精米して分づき米や白米にしていきます。炭にしたもみ殻は、育苗の土に混ぜて物理性がよくなるように使います。3月には種を蒔き、毎日の水やりと温度管理が欠かせない日々がはじまります。朝日に起こされ、育つ野菜にせかされながら、農業を楽しんでいけたらと思います。(幸代)

【八つ橋に例えてみると】スタッフ宮嶋

今年度は私たち新米スタッフ3人が加わり、農場運営にも大きな変化があったと思います。作業のスタンスやコツ、技術的見地・作業効率等を踏まえた判断・行動、それら様々な要素を体得しながら進んできました。新たに生まれたアイデアや改善点、期待感もあれば、例年どおりにうまくいかなかった部分もあったと思います。まだまだ噛み合わせの悪い歯車状態の中で、劇的に変化する畑に対応しながら、今日まで野菜をお届けできたことを本当にうれしく思います。
始めは動きや思考がカッチカチに反り返った「固い方の八つ橋」のようだった新米スタッフも、少し柔軟になり「柔らかい方の八つ橋」へ。さらにその中に少しだけ知識というアンコも入ってきたかな?(例えが無理やりですか? 笑)だた、少しばかりアンコを得たとはいえ、それでサクサクッとこなせるようになったのかといえば、まだモッサリとしていて萩原夫妻にグッと呑み込んでもらってるんですが・・・。
 私が農場に加わり初めてダウンしたのは、玉ねぎ収穫の時期。他にも多くの作業があり、遅れ気味だった玉ねぎの収穫をなんとか終わらせなければと必死でした。ここで農業が辛いと言いたいわけではないんです。農場では細かな作業から大掛かりな作業を次々にこなしていくことが重要です。そのためには身体を使うと同時に、それ以上の頭を使います。そうしなければ多くの作物を取り扱う私たちの農場は進みません。その上で、ダウンするくらい身体を使うのです。雑な仕上がりにならないよう丁寧に行うのと同時に、無駄を省きスピーディにこなす事が何より大事です。私はこの7カ月足らずで、当初と比べても明らかに筋肉質になりました(それは私がそれまで肉体維持をさぼっていたせいですが)。栽培に必要な事はたくさんありますが、体力は作物に対する知識や栽培技術に先立つということだと思います。だから私はこの冬にたっぷりと肉を蓄えて・・・と思っていたら、先日うかつにも4日寝込んでしまいました。
それでもほんの一年足らずとはいえ、同じ作物でも季節ごとに変わる品種や肥培管理を含めれば、80~90通りの栽培方法に接してきたことが大きな経験になったと思います。その経験の大半はまだあやふやなままというのは否めませんが、今年からはその1つ1つの精度を上げていきます。ゆくゆくは全てを自主的にこなせるように、一歩踏み込んだ質の良い質問やミーティングができるように。そういう場面が増えていくことが農場の力を蓄えることだと信じて邁進したいと思っています。長くなりましたが、これからものらくら農場、そして皆の力を結集して作ったスープと共によろしくお願い致します。必要とあらば営業担当のタツがすっ飛んでいきます。

【土を耕して】スタッフ三原

 昨年、私たちはレトルト・スープ発売という新たな試みを行いました。作業スタッフも増え、繁忙期の臨時アルバイトも含め、農場主以下7人体制となりました。ここ数年、毎年ごとに農場では新たなページがめくられるかのようです。はじめは頼りなげだった新人たちも、みるみる成長し、今では農場長の私が彼らに遅れじと老体に鞭打っています。若者たちの顔つきが精悍に変わってゆくさまを見るにつけ、百姓になるとはどういうことなのか、万感せまる思いです。
 天候に一喜一憂し、寒暖にふりまわされる。日照りが続けばハラハラし、雨が続けばオロオロする。思い通りにならない自然を前にして、自分の小ささを示されるかのようです。しかしその先には、収穫という喜びが待っている。土を耕すとは、自分を耕すこと。野菜を成長させることは、自分を成長させること。まさに大地は、己を映す鏡なのかもしれません。
 一方、視点を転ずれば、農場経営と有機農業を通して実現させたい理想とに乖離を認めざるを得ません。この二律背反をいかに融合させるかが、これからの有機農家の課題でもあるでしょう。初心を忘れず、熱き思いを失うことなく、鍬を握る腕に力を込める。そんな日々の営みが、大きな結果につながることを信じたいと思います。来月からは、もう種まきが始まります。額に汗する毎日が、もうすぐそこまで来ています。

 来季もスタッフ一同がんばりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

《畑のつぶやき》2015年1月号

【地元の講演会に出演します】

二つのイベントに出させていただくことになりました。まずは、2月15日!佐久穂町のやる気に満ちたメンバーで結成した「小さくて強い街作り委員会」主催「みんなで考えよう佐久穂の未来」。大親友の田辺診療所の眉毛キリッ田辺先生とトークします。僕は「小さくて弱い農家の生き残り術」という気弱100パーセントの演題で話します。毎年100人人口が減っていくこの小さな町でこれからできることを考えたいと思います。一般参加OKでお申込み不要です。「みんなで考えよう佐久穂の未来」で検索できます。
続いて2月21日22日!長野県有機農業研究会主催「新しい世界の扉を開ける」と題して、面白いことやっている有機農家5人のトークセッションです。僕のほかに茨城久松農園の久松さん、岡山里山農場の山崎君、千葉柴海農園の柴海君、千葉あいよ農場の志野君。この5人で話すと、ゴボウの栽培方法から始まって気づくと原始仏教哲学まで話が転がるので、このイベントどうなるか責任とれません。こちらはhttp://nof-newworld2015.blogspot.jpからのお申込み。僕は「12の眼と6つの頭脳を持つ孤高の有機農家」なんてかっこよく紹介されていますが、要は、自分の眼が節穴で、自分の頭脳が足りないので、スタッフみんなの眼と頭脳を借りているという話なのであります。

【大きな動き】

 「イギリスでは有機栽培と普通の栽培で栄養価の違いが見られないので、有機栽培が特に栄養価に優れているという宣伝は控えるように、と言われている。それについてどう思うか。」と問われたことがありあました。僕からすると、「だからどうなんだろう。」というのが正直な答えです。まず、有機栽培と普通の栽培の平均値を取ることの意味がないと思う。有機栽培にも作り手によって質はピンキリだし、他の農法にしてもピンキリだ。脚本家の三谷幸喜さんが「舞台と映画、どちらが面白いか。」と質問されたとき、どちらかという2分割にせず、4分割にして説明されていた。第一位、面白い舞台。第二位、面白い映画。第三位、つまらない映画。第四位、つまらない舞台。舞台は最高と最低に別れやすいのだと。わかりやすく4分割にして説明してくださったが、実際はもっと複雑なのだろう。
 これを面白さの平均値をとって、結果、舞台が上回りました。映画より舞台の方が優れています、なんて答えはトンチンカンだろう。さらに、映画のほうが観客数が多いから、映画のほうが優れているというのもさらにトンチンカンだろう。それぞれに良さも悪さもある。
優れた監督や、脚本家ならどちらからも学び合う姿勢を持っていると思う。有機栽培と他の農法に置き換えても、どちらかがシェアがあるからだとか、どちらかが優れているとかではなくて、それぞれの達人から学べることは山ほどあると思う。よって、僕からするとイギリスの話などは、どうでも良いのです。そんなことを考えていたら、島根でとんでもない高品質の有機野菜をプロデュースしていた元木さんという方が会いに来て下さった。僕に土の分析などを教えてくださった有機肥料会社の小祝さんも加わって、膝を合わせて今後の栽培や販売のことを話すことになった。この地域で出荷組合法人を作らないかという打診でした。小祝さんが提唱されているBLOF理論(植物の生命のメカニズムに寄り添った農法、うちがやっている栽培方法です)をベースとした生産者が組んで高品質の作物を供給する少数精鋭の(うちが精鋭かどうかは置いておいて(笑))研究・出荷組織です。 体にリスクのある物質をとことんまで少なくし、がんを抑える抗酸化力などを高レベルで含有した作物栽培を目指します。 仲間と話し合った結果、準備組織を立ち上げることになりました。まずは、1月末に徳島に勉強に行ってきます。スペシャル高レベルな農法を学んできます。うちはどの出荷組織にも属さずになんとなく来てしまった、珍しい経営体です。基本スタイルは変わりませんので、今後ともよろしくお願い致します。(紀行)

【出荷小屋が快適になりました】

夏は涼しく快適な出荷スペースですが、冬は吹きっさらしの極寒になります。ここで野菜の選別、袋詰め作業をします。冬場の気温は5℃以下で寒い日は最高気温がマイナスになることもあり、1時間ほどの作業で手がかじかんで動かなくなるので、いったん部屋に戻って体を解凍してからまた作業を再開していました。土間のように周りを囲んで天井をつければ暖かくなるのですが、かなり大がかりな工事と予算になってしまいます。自然光も減るので、野菜を選別する時は昼間でも電気をつける必要がでてきます。
いろいろ悩んだ末、ビニールハウスの技を応用して四方を囲んでみることに。ご近所のKさんが作ったあずまやを見せていただき、厚手のビニールカーテンを利用されていることにもヒントを得ました。ビニール一枚で暖かくなるのか心配だったのですが、風が通らないので体感温度は格段に上がりました。36畳ほどのスペースです。支柱となる鉄パイプを高速カッターで切断していき、丸太の柱にビス止めしていきます。スタッフ宮嶋が大工仕事に慣れていて活躍してくれました。大きなビニールを天井に張っていくのに苦労しましたが、夏は扉を簡単に取り外せるのも利点です。快適になった空間についホクホク顔になってしまいます。なんとなく、今出荷しているハウスの葉もの野菜になった気分です。(^^;) (幸代)

《畑のつぶやき》2014年12月号

【スープ完成しました】

 野菜の美味しさは、スープにするとダイレクトに伝わる気がします。長年、手軽に美味しく食べられるスープを作りたいという思いがありました。レトルトスープという初めての試み。野菜と乳製品と塩だけで充分美味しく作れるスープですが、やはり自宅で作るには手間がかかります。体力や気力が落ちている時、体調が悪い時ほど、美味しい野菜スープが飲みたくなる。赤ちゃんからお年寄りまで、ココロもカラダも元気になるスープを作りたい。
 レトルトスープという初めての試みは、山あり谷あり。法律的に使っていい文言を確認し、食べるときの注意点など表示義務も決まっています。内容量や加工業者などの表示は四角く囲み、文字の大きさは8ポイント以上でないと許可がおりない。今まで知らなったことをスタッフで手分けして調べたり電話で問い合わせたりしました。パッケージについても、みんなの知恵をかき集め、手に取ってみたくなるような外装かどうかはもちろん、商品として並びやすいかどうか、宅急便で送ったときに破れたりしないかどうかなどを何度も検討しました。デザインは、TEDx佐久で講演をしたときに知り合った江村さんにお願いしました。農場にも何度か足を運んでいただき、応援していただき、とても素敵なデザインを考えてくださいました。そのデータをパッケージ会社に送って印刷をお願いしました。
 コストダウンのため、長野市まで材料の野菜と玄米を軽トラックにのせて運び、レトルトが出来上がると、段ボール130箱分を取りに行きました。今は我が家の1室が段ボールでいっぱいになっています。
 ところが、スープが出来上がったものの、パッケージがいっこうに届かない。パッケージ会社と毎日のように電話でやりとりし、どうなっているのか、いつになるのか聞いてもその約束の日に届かない。こんなところに落とし穴があったとは・・・。夫の白髪が抜け落ちてハゲになるのではないかと心配しましたが、やはり事業を成すというのは大変なことですね。そんな事情があり、販売が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。頭が痛いのは、賞味期限。今回加工してくださったレトルトメーカーさんにとって無添加は初の試みです。2年たっても悪くなることはないそうですが、風味の変化がある可能性があって、今回は半年の賞味期限になってしまいました。8000袋のスープ、できるだけ早く完売できるよう、がんばらねば。
 色々ありましたが、試食していただいたみなさんから「本当に美味しい」というお言葉をいただきました。のらくら農場の加工品の新しい顔になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。(幸代)

【人手と脳と眼と】

 のらくら農場では、土の分析をしたりしているので、他の農業仲間から「データ農法」とか呼ばれたりすることがあります。けれども、やっている本人たちは特にデータ、データなんて思ってもいなくて、五感を使うことも多いです。データはあくまで手段のひとつです。匂い、手触り、見た目、音、当然、味・・・。ただし、なんとなく感じるだけでなく、どういうメカニズムでそうなっているのかを頭の中でグラフ化したりして、理解するよう心がけています。失敗の時は、次回の改善のため、成功の時はその再現のため。
 休憩の時、スタッフにこんな質問をします。「1作目と2作目のビタミン大根が、一週間ずらして種まきをしたのに、2作目の方が追いついてしまった現象が起こったんだけど、さてなんでだろう。」みんな、気温、天候、標高、日当たり、肥料設計などいろんな条件を頭に巡らせていくつか答えが出てきます。「おそらく僕の見たては、こんな感じ。肥料において反当たりの窒素成分15キロは、白大根と紫大根にはちょうど良いけど、初めて作ったビタミン大根には若干多い気がする。その根拠は、一作目は、葉は旺盛だけど、可食部分の形がちょっと暴れ気味で、小さい。これは窒素がきれていない証拠。窒素が切れないと葉の成長が止まらない。可食部分が肥大しない。では、なぜ2作目は上手く出来たのか。寒い時期に入って、有機質肥料が効きづらくなって、ちょうど窒素が切れた状態になって、実の肥大の時期にうまくかみ合ったと思う。」このように、メカニズムを推察してスタッフの理解を勧めます。従業員をよく「人手」という。もちろん人手も欲しいけど、僕は、考え、判断できる複数の「脳」と、鋭い観察眼をもった複数の「眼」が欲しい。そのために、みんなの脳と眼をつなぐ為の時間を結構取ることにしている。(紀行)

【子どもとの日常】

 今まで、子どもの洋服はおさがりで充分間に合っていたのですが、15歳になった長男は「おさがりのベージュのズボンは作業着みたいで嫌だ」といいはじめました。(作業着って...あなた、なにかベージュのズボンに対して思い込みがありませんか?)と思いましたが、初めて一緒に洋服を選びに行くことになりました。私の身長を少し超えている息子、洋服を見に行くともう大人サイズでも着れることにやや驚き、ちょっぴりワクワクの母。しかしながら、洋服の趣味は私とは全く違い、ちょっぴり寂しくなりつつも、成長したんだなぁとしみじみ。    
 一方6歳の娘は、ちょっとムカっとすることがあると「この、のっそりグマ!!」とお父さんやお兄ちゃんを怒ります。(のっそりグマに対して何か思い込みがありませんか?)と聞きたいところですが、ちょっぴり笑ってしまうので、よしとしています。
 そしていつも自由きままで我が道を行く次男は、あまり手がかからないのですが、たまには親子の会話をせねばと「今日学校はどうだった?」と聞くと、「ひとことで言うと・・・寒かった!」とあっさり。(そんな薄着でいればそりゃあ寒いでしょう)と思うのですが、ほとんど病気になったことがないので、「そ、そうですか・・・」と話は完結してしまうのでした。(幸代)

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のらくら農場
〒384-0701
長野県南佐久郡佐久穂町
大字畑5645-175

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安全な有機野菜です。
営業時間/7:30~20:00
定休日/土曜日・年末年始

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